四万十式作業道 全国紙トップで紹介
95-97年、幡多地区に単身赴任していた関係で、当時、高密度集材路と呼ばれていた四万十式作業道に注目して、「議会と自治体」の拙稿の中でも取り上げたことがある。01年には、春名衆院議員と現地視察にも行った(写真はそのときのもの。後段にニュース内容もアップ)。その作業道が、「朝日」4日付けのトップで紹介されている。
【四万十式エコ林道、全国に拡大 材料現地調達で低コスト 朝日1/4】
【森林・林業再生プラン 09.12.25 農林水産省】
議会と自治体2010.2月号には、「持続可能な街づくりと仕事おこし」特集の中で、森林面積日本一の高知は、都会とは別の「ものさし」で計れば可能性をもっているとの思いをことめ、梼原町を中心に県の林業政策などについて紹介した拙稿が載る予定である。
【四万十式エコ林道、全国に拡大 材料現地調達で低コスト 朝日1/4】 清流で知られる四万十川(高知)の地元で考案された「四万十式作業道」と呼ばれるエコ林道が全国に広がっている。材料をすべて現地調達するため、環境に優しく、設置コストが格段に安いのが利点だ。水源保全で森林整備を進めるサントリーが導入を始めたほか、林野庁も新年度から補助金を出す方針だ。 四万十式作業道は、高知県四万十町(旧大正町)の林業担当職員だった田辺由喜男さんらが1996年ごろに考案した。林業の衰退で手入れされない人工林が増える中で、低コストの作業道が必要だった。従来の作業道は、材木の搬出にも耐えられる強度にするため、道をコンクリートで固めたり砂利を敷いたりすることが多かった。 四万十式は、設置現場に生える植物の根や葉を含む表土と、表土の下にある土とを交互に積み重ねて強度を保つのが特徴だ。重機で踏み固めれば、表土にある植物の繊維質と土が絡み合って崩れにくくなる。路肩は木の根株も埋め込み強化する。道幅は軽トラックが通れる2~3メートル程度が一般的だ。 削った土を山の外に捨てないため、設置コストは1メートルあたり2千円程度。砂利や丸太で造る従来の作業道の5分の1、コンクリート舗装した林道と比べれば、50分の1程度ですむという。外部から一切、材料を持ち込まないため、生態系への影響も少なくできる。 滋賀県は08年度に取り入れ、県北東部の17カ所、約9キロの区間で四万十式など低コストの作業道を造った。このほか、福島、長野、奈良、熊本などの森林組合も09年度に設置した。 水源の保全を目的に森林整備を進めているサントリーは09年10月から群馬県の4キロ区間で設置した。今後、こうしたエコ作業道を9府県10カ所、計約3393ヘクタールの森林に広げていく。 林野庁は07年度からは四万十式など低コストで耐久性のある作業道の普及を目指し、技術者育成の研修や現地実習を開いている。新年度からは、森林整備予算を舗装された林道より、四万十式などのエコ作業道に重点的に振り向けていく。(長崎緑子) ◇ ■東大大学院の酒井秀夫教授(森林利用学)の話 日本の人工林は手入れが行き届かず荒れ放題になっており、簡易な作業道の普及が課題になっている。四万十式は、木材価格が低迷する中で、耐久性を確保しながら単価を抑えることができるのが利点だ。火山灰が多い関東など雨天で土がぬかるみやすい場所では、丸太を組んで補強することも必要だ。地域の実情に応じて工夫すればさらに普及していくだろう。
【高密度集材網で、外材に対抗 大正町 春名なあおきニュース2001//12/21】 コストを5分の1に圧縮。蘇る山々に感動 20日、大正町町が町有林でとりくんでいる高密度道路網(作業道)を視察。今日の林業の困難には外材依存、自給率わずか2割というなさけない歴代自民党政治の林政に責任があることは明白です。しかし木材価格があがらないのなら、コストを抑えて外材に対抗できる国産材を・・その要のひとつが作業道。6月(13日)の質問でもこのことを取り上げました。 大正町の取り組みのすごいところは、網の目のように作業道を張り巡らせて、簡易に切り出せること、その道は短い幅でのり面を1メートルから1.5メートル程度にとどめ、山の起伏に沿って自然を生かしてつくっており、崩れにくく恒久的な使用ができることなどなど。なんと1メートル600円程度と通常の作業道の10~15%の安さです。そしてこの作業道をフルに使って間伐、除伐、枝打ちを行い、まさにただの木から宝の木、金を生み出す木へと変身している姿が手にとるようにわかりました。民有林でもとりくみが広がっており、要請に作業が追いつかない状況とのことでした。民有林では、1mあたり、県700円、町800円の補助があり、ほぼ自己負担なしで、作業道をつくることができます。意欲的なとりくみがこの地で実行され、林業に未来があることを実感、うれしくて仕方ありませんでした。楽しい気分で視察できました。情熱と知恵を持った職員がいればこそでしょう。
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