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民主党の自治体政策と9月地方議会

 自公政治退場する歴史の新しいページが開かれた。そのもとで、すぐに9月地方議会がはじまる。
民主党政権のもとで国の予算の枠組みが大きく変わり、見通しが定かでないが、建設的野党の立場でのぞむこととなる。
 民主党の地方自治論の特徴と問題点、個別政策など取り組みの課題を少し整理してみた。

①国と地方の役割分担論~国の責任放棄
 政策集によると「国の役割は、外交、防衛、危機管理、治安、食料・エネルギーを含む総合的な安全保障、教育・社会保障の最終責任、通貨、市場経済の確立、国家的大規模プロジェクトなどに限定」する。

 そして地方に対しては「ひも付き補助金をなくす」という口実のもと、義務教育、扶助費、老人医療・介護の予算が8割を占める「国庫補助負担金を使途を決めない一括交付金化」すること、そして「住民の生活に密接に関係するものについては、法律や政省令の規定を廃止」することによって、ナショナルミニマムに対する国の責任放棄をすすめることと結びついている。

②地方の予算削減 4.3兆円
 民主党の財源論にある「ムダ削減で9.1兆円」の中には、国庫補助負担金をなくすことによる4.3兆円の削減がある。

 国庫補助負担金19.1兆円のうちわけは、
(一般会計 16.7兆円)
・社 会 保 障        11.9兆円 
(後期高齢者医療、老人医療、国民健康保険、介護、生活保護費、児童保護費、障害者自立支援費、児童手当交付金、児童福祉費)
・義務教育費、公立学校施設整備費 2.0兆円
・公共事業関係費         2.4兆円
上下水道、まちづくり交付金など
・警察費補助、中山間地直接支払等 0.5兆円
( 特 別 会 計 2.4 兆円)
・社会保険、失業対策       0.5兆円
・公共事業関係費         1.6 兆円
(うち道路整備1兆円、治山治水0.2兆など)
・その他              0.3兆円  
《総務省 地方財政関係資料 09年3月より》

 民主党・政策集によれば、一括交付金化しても福祉・教育予算は確保すると言っているので、公共事業関係の予算はほぼゼロとなる。交付税増額の具体策はなく、地方財源が激減する。
地方財源の総額確保、「地方分権というなら減らした地方財源の復活を」という点が対決点となる。

・道路関係の暫定税率の廃止で、地方税の収入(道路の維持・補修の費用など)は1兆円減るが、これは直轄事業負担金1兆円をなくすことで帳尻をあわすとしている。日本共産党は、暫定税率を炭素税に置き換えることを主張。

③道州制など「分権改革」の方向
 民主党はこれまで「国と300の基礎自治体」を政策としてきたが、知事などの道州制の要求、町村会の「道州制と強制合併反対」の声を「反映」させ、「道州制も検討」とし、当面は、権限委譲の受け皿となる自治体を合併だけでなく、広域連合なども含めて対応するという現在政府が進めている方向と同じ。

④ 保育制度などナショナルミニマムを守るたたかい
 政府の保育制度改革として、国・自治体の責任をなくし、直接契約、設置基準の緩和、応益負担の方向で検討がすすめられている。
 民主党は、「保育園の設置基準を廃し」(7月27日の共同通信)、地方の裁量に任せる方針。学校の空き教室なども認可保育所にできることを政策集にもりこんでいる。
 「生活に密着する関係」になにが入るか不明だが、介護施設、障害者施設なども対象となると見られる。
 現在、設置基準のない「学童保育」の状況をみれば、施策が充実するとは思えない。
 保育の設置基準では、今年3月に全国社会福祉協議会の「機能面に着目した保育所の環境・空間に係る研究」(厚労省の委託)で寝食分離など最低基準の引き上げの必要性が示されており、国の責任によりナショナルミニマムを保障させることが対決点となる。

⑤人件費問題 ~ 非正規、行革推進法
 民主党は、国家公務員総人件費1.1兆円削減を手当等の改定と、地方への人員移行で実施する方針。
地方公務員はこれ以外にも教員増も方針としており、「行革推進法」の「地方公務員4.6%以上の純減」と矛盾する。この際、公的サービス切り捨ての行革推進法を廃止させよう。
また、政策集は、「非正規労働者の労働条件確保」として「待遇の差別的取扱いの禁止」を公約しており、公務の場で拡大する非常勤職員の待遇改善の新たな段階を迎えることとなる。

⑥バウチャー制への警戒を 
 子ども手当てだけでなく、高校授業料無償化策も民主党案は、家庭に配ることを基本にしている。保育料の低減、学校給食費や高校の授業料をなくすという施設について補助をし、個人負担を減らすのではなく、個人への給付を基本にしている。
 これは新自由主義の「バウチャー制度」(施設への補助金から、保護者への直接手当てへの振り替え。自由競争のもと、手当てが利用料として施設に回収され、人気のある施設には多くの資金が回収され、競争性が働くという理屈)に結びつく要素がある。
 保育などの設置基準をなくし規制緩和を進めること、所得制限抜きに一律支給することも、政策方向として一致している。
 また、私学助成については、政策集では「維持」と書いているが、5月には岡田幹事長は「廃止」(削減?)」(サンデープロジェクト)と発言したと聞く。施設補助から個人給付というバウチャー制と整合性のある発言である。

⑦その他、9月議会で議論となるであろう点
 民主党は、マニフェストで、2010年度に、子ども手当ての半額実施、公立高校無償化、暫定税率の廃止、高速道路無料化の段階的実施、農家の所得補償のモデル事業の実施を予定している、それらの制度改革、財源をめぐり大きな攻防が予想され、地方議会や大衆運動がいよいよ重要となっていると言える。

★自民党からは、補正予算凍結、暫定税率廃止による道路予算減少の影響を問題にし、継続実施をもとめる質問や意見書が出されることが予想される。
 国の補正予算全体については、共産党は、国会で反対してるが、地方の現れ方ついては個々の判断が必要。
 たとえば9月県議会に、地域医療再生・臨時特例交付金にもとづく基金が提案される見込みで、それは安芸病院の建替え100億円の予算であり、凍結の対象となれば高知県には大きな打撃となる。
 
 民主の政策との関係で、共産党として 積極提案◎、推進○、防波堤●、問題点の解明△ の立場で地方議会で論戦、意見書決議など取り組む必要があると思う内容(思いつくままに)

【高速道路の無料化】
△地方交通(鉄道、路線バス、フェリー)への影響と維持のための自治体負担の増加の懸念

【子育て】
△子ども手当て/生活保護の収入認定させられるのか(児童手当は収入認定)、就学援助の切捨ての危険    ~ 低所得者は児童手当がなくなり、その上、上記のようなことが起きれば格差は拡大する。
 一方、要保護家庭への支給となれば生活保護の原則にかかわる変革になり、各種の制度に連動する。
 また、扶養控除などの廃止は問題
○生活保護母子加算の復活/児童扶養手当の改善、

【教育】
○高校授業料無償化/方法の改善が必要。
◎学力調査、教員免許制度の中止へ/民主も主張(教員免許については政策集では「抜本的見直し」)
◎子どもの権利条約を生かす/「国内法の改定の必要はない」という事務次官通知の廃棄
●教育委員会を廃止し、教育行政を首長の下に置く
◎給付型の奨学金の創設  各党で一致 
◎特別支援学校の充実
 希望者増で教室が不足しているが、民主は、「障害者と障害者以外の子どもが区別なく教育をうけることを原則とする」とし、「特別支援学校」は例外的対応を主張しており、充実へ踏み出させる必要がある。

【医療・介護、福祉】
○後期高齢者医療制度廃止、介護療養病床廃止の中止、介護施設の増設/民主も主張 
◎医療費の窓口負担軽減
   国保の窓口負担減免制度の活用
○障害者自立支援法の応益負担廃止/民主も主張

【雇 用】
○労働者派遣法の抜本改正 
○パート均等法の改正/非常勤職員の待遇改善
◎雇用保険の適用期間を延ばす
◎所得税56条廃止

【郵 政】○ 三事業一体の運営の堅持/民主も主張

【一次産業】
●日米FTA/野菜、果実は所得補償の対象外
○森林の直接支払制度/民主提唱、輸入規制はない。
◎米価格 備蓄米の買い入れ

【女性、人権】
○女子差別撤廃委員会 日本政府への勧告の遵守
   選択的夫婦別姓など民主党も主張
●「人権侵害救済法」案への警戒/「解同」、民主推進
「差別的」言動をもとに国民をとりしまる弾圧法
 ~ 高知市の糾弾会、南国市で他県の「解同」幹部を呼んでの研修会など巻き返しを警戒する必要。

【平和・民主主義】
●比例区の削減反対、政党助成金の廃止・削減
◎インド洋の給油中止。9条に基づく平和外交
◎核廃絶、核密約問題
◎平和市長会への参加

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