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「高知市のゴミ問題を考える」 岩佐恵美・講演  備忘録  

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 7日、高知市でゴミ有料化、減量化を考える学習会がありました。講師は、元国会議員で各地のゴミ問題、自治体の施策に詳しい岩佐恵美さん。
 夜の学者会の前に、昼間、高知市会議員(日本共産党と市民クラブ1名)でレクチャーをうけ、質疑応答しました。
 資源・環境問題として、事業系ゴミも含め、「まちづくり」の方向性を、市民が共有することが大事ではないか。新政権がCO2の25%削減を打ち出したことで、自治体の最大の排出源「ゴミ焼却」をどうるかが根本から問われる。そうした前提なしの「有料化」は取り返しがつかなくなるとあらめて感じた。
 以下、昼の話の分も補充した、講演から学んだ内容の私のメモ

「考えてみませんか。ゴミ問題」   岩佐恵美・元国会議員の講演から

 ゴミは目の前から消えたら、なんとなく終わった気がします。燃やしているのは資源です。環境の問題もある。だから、ゴミ問題を正面から見つめて考えなくてはならない。有料化の議論を契機に、ゴミをどうするのか真剣に考える絶好の機会になるかもしれません。

◆ゴミは環境・環境を守るとりくみ
 ゴミは資源と環境の大問題です。ゴミに生ゴミ、紙、廃プラスチックなどあります。紙は資源です。生ゴミは年間2千万トン出ていますが、半分は家庭。今、世界では9億人が飢えに苦しんでいます。食糧援助は590万トンです。これってなんなの、ってなります。100トン以上出す事務所は、リサイクルが義務付けられましたが、家庭のものは燃やすか、埋められかしている。これでいいのでしょうか。
 石油の埋蔵量は2兆バーレル。その半分を使ってしまいました。残りは深海など採り難いところにあり、今のペースなら、あと40年しかもたない。資源として考えると深刻な問題です。
 地球温暖化問題。政府はCO2排出量を25%削減することを表明しました。その一方でゴミを燃やしていてはダメです。

 ダイオキシンは必ず出ます。基準以下ですとか言うが、燃やす総量が増えれば、排出量は増える。水銀、鉛、砒素などは基準もない。一酸化炭素、Noxの問題もある。燃やせば必ず出る。無いほうがよい、というなら燃やす量を減らす努力が必要。ある自治体の担当者に、「街中に清掃工場があってどうなの」と聞いたら、小さな声で「まずいでいよね」。迷惑施だからと、温水プールや足湯などの施設を併設しています。迷惑施設の自覚はあるのです。その迷惑施設に、みんなゴミを持ち込んでいます。そこも考えないといけない。
 ある自治体の清掃工場に100mの煙突が立っている。「なぜか」と聞くと「拡散するから」というが、何キロ先まで広がるのでしょうか。空気や水の力できれいに出来ると排出してきた。それが水俣病や大気汚染を作ってきた。それは間違いだった。同じあやまちを繰り返してはいけません。

 9月28日の新聞に、体内の化学物質を調査するとの報道がありました。10万人の妊婦を対象に150種の化学物質の調査。子どもに異変が多発しているということで、その関連を調べるものです。ずっと主張してきましたが、ようやくやるようになりました。
 私が90年代のはじめに取り組んだときは、アトピーや花粉症も特異体質が原因と言われていた。しかし、今花粉症は1700万人、国民の1割以上。これはとても「特異体質が原因」と言えない。半端な数字ではない。科学物質の影響がでているのです。
 食の安全の問題でも、中国産のうなぎからマラカイトグリーンが検出されました。発がん性のある物質です。しかし、日本では発見されたときには、胃袋を通過したあと。そのときにいつも出てくるのが「基準内だから大丈夫です」というが、様々な物質によるが複合汚染もある。特に子どもは影響を強く受ける。ようやく影響調査がはじまったが、そういう問題とつながっていることを考えてほしい。

★ 高知市民の良識①
 高知市が実施した市民アンケートが実に頼もしい。環境に関心がある人が「ある」「少し」あわせて93%。最も関心があるは、「温暖化」で63%、「ゴミ」は12.6%なのですが、「環境を守るために具体的に何にとりくんでいるか」との問では、ゴミの分別がトップ。ゴミ減量も12%あり、約6割の市民がゴミの問題に取り組んでいる。前進できる土台があります。
 有料化についても反対派が60%。賛成派は26%。反対の理由は「不法投棄につながる」34.8%、「負担が増える」19.1%、「減量につながらない」12.9%。となっています。
 「市が実施すべき対策」も広報37%、分別23%、不法投棄防止40%と、いずれも有料化しなくても実施すべき内容ばかりです。

◆「ゴミを燃やして減らす」は問題
 燃やせば、ダイオキシンなど化学物質がでます。日本は「燃やせ、燃やせ」できた。今、77.7%を燃やしています。ドイツは25%、オランダは32%、フランスも3割台、国土が狭く観光客が多くて「燃やす」が高いというスイスでも5割。

 どうしてこんなに燃やすのか。他の方法はないのか。
  今、日本の焼却炉は1300施設、焼却能力は20万トン/日。一方、ゴミは10万トンしかない。焼却炉があまっているのです。横浜市のように、ゴミを減量し、焼却炉を廃止・縮小して、建替え費用、ランニングコストを下げている自治体もあるが、多くの施設は、複数の自治体が共同で一部事務組合を作って運営しています。自治体として、自己完結していないので関心が薄い。ゴミを削減して、費用を減らそうとならない。反対に、ゴミが足らない、計画通りに運営しなくてはならないということで、東京23区では、それまで分別していた廃プラを燃やすことになりました。ゴミが無くて困っているのです。

 なぜ、こんなことがおきたのか。高知市の焼却炉談合事件。この談合事件というのは、大手メーカーが価格カルテルで決めた価格で高く売りつけたもので、各地で裁判がおきています。今朝の新聞で見ると、公正取引委員会の談合認定にメーカー側が不服請求していた裁判で最高裁で、価格カルテルがあったと確定した。
高知市は不当な利益で損害をうけたと24億円とりもどしました。議会ががんばって、しっかりした協定書があったからです。
 思えば、各地で判決の下っている5~8%の返還金というのはかわいらしいもの。2割、3割の利益を得ているといわれてますから。
製鉄メーカーとかが焼却炉の製造に乗り出す。そういう環境ビジネスがひろがった。政府は、大型の高性能炉をつくれと補助金で誘導した。それで「燃やせ、燃やせ」がはびこって行きました。
自治体は、高い買い物をさせられた。また優秀な施設ほどランニングコストが高い。自治体では処理できず、メーカーから派遣された専門家が必要。地方の借金はかなりのものとなっています。それが税金で賄われています。今、自治体は「ゴミがたりない」「借金がある」で大変となっています。

◆「ゴミ有料化」でゴミは減るの?
 ゴミ有料化は政府の大方針です。政府の方針に逆らうと、補助金が付かないとか脅しがあって大変です。上からのガーンとした圧力がかかっています。
では、ゴミ有料化でゴミは減るのか。よく日野市の例が出ますが、私は日野市に住んでいたのでよくわかります 。ゴミは減りました。それまで「燃えるもの」「燃えないもの」の二分別で、ゴミ袋は中身が見えない。資源ごみ置き場は少なく遠い。要するに何もしてこなかったのです。
 有料化と抱き合わせで、資源化に取り組んだ。ステーションを大きく増やし、各個への個別収集をはじめた。これで一気に資源化がすすみました。

 同じ、資源化でも、名古屋市は、有料化とは別に、干潟を守ることからはじまった。最終処分が満杯になり、干潟の埋立てが迫られた。近隣自治体に協力を頼んだが「分別もしてなくて、なんだ」と断わられ、減量化することを決断した。住民説明会を数多く開き、三年間で25%減らしました。

 日野市は、有料化とセットの上からの資源化。トップダウン。しかも、10月の有料化を前に、6月に市長が公報で「今のうちに大掃除をしてゴミを出しましょう」と呼びかけたので、有料化前にドーンとゴミがでました。次の年ねドーンと減るのは当たり前です。ゴミの減量の効果は、2―3年、4―5年を見ないとわからない。日野や八王子が減った、というのはゴマカシがある。数字のマジックです。
また、個別収集とは、ゴミ袋に名前を変えて出しているのと同じです。みなさんも名前が書くとなったら、緊張しませんか。責任がはっきりするからです。有料化より、こちらの方が効果があったと思います。

 日野では、こんなおかしなことも起こりました。日野市は、「緑と清流のまちづくり」を掲げ、庭に貴を得る事を推奨し、苗木の無料で配ったりもしました。ところが、庭木の剪定枝も有料化になるというので、みんな木を切ってしまった。それで「街が明るくなった」といわれたのでかが「こんな明るさ」は要りません。市も、それで剪定枝は無料に切り替えました。

 有料化すると家の前のゴミを掃除したくなくなる、という気持ち生まれる。河川などへの不法投棄が増える。不法投棄防止で、日野市では1500万円、パトロールも大変です。韓国では、摘発したら報奨金を払うので、それで食べていける。住民が住民を監視する社会となります。
 ある自治体での話ですが、有料化しても減量にならない。どうしたら袋に一杯詰めることができるかが、話題になっているというのです。細かく切り刻み、すきまをなくすとか・・。袋は減ったが、ゴミはあまり減量してない。

 「有料化が定着している」という話もあるが、一旦、有料化するとなかなかもとにもどらない。ただ町田市は、たくさん署名をあつめて、2―3割を値下げさせている。有料化するとどこでも「お金さえ出せばよい」という考えが広がってくる。また、モラルの破壊を促進します。
 三多摩の調査をしたら、継続的なごみの減量は、一回有料化でゴミが減ったところより、無料化で努力しているところが多い。力強い結果です。
 勉強でもそうですが、頭をゴチンとやって「勉強しろ」といって本当の効果があがるでしょうか。「なぜ勉強するのか」「おもしろい」となって効果が出てきます。ゴミも同じ。よく話し合って、なぜゴミを減らすのか、の合意をつくる努力がいる。

◆日本の「容器リサイクル法」を通して、拡大製造者責任を考える
 ペットボトルの再資源化。97年から「容リ法」が施行。しかし事業者は、処理費だけの負担。収集運搬という一番お金のかかるところは自治体の負担、という中途半端な法律。確かに、リサイクル量は増えているが、生産量が激増し、結果、廃棄物が増えている。大量生産でコストを下げて、事業者負担分を回収している。しかも、リサイクル率は6割で、4割は自治体のお金で処理をしています。

 ドイツは、収集・運搬から処理まですべて事業者が負担しています。だから、商品の価格を下げる、利潤を増やそうと思えば、廃棄物処理にかかるコストを必死になって、1円でも・・・と下げる努力をする。より回収のしやすいもの、処理しやすいものにしようという価格誘導が働きます。
と ころが、日本は、痛くも痒くもない。ゴミ減量にならないシステムです。

 ヨーロッパでは、リターナブル瓶が7―8割。日本は税金で処理してくれるので本気にならない。清涼飲料水でのリターナブル瓶の生産は、2000年で3.1%しかない。今はもっと減っているはず。使い捨て容器の資源化でなくねリターナブル瓶を広げることが重要。事業者や政府はなにかと理由つけて、数字も編み出して「合理化」しようとする。「瓶は重い。高齢化社会だから・・・」とか。

 「容リ法」改正のとは、自治体から収集運搬で3000億円を負担しているのに、事業者が4~5百億円しか負担してないのはなにごとか、と対決になったのですが、結局、そうならなかった。
 「容リ法」が出来て、リターナブル瓶を使っていたメーカーも使い捨ての容器に切り替えだした。リターナブル瓶だと回収のために事業所を全国に展開しなくてはならない、それを工場に持ち込んで洗浄して…とコストがかかるので、ワンウェイ瓶に切り替えました。自治体に処理をさせ、事業者はちっとも痛まないのです。

 要は、事業者に責任もとめない政治にあります。

★高知市民の良識②
 高知市民アンケートを見ると、市民の視点は鋭い。「ゴミ減量に有効な市の対策は」の問に「ゴミになりやすいものを製造・販売しないよう事業者を指導・制度化」が5割近い。ゴミ問題の解決の主体についても、国が53.7%、自分が22%。
 当たり前の感覚をもっています。

◆高知市のゴミ減量化 事業系ゴミの問題点
 ゴミは産業廃棄物4億トンと家庭などからでる一般廃棄物5千万円にわかれ、一般廃棄物のうち、家庭からでる家庭系一般倍器物と、オフィス、レストラン、学校、庁舎などから出る事業系一般廃棄物に分かれる。事業系は、本来、家庭より分別がしやすい。条例で事業者の自分の責任で分別やっていこうと決めているところもある。

 一番徹底しているのが横浜市。一定規模の事業所に減量計画を出させる。焼却場に運ばれてくる事業者のトラックを一台一台調査して、産廃は持ち帰らせる、資源化できるものは、資源化の対応をさせると、16万台のトラックを全部調査。事業系ゴミを46.8%、ドーンと減らした。

 知市は、可燃ごみを調べてみると、4割以上を事業系が占めており、比率として高い(全国平均は家庭系64%、事業系36%)。ここに真剣に取り組むべき分野があります。

 「中小零細業者の負担になるから」という意見もよく耳にしますが、立川市は、10キロ未満の事業系ゴミは、有料の袋で市が一緒に回収しています。その割合は、全事業系ゴミの6%しかなりません。圧倒的は大きな事業所のゴミなのです。事業系のゴミがドーンと減れば、焼却炉で燃やすための油や消石灰なども少なくてすみコストが下がります。

 事業者ゴミを減らそうと思うと、ゴミの組成分析をしないとできない。新宿区は昼間人口が多く大規模な事業所が多く、3千平米以上の事業所の調査をしている。地方では千平米ぐらいでしょうか。細かな調査をし、この事業者は紙が多いとか、そうした指導が出来ないと減らない。
ところが、学校とか意外と資源化率が低いとか。また、ある市では駐輪場のゴミ捨て場がまったく分別対応になっていないとか…自治体そのものの取組みにも盲点がある。

 ところが全国の少なくい自治体で、現場の課は調査をしたくても、上からつぶされるという話を聴きます。どこも開発、開発でオフィスビル用地とかがあまっていて、減税とかの優遇措置で事業者を呼び込んでいるので、ゴミでも指導ができない。だから、ここは議会の出番です。

◆ゴミを減らすには3R(リデュース、リユース、リサイクル)
 たとえば自動販売機、226万台ある。113世帯分の電気をつかっており、原発1基、2基分にあたる。便利だが、本当に必要か、なければないで済ますことができる。今は軽い水筒もある。

 日常で何が出来るか。それは手元分別です。出す前に分別する。中間処理場の分別作業を見たことあります
か、いろんなものがベルトコンベヤーで流れてくる。汚いし大変な作業、危険も伴います。集めたり、処理する人のことを考えて分別しましょう。

 生ゴミ。すべてを処理するのは大変ですが、調理残渣を分ける。新聞の上やザルで別に乾かせば随分水がきれます。焼却炉の負担も少なく済みます。お茶ガラも、洗濯で使うネットのようなものに入れて、ギッと絞って吊るしておくと随分乾く。徹底して乾かせば、殺菌、消臭などでも使える。
 まず、食べ物を残さない。食べるだけを作ることに心がける。家庭ゴミの組成調査をした人の研究では、そのまますてる食品が多いとのこと。安売りの時、買いすぎて使い切れず捨てるものが主流とのことです。

◆ゴミ問題の解決のためには住民と自治体の協力が不可欠 ~ 住民の行動、意識改革を
 ゴミ問題は、自治体と住民が信頼し、協力しあわないと解決しない。真剣に話し合うことが必要です。
一人一人が自覚が大切です。自覚をたかめるには、どういうまちをつくって行くのか、を話し合いう必要があります。だからゴミ問題は、地域の民主主義をつくっていく取り組みです。

 今、女性の4人に1人、男性の5人に1人が65歳以上になっています。ゴミ問題、まちづくりに取り組むゆとりが出来た人が増えています。そいう人が率先して、若い人も巻き込んで「やれるところからやる」というのが大事ではないでしょうか。

【質問に答えて】
 生ゴミのたい肥化は、なかなか難しいと思う。不純物が多く混じる。品質が安定しないと農家に使ってもらえない。実施しているところも、学校の給食残渣、剪定枝に限定し、たい肥化し、農家と話し合いながら進めている。また、農村地帯で実施しているところは、ゴミ問題ではなく、農業振興としてどういいたい肥をつくるかの視点から取り組んでいる。
 全てということでなく、集合団地などて、自覚を高め、調理残渣だけを集めて資源化するという、小さな取り組みの工夫はできると思う。

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