「子ども手当て」財源 一括交付金化の矛盾
子ども手当ての財源で官房長官と厚労大臣で意見が違っていると報道されている。
官房長官「子ども手当、地方負担も」=厚労相は全額国費を主張 時事10/19
全額国庫負担か、生活保護(国の事業)のように、4分の1を交付税に参入するかの違いであるが、なぜ地方が全額国庫負担にこだわるか・・・国が地方をだましてきたからである。
これまでも国は、公共事業にしろ、生活保護、義務教育にしろ、きちんと交付税算定してますよ、というが、そもそも税収、地方交付税で出せるお金が最初にあって、その範囲で、地方財政計画を立てるので、別の様々な項目で少しずつカットし全体の基準財政需要額が増えないようにするので、結局、総額は増えないので「だまされた」ということになる。
しかし、民主党のマニフェストは、ひも付きの補助金の廃止して一括交付金にする(項目毎の国庫負担、交付金はなくす)ということなので、両者の話は、マニフェストの基本から離れた議論になっている。
公約に沿うなら「子ども手当て分は、交付税に参入して出すので心配ありません」と言うべきであるのに・・・
そして支給額などは就学援助のように額や支給範囲を地方にまかせるというのが「民主党流」のはずなのだか・・・
そういう議論になっていないのが興味深い。
ナショナルミニマムの保障には、国基準を明確にし、国庫負担で実施する以外になないということである。
「一括交付金化」が、国の責任、ナショナルミニマムを崩壊させる方向であることを、図らずも露呈したと受け取っている。
【官房長官「子ども手当、地方負担も」=厚労相は全額国費を主張 時事10/19】
平野博文官房長官は19日午後の記者会見で、中学卒業まで一人当たり2万6000円(2010年度は半額)を支給する子ども手当の財源について「あらゆる選択肢があると思う。全額国費ということもあるだろうし、地方公共団体に協力いただく選択肢もなきにしもあらずだ」と述べ、地方負担を求めることもあり得るとの考えを示した。
平野長官は、民主党マニフェスト(政権公約)に、子ども手当を全額国費で賄うとは明記していないと指摘。その上で、「子ども手当を子育て支援という格好で出すことで、直接(各家庭の)可処分所得を増やし、各家庭に行き渡ればよい」と述べた。地方自治体の理解を得られるかどうかに関しては、「お願いするかも含めて、どういうスキーム(枠組み)でやるかはこれからの検討だ」と述べるにとどめた。
政府は10年度一般会計予算の概算要求で、子ども手当の半額支給約2兆3000億円を盛り込んだ。財源に関し、長妻昭厚生労働相は全額国費とするよう主張。一方、藤井裕久財務相は地方負担を求めることに理解を示しており、政府内で意見が割れている。
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