マンション劣化で、使用中止の勧告/沖縄
景観とまちづくりの観点から、高層マンション建設反対に取り組んでいる市民グループの会が18日にあった。中心は、高知市の景観条例のことだが、今後、老朽マンションの問題は大きな課題となってくるだろう。
劣化廊下崩落 行政主導で危険度調査を 琉球新報9/5
市、支援策手探り 浦添・マンション廊下崩落から1週間 琉球新報9/9
浦添市、使用中止を勧告 マンション事故/3棟住民に文書送付 沖縄タイムス9/12
(写真/プレーリードッグ/野市動物公園)
建設ラッシュだった70年代、海砂を使用したことが原因らしい。高知ではどうなんだろうか。
高知でも老朽化にともない財政的余裕のある住民は出ていったり、又貸しで共益費があつまらなかったりと・・・問題が出ていると聞く。 エレベーターがうごかなくなったら、それこそ陸の孤島・・・
新しい高層マンションを見るだびに、景観やまわりの住民の住環境という現在の問題とともに、老朽化したときの問題の大きさが迫ってくる。
浦添市の場合も、「使用中止」は勧告であり、強制力はない。劣化したマンションに人が住み続け、壊すこともできず、危険な構造物が建ち続けることとなる。
廃棄物の拡大生産者責任からいえば、マンション価格の中に、耐用年数が来た時の解体費を入れて、プールしておくシステムが必要と思う。
【劣化廊下崩落 行政主導で危険度調査を 琉球新報9/5】
浦添市で3日未明、鉄筋コンクリート造り3階建て分譲マンションの2階廊下部分が崩落する事故が起きた。建築からおよそ35年が経過し、老朽化が進んでいた。人の出入りの多い日中に崩れ落ちていたら大惨事になりかねないところだ。けが人が出なかったのは不幸中の幸いだった。
要因の一つとして、塩分が取り除かれない海砂が建築資材に使用されていた可能性が指摘されている。
建設省(現在の国土交通省)は1977年にコンクリートに使用される細骨材中に塩分が含まれる場合の取り扱い、86年にコンクリートの耐久性確保に係る措置について、それぞれ通達を出し、コンクリート中の塩分量を規制した。
事故のあった浦添市の分譲マンションは規制のない時代に建てられていた。同時期までに造られた建物は同様に崩落の危険がある。
県は、除塩しない海砂が使用されたと思われる建物を洗い出して安全性をチェックするよう市町村に指導すべきだ。
鉄筋コンクリート造りの建造物は通常なら60年もつといわれる。だが、資材の砂に多量の塩分が含まれている場合、鉄筋がさびて膨張し、ひび割れができやすい。そこから雨水が入り込むなどして腐食が進むため、耐用年数は20~30年程度に縮まるという。
建設業関係者によると、建築ラッシュだった70年代には砂利や川砂が不足し、海砂を使用するケースが多かった。そのような建物は、既に実際の耐用年数をオーバーしている計算になる。
県によると、71~80年に建築された住宅は約9万4700戸で、ほとんどがコンクリート造りとみられている。
廊下が崩落したマンションの住人は轟音(ごうおん)でたたき起こされ「爆弾でも落ちたのか」と思ったらしい。海砂による塩害で腐食した建物は、時限爆弾付きの欠陥建築物と言っても過言ではあるまい。居住者の多くは、気付かないうちに崩落の危険にさらされている。
コンクリートがはげ落ちていたり、さびた鉄筋がむき出しになっていたりすれば赤信号だ。早めに専門家に相談し、補強工事などの手だてを講じる必要がある。
建築を認めた以上、行政側にも責任の一端がある。コンクリートの崩落で人身に大きな被害が及ばないよう早急に手を打つべきだ。
【市、支援策手探り 浦添・マンション廊下崩落から1週間 琉球新報9/9】 浦添市内間のマンション廊下崩落事故から9日で1週間となった。崩落したA棟の住民は2世帯2人が内間公民館で避難生活を続ける。崩落したA棟の住民からは解体を望む声があり、同様に危険とされたB、D棟の住民は補修による居住継続を望むが、いずれも費用負担が課題。公的支援を求める住民に対し、自然災害の被災者を対象にした生活再建支援法も適用できず浦添市は手探り状態だ。■車中で寝泊まり
廊下が崩落したA棟。8日午後、事故後、初めて自宅へ戻った20代の女性は夫と一緒に3階の窓からはしごで室内に入り、荷物を運び出した。「それぞれの実家に戻っているが、夫は車の中で寝ることもある。高齢者が多いので(経済的に)建て替えは無理と思う」とあきらめ顔で語る。
同日午後。A、B棟の住民8人が浦添市役所を訪れた。市の窓口となる都市計画部職員と話し合い、A棟以外は補修する方向で両者の意見が一致。補修に当たり、市の協力を求めた。
ただ住民が求める金銭的支援が実現できるかは不明だ。浦添市は老朽化や安全上問題のある集合住宅の改築に関する手続きや国の補助を定めた「マンション建て替え円滑化法」「優良建築物整備要綱」を活用できるか検討。適用可能か国、県に照会しているがまだ回答はない。■管理組合必要
一方、1992年からマンション改修工事への助成制度を設けた東京都。耐火構造分譲マンションが共用部分の計画的な修繕や改修をする際、住宅支援機構の融資を取り付けた管理組合に対し、都が利子の一部を補給する。2008年度はマンション53棟(2847戸)に助成した。
浦添市のマンションのように管理組合がない場合は助成対象にならない。東京都都市整備局住宅政策推進部マンション課は管理組合を組織することは「維持管理の基本」と指摘した。
集合住宅の老朽化に伴う事故は過去に例がなく、公的支援が実現するかは不透明だ。浦添市の銘苅秀盛都市計画部長は、建設ラッシュによる海砂使用など事故の要因に建設当時の社会状況があるとして「今後同様の問題が増える恐れがある。県内でも新たな支援策の整備が必要ではないか」と訴えた。(金城潤、宮城隆尋)
【浦添市、使用中止を勧告 マンション事故/3棟住民に文書送付】 浦添市内間のマンション廊下崩落事故で、市は11日、同建物について保安上危険な建築物等に対する措置を定めた建築基準法第10条に基づき、使用中止を求める「是正勧告」を決め、同日付で部屋の所有者あてに文書を郵送した。対象となるのは崩落したマンションA(9世帯)のほか、専門家による目視調査で同様に危険な状態が明らかになったB(4世帯)、D(17世帯)の3棟。 送付文書は「建物の使用中止について」の勧告。市長名で速やかに是正するよう求めている。次のステップで所有者に「勧告」に対する状況報告を問い、住民がこの時に是正計画を示すことができなかった場合、市長は「命令」を出すことができる。 住民は12日にも同文書を受け取る見通し。勧告に拘束力はないが、住民の多くは行政支援を求めているのが現状で、住民にとって難しい対応を迫られそうだ。 市はA棟と、その後の調査で同様に危険状態であることが分かったB、D両棟の住民に対し「自主避難」を要請。相談窓口を設け制度の枠内で可能な限りの支援にあたっているが、住民間で建て替えや転居の話は進まず、膠着(こうちゃく)した状態にある。 その後、市の依頼で目視調査した3建築士の報告書で、3棟共に「保安上危険な建築物」であることが明確化したことで、事故から1週間余りで是正勧告に踏み切った。 市の関係者は「文書をきっかけに早めの解決を図りたい」と話している。 同法10条は、建築主事を置く地方公共団体は、そのまま放置すれば著しく保安上危険と認められる場合、その所有者(管理者)に対し建築物の改築や修繕、使用中止など必要な措置を取るよう勧告することができる。
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