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学童保育 公的責任と設置基準の明確化を 全国協議会が要望

 学童保育は、公的責任があいまいで、国の最低基準がないことから、地域差がひどく、施設や職員の労働条件も劣悪な状況にあるところが多い。保育料も減免制度もバラバラである。
公的責任による学童保育制度の拡充を求める要望書 9/28 
 福祉施設の設置基準を廃止・緩和する国の動きがすすんでいるが、それが何をもたらすか… 全国学童保育協議会の要望書は示していると思う。

 また、その学童保育さえ安上がりにしようとする「放課後子どもプラン」の矛盾も顕在化している。

名古屋市 放課後子どもプランのモデル事業全区拡大を断念 中日10/23

【公的責任による学童保育制度の拡充を求める要望書】  2009年9月28日  全国学童保育連絡協議会   会長山本博美

 ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。日頃より学童保育の拡充にご尽力いただきまして誠にありがとうございます。今後も、学童保育が拡充・発展することを願って、以下の要望をお願い申し上げます。

1.共働き・一人親家庭等が増加するなかで、「安心して子どもを預けられる学童保育がほしい」「働きながら子育てするためには保育所と同じように学童保育の整備が不可欠だ」という声がますます高まっています。そして政府も、2007年12月の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略、2008年2月の「新待機児童ゼロ作戦」等で、学童保育(放課後児童クラブ)の利用児童を「10年間(2017年度まで)で3倍に増やす」「質の高い放課後児童クラブの推進」という目標を決めました。約1万人の待機児童、増加する大規模施設など学童保育不足は深刻です。私たちは、必要とする子どもたちに安全で安心して生活できる学童保育が一日も早く整備されるよう、「量的拡大」「質的拡充」を強く願っています。

2.学童保育は1998年に法制化されたものの、「公的責任があいまい」(市町村には利用の促進の努力義務のみ)、「最低基準がない」(児童福祉法第7条の児童福祉施設ではなく、児童福祉事業としての位置づけ)、「財政措置が不十分」(奨励的な予算補助で予算額も少ない)などの問題点を抱えた制度となっています。
現在、厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会少子化対策特別部会(以下、特別部会)で行われている、「次世代育成支援のための新たな制度体系」づくりの検討のなかで、学童保育の制度についても見直しが始まったことは、「質的な拡充」を図るうえでも重要です。一日も早く、国の学童保育制度が公的責任のもとで抜本的に拡充されることを強く願っています。

3.2009年2月24日にまとめられた特別部会第1次報告において、学童保育についての「現行制度の課題」の認識は、私たちがこれまで問題であるとたびたび指摘し、抜本的な拡充をと要望してきた内容を示しています。
それは、「両立支援系のサービスとして不可欠なものであり、地域格差を生じさせることなく、全国的に実施していくべきである」「質の確保を図りながら、低学年を中心としつつも小学校全期を対象として量的拡大を図っていくことが重要」「量的拡大を図っていく上では、まず、場所の確保が欠かせない」「人材確保が重要な課題である。現在、従事者の勤続年数が短い、指導員の処遇が厳しい状況にあるという指摘も踏まえ、財源の確保
と併せ、人材確保のための職員の処遇改善等を図っていく必要がある」「現在の国の補助基準額とクラブ運営に係る費用の実態とに乖離があるという指摘などを踏まえ、サービスの質の維持・向上を図っていく必要があり、財源の確保と併せ、そのための基準の要否、そのあり方、担保の方法を検討していくべきである」「指導員の養成、専門性の向上に向けた研修の強化を図っていく必要がある」などなどです。

その一方で、「地域ボランティア、定年退職者など、多様な人材の参画を求めていくという視点」や「(「放課後子ども教室推進事業」と放課後児童クラブは)いろいろな子どもとの遊びの機会、サービス利用の自由度、効率的な事業実施といった観点から一体的運営に利点がある場合も考えられる」など、大きな問題のある認識も示されていました。
私たちは、学童保育制度が、量的・質的に拡充される方向で、一日も早く問題点・課題が解決されることを強く願っています。

4.2009年7月28日および9月1日の特別部会で出された厚生労働省の論点整理のなかには、いくつかの大きな危惧すべき内容が含まれています。
(1)量的な拡大を図るために、「場所の確保、予算、人材確保などの事情によって基盤整備が抑制されることのない仕組み」(つまり整備水準を低くすること)が検討されていること。

(2)「介護保険制度」などでも採られている仕組みも考えられるとして、「個々のニーズに対応した提供が保障される仕組み」「費用を支払う仕組みとして、客観的に一定の基準を満たす事業者については、対象とする仕組み」「個々人に対応する給付を行う仕組み(その場合、市区町村が放課後児童クラブに係る給付の必要性・量を判断する)」など、事業の安定性・継続性が損なわれたり、市町村の責務を「提供体制確保」にとどめるものになりかねない大きな危惧を与える考えが示されていること。「介護保険制度でも採られている仕組み」は、公的保育制度の根幹である市町村の保育実施義務をやめることや、施設と利用者との直接契約、利用者への直接補助とするなど重大な問題点を持つものです。

(3)「子どもの健全育成の観点から、就労家庭の子どもか否かにかかわらず、全ての子どもが身近に利用可能な一定の場所、共通のサービスの提供を充実し、新しい制度設計上もそうしたことを考慮して制度的な位置づけを行うことが考えられる」として示されている視点が、「放課後子ども教室推進事業」との「より一層の両事業の一体的実施」となるものであれば、学童保育固有の制度の拡充になりません。私たちは大きな危惧を抱いています。

5.私たちは、学童保育制度の見直しにあたっては、2008年12月19日(別添1)および2009年5月24日(別添2)に厚生労働大臣宛に出した私たちの要望内容が実現することを強く願っています。

6.私たちは、安易な量的拡大ではなく、同時に質的拡充も図られた制度となることを強く願っています。とくに、量的な拡大をはかるために、民間企業の参入を安易に促進することは、事業の安定性・継続性からみて大きな問題があります(定期的に指定先を見直さなければならない仕組みである指定管理者制度を導入した地域の厳しい実態、倒産・撤退等で突然に学童保育が閉鎖されてしまった実態もすでに生まれているなど)。子どもの安定的な生活を保障するためには公的責任による整備が必要不可欠です。

つきましては、以下の4点について、あらためて強く要望します。

 【学童保育制度の抜本的拡充のための要望点】
1 市町村の実施責任を明確にして、安定性・継続性を保障する制度とすること
① 国および地方自治体の「公的責任」を明確にし、学童保育の「最低基準」を定め、財政措置が法的に明確になるように、児童福祉法および関係令を改正してください。その際、現在の児童福祉事業(第6条の2)としての位置づけを見直し、児童福祉施設(第7条)に位置づけることを要望します。
② 市町村の実施責任を明確にし、「利用の促進の努力義務」ではなく、「必要としている児童が入所できるよう条件整備を図る」ことを義務づける制度を要望します。実施形態を問わず、必要とする子どもすべてが入所でき、安全で安心して生活できるように、国および自治体が責任をもって学童保育を保障する仕組みを要望します。定期的に指定先を見直す指定管理者制度の導入や倒産・閉鎖のある民間企業の参入など、事業の安定性・継続性が確保できない制度にはしないでください。
③ 国の補助金は、現在の奨励的な補助ではなく、財政保障の強化を図ることを要望します。
市町村に条件整備を義務づけることとあわせて、国として市町村に対する国庫負担金となる制度を要望します。
④ 国の補助方式は、運営が不安定になる利用者に対する個別補助(個人給付)にしないでください。
⑤ 学童保育の対象児童を現行規定の「おおむね10歳未満」から、「学童保育を必要とする小学生」としてください。

2 学童保育の質の確保のためには「最低基準」を定めること
① 国が最低基準を定め、どの学童保育でも質の確保と向上が図られる制度を要望します。
② 最低基準を定めることにより、現在の学童保育が切り捨てられるのではなく、底上げされて質的な拡充が図られるようにすることを要望します。
③ 質の確保のために、学童保育の保育指針の策定を要望します。

3 施設や人材の確保のためには財政措置と公的資格制度を創設すること
① 学童保育の施設は、「生活の場」にふさわしく、適正規模の設置基準を定め、また、学童保育の専用施設の設置を基本として、児童館や余裕教室、その他の公共施設など地域の社会資源を活用して施設を確保できる制度を要望します。
② 指導員の確保のためには、現在の劣悪な人数配置・勤務体制・勤務時間・待遇の抜本的改善が必要です。「地域ボランティア」「定年退職者」などの活用ではなく、専任・常勤の指導員が常時複数配置ができるよう、指導員にかかわる配置基準を定め、常勤配置ができる財政措置を伴った制度を要望します。
③ 指導員を継続的・安定的に確保できるよう、指導員の公的資格制度の創設と、養成機関の設置を要望します。

4 「放課後子ども教室」等との「一体的運営」をやめること
学童保育と、「放課後子ども教室推進事業」または「全児童対策事業」は、法的根拠が異なり、それぞれに目的・役割や内容も異なります。二つの事業を同じ場所で同じ職員で行う「一体的な運営」は、学童保育の廃止を意味しています。「一体化な運営」を行う事業を制度として位置づけるのではなく、それぞれ独自の事業として拡充させて連携していくことを要望します。

<別添1> 2008年12月19日に厚生労働省および社会保障審議会
少子化対策特別部会に提出した要望内容
学童保育の「新たな制度体系」に関する要望
<施設の確保、人材の確保に関する要望点>
① 学童保育の施設は、「生活の場」にふさわしく適正規模で設置基準を定め、また、学童保育の専用施設の設置を基本として、児童館や余裕教室、その他の公共施設など地域の社会資源を活用して施設を確保できる制度を要望します。
② 指導員の確保のためには、現在の劣悪な人数配置・勤務体制・勤務時間・待遇の抜本的改善が必要です。「地域ボランティア」「定年退職者」などの活用ではなく、専任・常勤で常時複数配置ができるよう、指導員にかかわる配置基準を定め、常勤配置ができる財政措置を伴った制度を要望します。
③ 指導員を継続的・安定的に確保できるよう、指導員の公的資格制度の創設と、養成機関の設置を要望します。
④ 具体的には次の点を要望します。
・指導員の配置は、専任・常勤・常時複数配置を基本とする。
・指導員の配置基準は、児童数30人までは2人以上、40人までは3人以上とする。(41人以上は分割して40人以下とする)
・障害のある子どもには必要に応じて専任の指導員を配置する。
・指導員は常勤配置を基本とし、有期雇用や短時間勤務の非常勤配置は基本としない。勤務時間は、子どもがいる時間の前後も含めたフルタイム勤務を保障する。
・指導員は、学童保育士(仮称)の資格を持つ者を配置する。
・学童保育士は、保育士・幼稚園教諭・小学校教諭を養成する施設・機関と同等の施設・機関で養成する。
・国の補助単価は、常勤指導員の適正な配置ができることを積算して決める。

*提言「私たちが求める学童保育の設置・運営基準」(2003年6月全国学童保育連絡協議会)から
<市町村の実施責任、サービス利用(提供)、補助方式のあり方の要望点>
① 市町村には保育園と同等の実施責任があります。市町村には、「利用の促進の努力義務」ではなく、「必要としている児童が入所できるよう条件整備を図る」ことを義務づける制度を要望します。
② 市町村は、実施形態が公営・委託・補助を問わず、必要とする子どもすべてが入所でき、安全で安心して生活できるように学童保育の条件整備を行うことも含めて、行政が責任をもって学童保育を保障する仕組みを要望します。定期的に指定先を見直す指定管理者制度や倒産のある民間企業など、事業の安定性・継続性が確保できないような制度にはしないでください。
③ 国の補助方式は、運営が不安定になる利用者に対する個別補助ではなく、施設・事業の安定性・継続性に欠かせない実施主体・運営主体に対する運営費の補助とする制度を要望します。
<学童保育の対象学年に対する要望点>
① 必要としている高学年児童も事業の対象とされるよう法文上でも明確にすることを要望します。
<学童保育の質の対する要望点>
① 国が最低基準を定め、どの学童保育でも質の確保と向上が図られる制度を要望します。
② 最低基準を定めることにより、現在の学童保育が切り捨てられるのではなく、底上げされて質的な拡充が図られるようにすることを要望します。
③ 質の確保のために、学童保育の保育指針の策定を要望します。
<財源に関する要望点>
① 将来にわたっても安定的に財源が確保できるようにすることが必要です。現在の奨励的な補助ではなく、財政保障の強化を図ることを要望します。市町村に条件整備を義務づけることとあわせて、国として市町村に対する国庫負担金となる制度を要望します。
② 市町村の負担と保護者の負担が加重にならないような負担割合を定めること、必要とされる内容・水準が確保できる学童保育の単価を決めることを要望します。
<「放課後子ども教室」との一体的運営の制度的位置づけへの要望点>
① 学童保育と「放課後子ども教室」は、法的根拠が異なり、それぞれに目的・役割や内容も異なります。二つの事業を同じ場所で同じ職員で行う「一体的な運営」は、学童保育の廃止につながります。したがって「一体化、な運営」を行う事業を制度として位置づけることはぜす、それぞれ独自の事業として拡充させていくことを要望します。

<別添2> 2009年5月27日に厚生労働省に提出した要望内容
学童保育の抜本的な拡充に関する要望書
1 国の学童保育に対する抜本的な拡充、集中重点的な取り組みに関する要望
(1) 国が決めた目標である、学童保育の利用児童(入所児童)を「10年間で3倍化する」「質の高い放課後児童クラブを推進する」ことが着実に実現できるように、国としての方針と財政措置を明確にし、具体化してください。
(2) 次世代育成支援対策「新たな制度体系」づくりには、2008年12月19日に出した全国学童保育連絡協議会が提出した要望内容(別添1)が実現されるよう、検討ください。
特に、現在の制度の持つ問題点(公的責任が弱く、最低基準と財政措置が法制度的に明確でない)を抜本的にあらため、子どもの施設に求められる安定的・継続的な運営できるよう公的な責任による条件整備ができる制度にしてください。補助方式では、利用者への個別補助や利用時間数に応じた補助方式にすることは絶対にやめてください。
(3) 文部科学省の「放課後子ども教室」事業や自治体独自の「全児童対策事業」と、学童保育が「一体化「統合」されることは」、事実上の学童保育の廃止につながります。
そのようことにならないように、学童保育に必要な要件(留守家庭児童の家庭に代わる『生活の場』に必要な「専用施設(室)」「専任指導員」「固定した子どもの生活集団」)を明確にし、国の学童保育制度を抜本的に拡充してください。そして、それぞれの事業が連携が図られるようにしてください。
(4) 国が決めている「集中重点期間」(2010年度まで)に学童保育の抜本的な拡充が図られるよう、追加経済対策の「安心こども基金」の活用も行い、適切なテンポ・スピードと規模で整備を図ってください。その際、「安心こども基金」も国の補助率を引き上げ、自治体の負担を軽減して、実際に活用できるようにしてください。

2 国の学童保育制度の見直しに関する要望
(1) 児童福祉法について以下の内容での改正を行ってください。
① 国および地方自治体の「公的責任」を明確にし、学童保育の「最低基準」を定め、財政措置が法的に明確になるように、児童福祉法および関係令を改正してください。その際、現在の児童福祉事業(第6条の2)としての位置づけを見直し、児童福祉施設(第7条)に位置づけてください。
② 学童保育の対象児童を現行規定の「おおむね10歳未満」から、「学童保育を必要とする小学生」としてください。
(2) すべての学童保育が、「安全で安心な子どもたちの生活」を保障するのに必要な質が確保できるよう、ガイドラインではなく、国としての学童保育の設置・運営基準(最低基準)を定めてください。
(3) 児童数71人以上の学童保育の解消にとどまらず、「適正規模(40人まで)」の実現に早急に着手してください。
(4) 国としての学童保育の「最低基準」ができるまでの間でも、学童保育の質的向上がより図られるよう、適正規模や指導員の配置と体制、施設・設備などを明確にするなどして「放課後児童クラブガイドライン」を改定し、かつ実効力を持つような手立てをとってください。
(5) 学童保育の安全対策の強化のために、国としての方針を持ち、十分な対策をとってください。特に、国民生活センターの「学童保育の安全に関する調査研究」で出された提言(別添2)が実現されるよう、文部科学省への働きかけ(「災害共済給付制度」に学童保育も対象となるよう)も含めて必要な手立てを講じてください。

3 学童保育指導員に関わる課題に対する要望
(1) 指導員に関わる制度の拡充と財政措置を重点的に図ってください。特に、指導員の専任・常勤・常時複数体制が実現できる制度的の確立と財政措置を図ってください。
(2) 指導員の公的資格制度の創設と、養成機関を整備してください。
(3) 指導員の国での研修制度の創設と自治体への研修費補助を増額してください。
(4) 厚生労働省の「放課後児童クラブガイドライン」を、指導員の望ましい配置と体制(専任・常勤・常時複数体制、児童数に応じた指導員数)について明確にしたものに改定してください。
(5) 指導員の実態調査、ニーズ(要求)調査などを行って実態と課題を把握し、改善の方針を明確にしてください。

4 2010年度の厚生労働省予算に関する要望
(1) 現在の国の補助金の補助率である「3分の1」を変更して、国の負担を2分の1にするなど拡大し、自治体の負担を軽減してください。
(2) 運営費の補助単価を、常勤指導員が児童数に見合って複数配置できるよう大幅に引き上げてください。
(3) 施設整備費(新設、改築、備品費)の補助単価と予算総額を大幅に引き上げ、補助率も変更し、自治体の負担を軽減してください。
(4) 経済的困難を抱えた家庭のために、保育料減免措置ができるよう国として経済的支援(運営費補助に減免措置加算を付けるなど)を図ってください。
(5) 障害児の受け入れが促進されるよう、入所児童数に応じて適切な指導員配置ができる補助制度にしてください。また、受け入れのための指導員研修の拡充、専門家による巡回指導や相談員の配置などができるよう予算措置を行ってください。
(6) 71人以上の学童保育の解消にとどまらず、適正規模として望ましいとされる「40人程度まで」の学童保育が実現するような補助の仕組みとしてください。また、40人以下に分割できるように、運営費と施設整備費の補助単価と予算総額を大幅に引き上げてください。
(7) 土曜日の開設促進のために、補助基準日を「280日以上」に延ばしてください。同時に、土曜日の開設ができるよう補助金を大幅に引き上げてください。
(8) 補助要件を、「全児童対策事業」との「一体型」のところが補助対象とならないよう、また、不十分な分割とならないよう、「専用施設(室)があること」「専任指導員がいること」「固定した子どもの生活集団」がなければならないことを明確にしてください。
(9) 次世代育成支援の後期行動計画のために必要な十分な予算措置を図ってください。

5 「放課後子どもプラン」の見直し等に関する要望
(1) 「放課後子どもプラン」の基本的枠組みを見直してください。
①二つの事業の「一体的あるいは連携」から、「それぞれの拡充と連携」とすることを基本的な枠組みとしてください。
② 総合的な放課後児童対策としての「放課後子どもプラン」とするために、二つの事業だけでなく、児童館・児童センターの生活圏内での整備も含めて、地域の状況に応じた多様で豊かな放課後児童対策が実施できる基本的な枠組みとしてください。
(2) 文部科学省と連携して、それぞれの事業の拡充を図ってください。
①「放課後子ども教室」は、固定した固有の施設(場所)の確保や、地域のボランティア任せではなく専任職員が配置できるように拡充を図ってください。
② 教育委員会・学校関係者に学童保育への理解を求めるあらゆる手立てを講じてください。特に、「放課後子どもプラン」のコーディネーターに対して学童保育への理解を得られるように、研修など抜本的に強化してください。
(3) 「放課後子どもプラン」だけでなく、保育所との連携推進を図るとともに(保育指針の改定によって小学校と保育所の連携が明記されたが、学童保育との連携は明記されていません)、虐待防止ネットワーク体制、地域の安全対策やさまざまな子育て支援ネットワークに、学童保育が地域の子育て支援施設として位置づけられるような措置を講じてください。


【放課後子どもプランのモデル事業全区拡大を断念 中日10/23】
 名古屋市は22日、放課後の児童を小学校の空き教室で世話する「放課後子どもプラン」モデル事業の全区拡大を断念すると明らかにした。来年1月時点では全16区中10区で実施されることにはなるが、地元の反発や不満も依然強く、今後の展開は「まったく未定」(子ども事業調整室)としている。

 子どもプランは、全児童を対象とする市の「トワイライトスクール」と、留守家庭児童対策に保護者らが運営する「学童保育」を一体化。今年4月に16区でモデル事業を始める予定だったが、学童関係者に加え、午後5時以降の利用が今の無料から有料になるためトワイライト関係者の不満もあり、8区で先行スタートした。

 残る8区のうち、千種、名東、天白、中川、港、西の6区では実施のめどがたっていない。金城小(北区)と広路小(昭和区)では「地元の要望が強い」として来年1月の実施を目指す。運営主体は、これまでのような外郭団体への委託はやめ、公募する。ただ学区内に学童保育がある広路では、「学童つぶし」として反発が広がる可能性もある。

 当初はモデル事業を2年間実施し、検証を経て全市に広げる方針だったが、現時点では全くの白紙になった。プランは自公政権のもとで全国的にも推進されたが、先行した別の市でも地域の不満などが伝えられており、今回の政権交代で、方針転換の可能性もある。 (豊田雄二郎)

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