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高知市の財政危機と議員定数 

 高知市の財政問題について、ムダだとして職員、議員の削減という意見が多々ある。執行部にいいなりで財政危機をつくってきた共犯者の会派からも「削減」の声がでている。
 職員については、先日、「行革推進法」がもたらしている問題点について触れたので議員定数問題を考えてみる。
 まず、先人達の多大な犠牲の上に獲得した国民主権、住民自治である、ことを確認したい。

 日本国民が、選挙権と被選挙権を獲得し主権者となったのは、そんな昔ではない。
それは高知の地でも自由民権運動や反戦・国民主権を主張する共産党の運動など多くの先人の苦労があり、そして戦争の多大な犠牲があり、手に入れたものである。それが現憲法の国民主権と地方自治の規定である。
 地方自治については、地方が国の戦争遂行の道具となった反省からのものであり、また、「アメリカにおける民主主義」の著者トクヴィルは、住民みずからが自主財政の管理と運用に責任を持ち、共同生活にかかわる事務を中央政府から独立して処理してこそ主権者としての真の市民が育つと住民自治の大切さを指摘し、それゆえ地方自治を民主主義の学校と呼んでいる。
 そうしたものを、多大な犠牲のうえで、日本の歴史上、庶民が手に入れたのはわずか60数年前である。
 
 わたし自身は、民主主義のもつ意義、獲得した歴史の大きさをもっと正面から考えるべきだと思っている。
 
以下、個別の論点について・・・
1.「議員が多すぎる」というが基準はなにか。「多すぎる」というからには、基準がなくてはならない。高知市はすでに地方自治法で示されている定数から削減しており(これ自体問題)、40から削減する基準はなにか。
 極論すれば3人でも、無くしてもかまわない、となる。
 
 議会は住民参加の本道だと思っている(住民投票、住民監査という直接民主主義と発揚が大事なことは言うまでもないか)。だから、恣意的な審議会とか、ヒマとカネのある人だけでものごとが決められないよう、厳格なルールで選挙され、議員報酬も支払われ、活動が保障されるのである。
 
 「基準はなにか」を突き詰めて考えると、「多すぎる」と感じる現状の問題と、本来のあり方が見えてくるのではないか、と思う。 

2.「役にたってない」「ムダ削減」という意見と「定数」の関係
 本来、議会は、首長との二元制のもとで、チェックアンドバランスと称されるように、多様な住民の要求に光りをあてるとともに、執行部のムダや間違いをただす役割がある。
 この機能を実施するためには定数が多い方がよい。より広範な住民の意見が反映できる。また、膨大な行政内容に提案とチェックの機能を果たそうと思うと、学習と調査・研究が不可欠である。執行部は2千数百人の職員を抱えているのだから・・・ 
 定数が削減されて、当選ラインが高くなるということは、残念ながら執行部いいなりで議会活動をまじめにやらず、あいさつまわりや各種の会合、集会への顔出しに精を出している人が「選挙に強い」という現実がある。   しかも、こうした人は、行政と仲のよい業界団体からも応援してもらえる(こういう議員ばかりだと、執行部は楽だし、業界団体の意見も通るから) 
 
 声の反映、ムダのチェックという議会の役割を果たせるためには、例えば環境、障害者福祉、中山間の振興など多様な活動にまじめに取り組んでいる人が、参加しやすい定数に本来はすべきである。そのことが真の「ムダの排除」につながる。
 
3.議会が機能する仕掛けを・・・
 定数削減という意見の土台には、「議会がなにをしているかわからない」「財政危機を招いた執行部をチェックできなかった議会は同罪」という率直な思いがあるのだろう。
 それはある意味当然で、個々の議員がどの議案、意見書、請願に賛成、反対したのかがまったく記録されない仕組みになっている。選挙の場でチェックしようにも客観的な資料がない。だから、先のような「選挙にだけ強い」議員が生まれるのだと思う。
 まずは、賛否の記録をつけて市民の前に明らかにすることが、議会改革の出発点と思う(しかし、なぜか、これがすんなり進まない)。

 少なくとも日本共産党は、大型プロジェクトや同和行政の問題を追及し、反対し、また市長選に候補者を立てることもして是正につとめてきた。破綻したPFIについても、その問題点を当初から指摘し反対したのは日本共産党だけである。

4.政治的意図
 今、議会内から出ている議員定数削減意見は、執行部にぶらさがって財政危機を作ってきた共犯者からのものである。自らの罪をごまかすためのもので、本質的には、民意を切り縮め、より執行部に有利な議会をつくろうとしていると感じる。
 「財政危機」の責任、何でも賛成してきた責任を「自覚」するなら、そんな主張をする前に、自ら辞職したら、と思う。

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