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雇用の安定による「普通の生活」 2氏のコラム

鳩山首相の施政方針があった・・・ 理念だけで具体性がない、小沢問題を無視とはいかがなものか、というのが主要メディアの反応のようだが・・・ やはり「大企業中心」の異常に切り込む―― 10年で200兆もためこんだ内部留保、それは不安定雇用、優遇税制の賜物だが、そこをどうするかがないので、理念だけになる。その点で、社会のあり方、会社のあり方についてなかなか面白いコラムがある。
経済アナリスト森永卓郎氏の
【民主党「新成長戦略」に幻滅。「官僚から政治家へ」に反する「官僚答弁」。企業は有給消化で雇用者数を維持せよ! 1/26】
ソフトウェア会社アシスト社長のビル・トッテン氏の
【絶対にリストラはしないと約束したビル・トッテン社長の不況乗り切り策 ダイヤモンド1/6】

◆森永氏は
・新成長戦略は、「わたしがシンクタンクに勤めていたときに、霞が関に頼まれてつくっていたものと基本的に同じである。そのようにして各省庁が提出したビジョンをただ束ねて発表したに過ぎない。これでは、自民党政権が繰り返し打ち出してきた成長戦略と本質的に変わらない」「需要側である生活者の視線で見ることを強調していたはずである。それが「新成長戦略」にはまったく見られなかった」と幻滅を表明

・経済政策を需要側から見るならば、ライフスタイルの将来像を描くべきであり、キーワードは「ディーセントワーク」であるとし、それは「人間らしい仕事をして人間らしい生活をするという、ごくごく単純なことである。すなわち、まっとうな働き方をして、まっとうに余暇を楽しんで、まっとうに家を建てて、まっとうに老後を過ごす。こうした、ごく普通の暮らしをみんなができるようにしよう」というものである。

・「日本人は独仏人より年間460時間も長く働いている」「正社員は1カ月の有給休暇を政府は宣言せよ」と提案する。これは労働総研の提言と同じ中身である。

・雇用の安定が大事だとし、OECD(経済協力開発機構)による各国の「雇用保護の厳格性」をしめし、「米国がもっとも解雇が容易で、欧州は一般的に解雇が難しく、日本はその中間という感じである。フランス、オランダ、ドイツは、日本よりもずっと雇用が保護されているが、それでも経済がまわっていて、GDPもそこそこ稼いでいるわけだ。」と説明している。
 「国民の所得がある程度確保できて、雇用が安定し、教育・医療・福祉がきちんと受けられ、年金が確実にもらえる。そういう社会にすればどうなるか。国民が将来に不安を持たなくなれば、需要が引き出されて経済を拡大させることできる。それは実現可能なのだ。実際に欧州の国ではそうなっているのだ。『何万人の雇用創出』より『普通の国をつくる』」ことだと提言している。

◆ビル・トッテン氏は、人件費がほとんどを占める会社の社長として哲学と実践を語っている。ここでもキーワードは「雇用の安定」である

 氏は、2007年から、社員全員に「日本経済は6割にまで縮小する可能性はある」と警告を発し、“「現実に減収になったら、給料を減らします」と言っています。ただし、「人員整理のリストラはしません。給料の減額は、僕を含めて、多い人ほど多く減らす累進式に行ないます」と社員に約束”し、同時に「在宅勤務や週休3日制度を提案」し、仕事のための拘束時間を短縮を図っている。
 
その余った時間で、農業や裁縫を奨励している。

氏は「本来、給料を得ることは目標ではなく、幸福や健康が人の目標のはず」とし、「給料が減っても、衣食住に必要なことを自分で賄えば、生活には困らないでしょ?」と言う。
ただ奨励するだけでなく、そのために、農地代を会社が負担して土地を借り、希望者にそこで菜園をやってもらう。ミシンを買って、指導員を雇い、裁縫の勉強会を催している。

 氏の議論は、マルクスが「生産のための生産」という資本主義のあり方そのものに批判をむけている。
「常に総需要が足りないと言って、無理に需要を作っている。個人には、ローンを組ませ、借金で消費させ、需要を生み出している。最たるものが、戦争です。」「家族と幸せな生活を送るために働くはずなのに、家族と過ごす時間を無理に削ってまで、より多くのおカネを得るために仕事をするということになっている。その挙句、忙しすぎて、過労で倒れたり、うつ病になってしまったりしている。これは異常事態」と・・

 そして、「実体経済を超えた、不必要な取引を規制するための税金や制度は有効だと思います。所得税の累進課税など、とにかくおカネを稼ぐことを良しとする傾向を抑える規制が必要です。」としている。

 ・・・ 貧困と格差、繰り返される恐慌、温暖化、資源の枯渇。資本主義という経済システムが問われていることを、あらためて実感する。

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