子どもの無保険 自治体で差
「子どもの貧困」の1つである「無保険」解消の対策として実施された短期証の発行・・・個人に届けず、窓口に留め置きしている。実質「無保険」と変わらない。同問題を継続的に追求してきた毎日が報道している。
水戸市:子供731人が無保険…「短期証」留め置き 毎日10/31
ちなみに高知市はゼロ。また、子どもの権利条約の立場で、18歳未満を対象としている。この点ではがんばって対応している。
なお、大人の短期証についても原則1ヶ月という異常な対応の見直しを9月市議会で約束した。
また、9月県議会では、知事は、9月25日の厚労省の通知――「窓口負担が払えない世帯はそもそも、(保険証を発行できる)『特別な事情』に該当し、資格書発行に該当しない可能性がある」、「資格書発行世帯について『特別な事情』について改めて把握すること」――について、“新たな指針ではなく、「特別な事情」の把握を、できるかぎり電話や訪問をやるべきで、文書だけではだめだ。そして滞納相談だけでなく、きめ細やかな対応をしなさい、という国民健康保険の本来の趣旨にたったもの”と答弁している。
この立場を県内の市町村に徹底すれば、“文書を送っても返事がないので「悪質」として資格書を発行”という機械的対応を改善することができる。
【水戸市:子供731人が無保険…「短期証」留め置き 毎日10/31】 水戸市が国民健康保険税の長期滞納者に発行する短期保険証(短期証)を窓口に大量に留め置き、10月1日以降、中学生以下の子供731人が無保険状態になっている。短期証は納税を促すため窓口交付が原則で、滞納者が受け取りに来ないためだが「無保険の子」の一律救済を目指した4月施行の改正国保法は、中学生以下への短期証交付を市町村に義務付けており、無保険状態の放置は法の精神に反するとの批判が出ている。【山内真弓】 同市では納税指導を強化した結果、短期証の発行が増え、4月現在で国保加入世帯の16.3%にあたる7210世帯(昨年比5・6倍)に6カ月更新の短期証を交付することになった。10月に更新を通知したが、3454世帯が窓口を訪れず、中学生以下727人分も含め取り置きになっている。さらに、保険証を返納させた世帯に交付する「資格証明書」の3世帯の子供4人も4月から短期証へ切り替わり、9月末で期限切れになった。 こうした状態について、市民団体「水戸生活と健康を守る会」の中庭緋佐子事務局長は「明らかな改正国保法違反。無条件で保険証を郵送すべきだ」と主張。市国保年金課は「窓口に来れば短期証を渡す」と反論する。 水戸市のとび職の男性(27)と妻(27)、子供3人の5人家族は、9月末で短期証の期限が切れた。男性は滞納した保険税を毎月1万5000円ずつ納付するという「分納誓約書」を来年交わす約束をし、ようやく更新された短期証を得た。妻は「滞納が悪いのは分かるけど、家賃やカードローンもあり国保まで払えない」と約束が守れるか心配する。厚生労働省国民健康保険課は、短期証の留め置きについて「交付できる状態なら改正国保法違反とは考えないが、あまりにも長い時間放置するのは望ましくない」としている。
民間団体「大阪社会保障推進協議会」が、改正国保法施行後の5月現在で大阪府内43市町村を調査、回答のあった27市町村の中学生以下の子供計394人が短期証を受け取っていないと問題提起しており、水戸市の取り置き数はこの数字と比較しても突出している。◇短期保険証
国民健康保険税を一定期間滞納すると、窓口で分納誓約書の提出などを条件に6カ月や3カ月有効の短期保険証が交付される。分納ができないと保険証を返還し、完納するまでは資格証明書の交付を受けて医療機関での受診が全額負担となる。4月施行の改正国保法は資格証明書の交付を受けている世帯の子供の無保険を救済するため、中学生以下の子がいる世帯への6カ月の短期証交付を市町村に義務付けた。
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