大学生の労組への共感高まる 労働総研調査
一時期、若者の労組離れが言われていたが、派遣切りに対する独立系労組のたたかいなどを背景に、大きく意識が変化していることが、労働総研の調査からも明らかになった。
大学生の労働組合観に関するアンケート調査の結果について
―意識に変化? 予想以上に高かった大学生の労働組合に対する共感― 10/1
労組入りたい67% “権利守る”“助け合える” 大学生 赤旗10/2
利潤追求のため「いい会社にはいれば・・・」という企業社会統合の装置を破壊したことで、社会的連帯による反撃の土台を広げた、ということだろう。
【大学生の労働組合観に関するアンケート調査の結果について ―意識に変化? 予想以上に高かった大学生の労働組合に対する共感―】労働運動総合研究所(労働総研)
若手研究者研究会
小澤薫・中澤秀一・村上英吾○派遣切りや内定取り消し、賃金不払いなど、深刻化する雇用・労働情勢のもと、権利侵害にあった労働者が労働組合に結集し、立ち上がる姿がしばしば報道されるようになっている。長期にわたる組織率低下の背景として、"青年の労働組合離れ"があると言われてきたが、ここにきて労働組合の現場では、青年層からの労働相談と加入が増えているとの感触もあがっている。
○ 学生1200人を対象に調査
第1回調査:2009年1~2月。大学および短期大学の1~4年生610名
第2回調査:2009年4月。大学および短期大学の新入生593名
○ 大部分は組合について「聞いたことはある」程度
第1回:「知っている」25.7%、「聞いたことはある」66.9%、「知らない」7.0%
第2回:「知っている」22.9%、「聞いたことはある」67.8%、「知らない」9.3%
○ 情報源は、メディアと学校教育
第1回:「テレビ・ラジオ」68.1%、「大学の授業」43.1%、「新聞・雑誌」33.7%
第2回:「中学・高校の授業」62.2%、「テレビ・ラジオ」58.0%、「新聞・雑誌」29.5%
○ 「必要だ」「役に立つ」などの項目ではプラス・イメージが5~7割
○ 7~8割は「ダサい」「怖い」「迷惑だ」と思っていない
○ 「面倒くさそう」は、肯定・否定がほぼ同数
「加入したくない」という学生の場合、5割強
○ 4~7割が加入の意向を示している
第1回:「ぜひ加入」13.4%、「必要に迫られたら」57.8%
第2回:「ぜひ加入」3.2%、「勧められたら」11.5%、「必要に迫られたら」22.6%
☆ただし、第1回と第2回で設問項目を変えたため、単純比較できない。
○「知っている」と回答した学生の場合、「ぜひ加入したい」が25~27%と多くなる
○労働総研・若手研究者研究会では、同趣旨のアンケートを、今後も継続的に実施していく予定である。
【労組入りたい67% “権利守る”“助け合える” 大学生 赤旗10/2】 労働運動総合研究所と同若手研究者研究会は1日、大学生の労働組合観に関するアンケート調査の結果を発表しました。ことし2月時点で大学生の3分の2が「労組に加入したい」と答えるなど、学生のなかに労組への共感が高まっていることがわかりました。 アンケートは、首都圏や静岡、群馬、新潟で、研究会メンバーが自らの講義中、1~2月に1~4年の大学生610人から集め、新年度の4月に新入生593人から回収しました。 労働組合を「必要だ」とする項目に、「そう思う」「ややそう思う」と肯定したのは、大学生の57・2%、新入生の68・5%でした。 一方、「ダサい」「怖い」「迷惑だ」というマイナスイメージに対し、7~8割の大学生・新入生が「そう思わない」「あまりそう思わない」と否定しました。 「就職後に労働組合に加入したいと思いますか」と聞いたところ、「ぜひ加入したい」「必要に迫られたら」という大学生が67・3%。就職がまだ差し迫っていない新入生は44%でした。 加入に前向きな学生は、「自分たちの権利を守りたい」「労働条件などの改善に向けて団結していけそう」「助け合える組織が必要だ」と労働者の権利や団結・連帯を理由に挙げました。 記者会見で、全労連の伊藤圭一調査局長は、「一時期、若者の組合離れといわれたが、多くの学生が必要と認識していることが分かった。これから、どんどん若者に接近していきたい」と述べました。
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