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事業仕分け/議論の前提がない

自治体で福祉切捨てのツールとして使われた事業仕分け。その実態も検証せずに「善」であるかのような報道に違和感を感じていたが・・・。どうでもよい無駄な事業もあるが、地方交付税、義務教育の国庫負担、診療報酬など国や地方のあり方と大きく関係する内容であり、それによって無駄がとうかが違ってくる。その点で、議論の前提があると思えない。あまりにも乱暴な議論、実態があきらかになるにつれ、閣内や各方面から異論が出ている。当然だろう。
・事業仕分け 狙いは分かるが手法が問題だ 読売社説11/13
・閣僚から「仕分け」批判…防衛相や総務相、農相 読売11/13
・事業仕分け:地方交付税「抜本見直し」 客観性高める必要 毎日11/13
・中医協:事業仕分けの診療報酬議論を批判 毎日11/13

 恣意的に選ばれた委員が1時間で決める・・・要するにディベートである。
 攻める側は、部分的な、こまかな実態で追及し「こんな無駄があるのもつかんでないのか」とやっければ、全体の事業の評価と関係なく、いかにも全体が無駄だという印象を植えつけることができる。
 そうしたものでしかない。
  

【事業仕分け 狙いは分かるが手法が問題だ 読売社説11/13】
 政府の行政刷新会議が事業仕分けを開始し、来年度予算の概算要求から無駄を洗い出す作業を本格化させている。
 国会議員と民間有識者らによる「仕分け人」が、予算を要求した各府省の担当者らと議論し、その事業が必要か否か、地方に移管すべきか、などの判断をその場で出していく。
 長年にわたって硬直化した予算配分に、メリハリをつけようとする意図は理解できる。
 初日と2日目の作業で廃止が決まったのは、農林水産省の農道整備事業などだ。厚生労働省所管の財団法人は、基金311億円の返納を求められた。国土交通省の下水道事業は地方移管とされた。
 こうした判定は、鳩山首相の了承を経て、財務省の予算査定に反映される見通しだ。95兆円と水膨れした概算要求のスリム化につながることが期待されよう。
 だが、事業仕分けの対象である447事業に、在日米軍基地に関する防衛省の「思いやり予算」などが含まれたのは解せない。
 日米安保体制にも影響する政治的な予算である。「まず防衛省が米軍と話をする。いきなり刷新会議が入ってきて削るというのは乱暴」と北沢防衛相が反発するのも当然だろう。簡単な議論で結論を出すような問題ではあるまい。
 義務教育費の国庫負担や、地方交付税など、国の在り方にかかわる大きな案件も、こうした場で取りあげるのは適当ではない。
 むしろ、子ども手当や高速道路の原則無料化など、巨額な費用がかかるのに政策効果が不透明な案件こそ、対象として取りあげるべきであろう。
 公開された事業仕分けで、仕分け人たちが、府省の担当者を一方的にやりこめるような場面が相次いでいるのはいただけない。
 「傍聴者とネット中継を意識したパフォーマンスが過ぎる」との批判が出るのもやむを得まい。
 1案件当たりの割り当てもわずか1時間である。これでは、まともな議論は不可能だ。対象事業数を減らすなどして、時間をもっとかける工夫が欠かせない。
 国の個別予算の当否に、民間人や外国人が直接かかわることを疑問視する声もある。仕分け人としての正式辞令は交付されていないという。事業仕分けの正当性が問われかねない。
 スタートしたばかりの事業仕分けだが、早くも課題が浮き彫りになった。鳩山内閣は、手法と効果を検証しながら、あと7日間の日程を慎重に進める必要がある。
(2009年11月13日00時56分 読売新聞)

【事業仕分け:地方交付税「抜本見直し」 客観性高める必要 毎日11/13】 事業仕分けが行われる行政刷新会議ワーキンググループの視察を終え報道陣の質問に答える原口一博総務相(中央)=東京都新宿区で2009年11月13日午前10時34分、内藤絵美撮影  政府の行政刷新会議は13日、来年度予算の概算要求から無駄を公開で洗い出す「事業仕分け」の3日目の作業に入った。東京都新宿区の仕分け会場を視察した原口一博総務相が、総務省所管事業の仕分けの議論を傍聴。「財務省の議論はとんでもない話。怒りにふるえた」と述べ、仕分け人側の財務省職員の説明を強く批判した。刷新会議メンバーでもある現職閣僚から仕分け作業に批判が出たことで、今後の作業に波紋が広がることも予想される。  総務相は会場で「情報通信分野のベンチャー企業支援」など総務省所管の情報通信関連の4事業(計93億円)の仕分け作業を視察した。財務省が、情報通信技術が普及していることを指摘した議論を傍聴して、「間違った認識でとんでもない話」と記者団に述べた。総務相が「(自分がいると)議論に影響を与える」として会場を離れた後、4事業の評決が行われ、「目的が不明確」などとして、2事業を廃止、残りを見送りと判定された。  仕分け作業については赤松広隆農相もこの日の閣議後会見で、「(廃止などと判断する)基準をきちんとしてほしい」と苦言を呈した。  また、午前中の議論では、官民で演算速度世界一のスーパーコンピューター開発を目指す文部科学省所管の「次世代スーパーコンピューティング技術の推進事業」(概算要求額267億円)を「プロジェクトを強行しても目標を達成することは困難」として、予算の大幅な縮減を決めた。厚生労働省所管の「両立支援レベルアップ助成金」(30億円)と「短時間労働者均衡待遇推進等助成金」(10億円)は、「見直し」とし、財団法人を通じて助成金を支給している現在の事業形態を改めるよう求めた。  この日の仕分け作業では、地方交付税交付金(総務省、概算要求額17兆円)など23項目の事業を対象に、事業の廃止や予算計上の見直しなどを判断する。【坂井隆之、石川貴教】


【中医協:事業仕分けの診療報酬議論を批判 毎日11/13】
 事業仕分けで、診療報酬の総額抑制基調が示されたことに対し、診療報酬改定を議論する中央社会保険医療協議会(中医協)は13日午前、大荒れとなった。頭越しの結論に、「中医協の議論を全く無視して、かなり乱暴だ」などと批判的な意見が相次ぎ、行政刷新会議に「意見書」を提出する寸前までいった。
 11日の事業仕分けでは、診療報酬を抑えつつ「病院と診療所(開業医)の配分を見直す」と判定された。これには医師の委員らから、「人民裁判でも見ているような気がする」「町のおじさんおばさんが集まって医療の議論をしている」との批判が噴出した。
 複数の委員は、意見書の提出を主張した。結局、この日は見送ったものの、長妻昭厚生労働相は「安易な妥協は決裂への道。大いに議論を」と語った。ただ、13日の記者会見で長妻氏は、10年度の診療報酬改定について「できる限りネット(総額)での上昇幅は抑える」と述べた。


【閣僚から「仕分け」批判…防衛相や総務相、農相 読売11/13】
 政府の行政刷新会議(議長・鳩山首相)が行っている「事業仕分け」作業に対し、13日の閣議後の記者会見で閣僚から批判が相次いだ。
 北沢防衛相は、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の一部が仕分け対象となったことに対し、「日米間でも、もう少し透明性を高めなければいけないという議論があり、話し合いを水面下でやっている。対アメリカとの関係も考慮して、防衛省に任せて(日米間の)進展を見てからにしてもらいたい」と述べ、日米関係への影響に懸念を示した。
 原口総務相も、同日の仕分け作業で地方交付税交付金が対象となることについて、「地方交付税は地方独自の財源だ。どこかで(必要性を)一方的に決めていいものではない」と反発した。赤松農相は、「(仕分けの中で)指摘する人たちが分かっていない点もある」と指摘した。
 これに対し、藤井財務相は「仕分けの結果は真摯に受け止めて予算編成に反映させる」と述べ、判定に従って歳出削減に取り組む姿勢を強調した。
(2009年11月13日13時17分 読売新聞)

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Comments

次世代スーパーコンピューターが見送られるようでは、夢も希望もない。
蓮舫のような科学技術や日本の将来に無関心な人物が仕分け人では、致し方ないこと。
毎年2.5兆円の税金を使う高速道路無料化は、無駄な予算であるから、事業仕分けによって廃止してもらいたい。

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