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オ社側が約10億円負担 高知医療PFI解消へ

 医療PFIの解消で合意が成立した。オリックス側に、イレギュラーの9億4千万円の負担をさせての解消となったのは、「民間活力」が如何にいいかげんなモノだったか明らかになり、世論の力をバックにした結果だと思う。
・高知医療センター PFI解消合意へ 読売11/26
 合意内容は・・・

①今年度のマネジメント料2.5億円について、同額の経営協力金をオリックス側が支払うことで実質チャラにする。
②建設での民間融資135臆円を、病院企業債へ借り換えにより発生するブレイクハンディングコスト10億円余のうち、オリックスの持分約5億円を放棄する。
(ブレイクハンディングコストについては、通常の自治体での借り換えで発生する金額に比べても9割を切る額で計算されている、とのこと)
③経営協力金として別途2億円を支払う
というもの

 地元紙は「強気交渉で“満額回答”」と報じている。
 
「人権を守る公務と利益追求の民間では目的が違う」として、日本共産党は、県議会、市議会で、PFIの本質的問題を指摘し導入に反対し、07年12月市議会で、材料費削減の提案内容が達成できておらず、それが経営危機の原因となっていることを指摘、執行部から「効果が発揮できてない」との答弁を引き出し、それが県議会と市議会の「企業団が、SPCに対して経営改善を強く求める「決議」の可決となった。
その後も「提案内容」の材料費23.4%がVFM発生の根本条件であることを軸に、論戦をし、追い詰め、オリックス側が「解約」を言い出さざるを得ない状況を作り出した。

地元紙は、SPCへの批判は、県、市、企業団に跳ね返るとしているが、議会で賛成した勢力の検証が必要だ。また、地元紙は「本質の理解」という小見出しを立てているが、わかったようなわからないコメントが載っている。PFIなどのアウトソーシングの本質は、人権保障としての公務労働を解体し、儲けの場にしようというものでしかない。それが本質である。
 「官から民」という流れについて、立ち止まって再検討すべき、という警鐘として受け取るべきだ。

 今回の解約により、マネジメント料・SPC給与相当分の年5億円の支出がなくなる。
 その分、企業団の事務局を10人くらい増やすことが必要と言われており、1億円の支出増がある。また、材料費は公的調達となると価格、値引率が明らかになるので、SPCの調達より、最大2億円ほど高くなると判断されており、差し引き、2億円の経費圧縮となる。05年3月開院、30年契約の残余期間を考えると40数億円の削減効果となる。
 また、材料費調達だけを民間委託している例が全国的にもあり、一定の効果をあげている。材料費を現在の調達価格に近づければ、さらに経費圧縮効果は増す。

 借り換えによってキャッシュフローに余裕が出る。とりわけ三年間は据え置きなので、構成団体(県と高知市)負担金は、2010-2012年は、年約13億円、その後は5億円低くなる。

 これは2013年までが財政危機のピークとしてる高知市にとって、3年間で10数億円規模の負担軽減になる(財政危機を理由にした「ごみ有料化」の「根拠」はますます消滅)とのことである。 

 今後の問題として、「赤字」がどうかに議論を矮小化することは避けたい。セーフティネット機能としての医療センターを支えるスタッフの保全、育成ということを大事にしたい。経営で言えば、国の医療費抑制政策が大きな原因であるし、一方で、県や高知市は保険予防、健康づくりで「患者減らし」に取り組んでおり、総合的に考えることが大事である。

【 高知医療センター PFI解消合意へ 読売11/26 】  高知医療センター(高知市池)が、民間の資金やノウハウを活用するPFI事業の終了に向けて特定目的会社「高知医療ピーエフアイ」と協議を進めていることについて、同センターを運営する県・高知市病院企業団議会が26日開かれ、企業団側が実質的に7700万円を負担することで、契約の解消に合意できると説明した。12月中に合意に達する見通しで、契約は2010年3月末で終了。直営化によって、年間約2億円の経費節減を見込めるという。  企業団が解約に必要な手数料5億2700万円を支払う一方、特定目的会社から寄付金4億5000万円を受け取るとの内容で、今月19日に合意内容を確認。企業団にさらに求められてた手数料4億8800万円は、特定目的会社が譲歩し負担が減った。  契約解消により、特定目的会社に支払っていた年間2億5000万円の「マネジメント料」が不要になるほか、建設費(残高約135億円)の借り換えによって金利が抑えられるなどの効果がある。企業団の山崎隆章企業長は「県や市に負担を求めることなく合意できる見通し。特定目的会社も協力する姿勢を示してもらった」と評価。特定目的会社の間渕豊社長は「株主の了解が得られるぎりぎりのところで判断した」と述べた。  企業団が同日、明らかにした08年度病院事業会計決算では、医療センター全体の事業収益は165億1204万円、支出は186億2484万円で、21億1280万円の赤字。09年度の決算見込みでは、医業収益の改善などで13億9050万円の赤字。

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