資格書ゼロ、窓口負担軽減 広島市の国保
無職、低所得者が多数を占める国保の高すぎる保険料と窓口負担が大きな問題となっているが… 自治体の市民の命を守る姿勢によって、運用に大きな差が出ている。
いろいろ調べた中で感心したのは広島市の取り組み。
08年度、資格証の発行ゼロ、低所得者の窓口負担減免の利用者1700件となっている。
◆資格証明書は、08年度からゼロ
08年より、国保料の1年以上滞納世帯に対して、本人との面談によって生活状況を把握し、明らかに国保料を支払う能力があるのに支払わない「悪質滞納者」と判断される場合に限って資格書を発行する方針に「舵を切った」ことによる。
また、短期保険証についても原則4ヶ月となっている。
広島市国保をよくする会などの運動の成果。その背景には、昨年1月のNHK『クローズアップ現代』で一昨年1年間64件の死亡事例が起き、そのうち広島市で16件を占めるなどの報道が行われたことにある。
保険証がなくて、人が死ぬ・・・ そんなことが続く前に… 全国で改善すべきである。
◆窓口負担の軽減
国保法44条で、災害や失業などで収入減った際に、窓口負担を減免できる条項がある。しかし、以前ふれたように、条例をつくってもほとんど利用されてない自治体が多数を占める。
「国保の窓口負担減免で「前向き」通知 09/8」
それは、所得の低さだけでなく、前年度収入の3割減とか「前年からの減」を自治体が条例で規定があるからである。高知市では30%と規定し、さらに保険料の滞納がないなども要件となっている。
しかし、広島市にはそれがない。
直近の3ヶ月の収入が、
生活保護基準の110%未満は、免除
130%未満は、減額
が基準となっている。
さらに、医療機関にその制度を周知する努力をしている。医療機関にとっても「未収金」対策ともなり、利用が広がるという仕組みになっている。
◆高知市は…
・資格証は600世帯
・短期保険証は、すべて1ヶ月で6700世帯
(すべて1ヶ月は中核市41の中で高知市だけ。一ヶ月の短期証の発行は11自治体のみ)
・44条にもとづく減免は、5年間で2件。
・この3月には、50年続いた障害、寡婦、高齢者への独自減免について段階的に廃止を決定した。
広島市の国保の被保険者は29万人で、減免金額7300万円を一般財源から繰り入れている。
高知市は、約5万人なので6分の1の1300万円で可能となる。
高すぎる国保の原因は、国費の減額である。増額がなにより必要であるが、自治体の姿勢をただすことも重要である。
本日の市議会質問で、執行部は、現状の短期証の取扱を改善する、と答弁した… 一歩ずつでも改善をすすめたい。
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