「財界本位」の保育改革 鳩山「経済対策」に明記
8日に決定された「緊急経済対策」 … エコポイントなど自公の政策と変わり映えしないという声があるが、「国民の潜在力の発揮」として財界が要求する「保育の市場化」が入っている点で、元祖「新自由主義」の政党としてのカラーが出ている。
「利用本位」の保育改革と言っているが「財界本位」の書き間違いであろう。
名目は「ルールの変更や社会参加支援を通じて、国民の潜在力の発揮による景気回復を目指す。」というものだか、その部分の記述は以下のとおり。
“(ァ)利用者本位の保育制度に向けた抜本的な改革
利用者と事業者の間の公的契約制度の導入、保育に欠ける要件の見直し、利用者補助方式への転換の方向など、利用者本位の制度を実現する。また、保育料設定の在り方について、水準の在り方も含め、制度設計の中で検討する。”
福祉としての保育を、介護保険、障害者自立支援制度と同じく、「契約」制度に変え、市場化をはかるものである。
利用者、関係者からは、「保育改革」に反対する声しか出ていない。
様々な団体の反対声明は・・
・憲法25条に風穴 福祉施設の国基準廃止 10/25
制度改革のねらいについては・・
・「保育制度改革と保育の未来」 二宮厚美講演・備忘録
と、これまでもとりあげてきた。
紹介できてなかった声明として・・
全国保育協議会・大会アピール11/11は以下のとおり。
・子どもの最善の利益を保障する保育政策の実現を!
たたかいを本格的に前進させる必要がある。
‐第53回全国保育研究大会アピール 全国保育協議会11/11 四半世紀の間、いっこうに少子化はとどまっていません。本来、豊かである子どもの育ちや楽しみである子育てが、社会や家庭の変化により、育児不安や負担感となっています。さらに児童虐待や子どもの貧困の増加は、深刻な問題として顕在化してきています。 こうした情勢下で、国は、社会保障審議会・少子化対策特別部会のもとで、すべての子どもの健やかな育ちを「未来への投資」と位置づけ、保育・子育て支援から社会的養護までのすべての場面における質の確保と量の拡充を図る「新たな次世代育成支援の枠組みの構築」の詳細検討を進めています。しかし、その一方で東京等の保育所の面積基準の標準化の方針が示されるなど、保育の質の低下が懸念される状況があります。 子どもの発達と子育て家庭への総合的な支援を社会全体の重要課題とする今こそ、国は、21世紀時代にふさわしい子ども家庭福祉の拡充とそのための財源を確保し、地方公共団体ともに、主体としての子どもの育ちを保障する政策の実現をはかることが必要です。 保育所を利用する二百十万を超える子どもと地域の子育て支援を担っている私たち保育関係者は、未来へ向かって子どもたちの健やかな育ちを守り、「すべての人が子どもと子育てに関わりを持つ社会の実現」をめざし、社会全体で政策を確立させるために、第五十三回全国保育研究大会にあたり次のようにアピールします。一、私たちはすべての子どもの育ちを保障する包括的な次世代育成政策の確立に社会全体で取り組む必要を、国民に呼びかけ、理解と協力を求めます。
一、私たちは、生まれ育つ地域や保護者の経済状況等に関わらず、未来を担うすべての子どもの最善の利益をひとしく守るため、規制改革や地方分権改革で提起されている、保育所の直接契約・直接補助の導入や最低基準等の地方自治体への移譲に反対します。
一、私たちは「子どもの育ち」を主体とした子ども家庭福祉制度の確立のため、国の責任により、認可保育所を基軸として質の確保された保育・子育て支援等の基盤整備の拡充と発展を実現させていきます。
一、私たちは一人ひとりの子どもを主体とした保育の実践のために、最低基準や保育士等の労働条件等、保育環境の抜本的な改善を実現させていきます。
一、私たちは、すべての子どもの健やかな育ちが保障されるように、GDP比〇.八三%と少ない家族政策関連財源を大幅に増やすよう、国と地方公共団体をはじめ、広く社会に訴え、実現させていきます。平成21年11月11日 第五十三回全国保育研究大会
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いつも読み逃げしておりましたが、保育についての詳しい記事はとても参考になっております。
市場化でホクホクする企業てどこなんでしょうね・・。
高知とかでもそう言う企業があるのでしょうか?それとも県外のチェーンみたいなところが食い荒らしに行くのかな?
自然がいっぱいのいい保育をしている保育所が多いのに・・。
Posted by: おりがみ | December 11, 2009 03:47 PM