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「新しく目先を変えてみたら」と政権交代  高知県知事

「景気の低迷のことで、社会のセーフティネットに対する国民の不安が高まる中、新しく目先を変えてみたらどうかという、新しい政治の流れを期待する声が高まり、小選挙区制度の特性として政権交代という結果をもたらした」
・・・これが「政権交代をもたらしたものは何と考えるか」という質問に対する尾﨑高知県知事の答弁である。
 
 ここには「構造改革」路線のもとで、命と暮らしを削られてきた国民の声、実態は1つもない。
 「新しく目先を変えてはどうか」という程度に、国民の選択を軽く見る姿勢に唖然とした。

元官僚として、“国は国民のためにがんばって仕事している”というスタンスの知事が、政権交代後、どんな対応をするか、器がためされると思っていたが、よくわかったのが今回の質問戦。職員のみなさんにもメッセージとなったと思う。 

核兵器に有無の確認については、外務省の管轄として、地方自治体が口を出すべきでないとの態度
女性差別撤廃条約の選択議定書未批准…「国内法との調整が必要」という前政権の答弁を踏襲
建設業は大切だといいながら、公共事業の労働者保護(後継者対策)についてはまったく関心なし、
「学力調査」の悉皆調査は、実態をきめ細かく把握する上で必要と強弁。
などなど・・・地方から新たな発想で対応しようというものでなく、前政権下の国の枠内での答弁に終始した。

 よほど「脱官僚(依存)」を唱えた民主党が政権につき、県政運営のよりどころとしてきた自公政治を失って、気持ちが穏やかでないのだろう。ありありと見て取れる。

 派遣法の改正、後期高齢者医療制度廃止、高校無償化、核密約問題など、以前から共産党が主張してきた政策を民主党がとっていることから、自民党の中に、「共産党が小選挙区の立候補を半分にした」(これは比例で前進するため、党組織の力量を考慮せざるを得ず、小選挙区候補を立てない選択もあり、としたもの)ことをもって、「民主党と共産党は、裏で何かあるのではないか」といううがった見方があるとのこと。

 知事の「政権交代」の答弁といい、国民が何に怒り、何を望んでいるのか・・・ 国民が政治を動かしているということへの視点のなさを感じる。

 ところで「建設的野党」とパクリをしている自民党県議団が、政権交代の国民の意思にそむいて、補正予算の完全実施をもとめる意見書を提出した。
 生活第一・ムダ排除の視点から必要な見直しは当然であり、新政権は、「地方に迷惑かけない」ことを閣議決定している。橋本県政のもとで、数の多数に頼んで、細かなことでいちゃもんつけに終始した「破壊的野党」の経験をさっそく披露した。
 しかし、今回は、国会で少数派、党財政も120億円の借金を抱え倒産寸前・・・ 多数を占める県議会で、せめてもの「抵抗」か。
  

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