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ゴミ有料化 どこからみても道理なし

 高知市のゴミ有料化の説明会が始まっている。もう決まったと思っている人が多いが、これからが本番である。
市議団もニュースを全戸配布する準備をしている。
 ここに来て、いよいよ論理の破綻が明確になっている、と思う。
 財政論、財政効率面、減量の方法、子育て・介護・市民活動に冷たい点、プラスチックゴミも有料化する矛盾、「負担の公平論」など・・・全国4位、四国でトップの安さ、効率的運営をしている「高知方式」が有料化が崩れる、というのが本質問題だが・・・ 
  「直営、市民と協働で全国4位の安さ 高知市のゴミ処理費」 
 市の説明との関係で少し考えてみた。

  【ゴミ有料化 8つの疑問と1つの提言】
①財政再建のためという根拠崩れる
 増税の説明会では、5年間で70億円の財源不足の手だとして、有料化で年2億円を、5年間で6億円を財政再建に使うというが、談合和解金24億円、臨時交付金18億円、駅前市有地売却8億円、土地開発公社の特例債の活用などで、当初予定外の収入などがあるうえ、全体の対策にとっても財政規模は小さい。
高知方式崩壊のリスクを考えれば、財政論からの「ゴミ有料化が必要」との話は説得力がない。

②3億円を燃やす~ この非効率
 市民に6億円の負担をかけながら、袋代などで3億円。うち2億が財政再建、1億が環境政策という。市民負担の半分は燃えるのである。仮に財政再建であればもっと効率よい負担のかけ方があるだろう。
ところが収入のうち財政再建が主であるのに、ゴミの説明会では、財政課は出席しない。これでは市の説明責任は果たせていない。
ところで、有料化で、ゴミが減少化すれば、収入は減る。収入を確保しようと思えば、袋の値段をあげるしかない。

③ごみ減量化に「他の方法」はないのか
・今のペースで目標達成は可能
一人当たりの家庭ゴミ量を、2000年を基準にして2015年に、20%削減し、670グラムから536グラムにする。07年度は586グラムと、7年間で、84グラム削減となっている。あと8年で、50グラム削減したらよいわけで、今のペースを維持すれば削減できる。(不幸なことに、不況、高齢化、人口減で伸びる要素もない)

・有料化が減量に役立つとは証明されてない
 有料化が一義的に減量化に役立つとは証明されてない。リバウンドしたり、増えたりしているところもあることは市の答弁してきた。。

*06,年3月議会 環境部長答弁
「ごみ処理の有料化は,その主たる目的はごみの減量ですが,その効果につきましてはさまざまなケースがございます。例えば,ごみの減量効果が有料化導入の初年度には大きくあらわれそのまま継続する場合,一たんは減量するものの市民のなれによるシグナル効果の希薄化もあり,次年度から効果が低減またはリバウンドする場合,また全く当初から減量につながらなかった場合などの事例が報告されております。
 こうしたことから,有料化の是非を検討するに際しては,ごみ減量のさまざまな施策の提案や啓発を続け,市民の間にごみ減量の意識を根づかせていくことが必要だと思っております。」

・「他にも方法がある」との回答になるのは当然
 なにより、市民との共同が高知方式の力である。これまでの成果を伝え、徹底して協力をもとめるのがスジだろう。
市民から「協力するから有料化はやめよ」と言えば、どう返答するのだろう。「これ以外に方法がないか」と環境部に問えば「他にもある」という答えになるのは当然だろう。

④「負担の公平」への疑問
・ゴミ処理は自治体の仕事であり、税金で行っている。ゴミを多く出す人というのは、一般的に行って、多く消費する経済力のある人であろう。そういう人は、住民税、地方消費税は多く払っていると考えるのが普通だ。それをどう説明するのか、論理的一貫性はない。

・「負担の公平」・・・この発想は、後期高齢者医療制度の設計にかかわった厚労省国民健康保険課課長補佐・土佐和男氏が、医療費の増加にあわせ保険料が上がっていく仕組みについて「医療費が際限なく上がっていく痛みを自分の感覚で感じ取っていただくことにした」と言い放ったのと同じではないか。
こういう発想は、「自分が出したゴミではない」という考え方を醸成し、自発的な地域の清掃活動の芽をつむ。

⑤子育て、介護に冷たい施策
・乳幼児を抱える若い世代、高齢者を自宅で介護している家庭・・・紙おむつはなくてはならないものとなっている。
 紙おむつは可燃ごみであり、毎日となれば相当の量となる。こうした世帯への負担が比較的高くなる。子育て、介護に冷たい施策である。

⑥プラスチック排出を有料化する矛盾
 資源ごみを多く出してもらわなくてはならない。この袋を有料化するのは目的と合致しない。  
なぜ出来ないのか。少し前、プラスチックごみの汚れなど資源ごみの質の悪さから、市は業者から改善されなければ引き取れない、と通告された。
 それで「ペットボトルは出さない」「汚れのひどい物は可燃ごみへ」など住民説明会を精力的に行い、一気に改善した。資源ごみを今までどおり無料化すれば、汚れたプラスチックゴミが再び混入し、引き取り拒否という事態が危惧されるからである。
 だから、資源ごみにも有料化を行うという矛盾した行動となる。
 これは徹底してつめたら「プラスチック類は従来どおり出し方でかまわない」とならざるを得ない。道理から言えばそうなるからである。
 
⑦ボランティアの清掃活動に冷や水
 少なくない市民が自発的に地域の清掃活動、ゴミ拾いに協力している。無料だから気軽にできる。有料化は、こうした市民活動に冷や水を浴びせることなる。
では、団体を指定して無料で配布するのか。その線引きは・・・実施すれにしても事務経費が増大するだろう。

⑧高知方式が崩壊する危険
 無料・市民との共同で築きあげたのが「高知方式」である。ゴミ行政の現場は、以前から有料化で「高知方式は崩壊する」という判断をもっている(環境業務部作成スライド)。
 有料化すれば、資源ごみの可燃ごみへの持ち込み、不法投棄が増えるのは容易に想像できる。 
なにより高知方式が崩れたときのリスクの大きさを考えるべきである。
 
《提言「高知方式」をもとに環境・道徳学習を》 
 以上のような問題のある有料化より、減量化するなら未来の世代、特に小中学校での学習が重要だろう。
「高知方式」のよさ、そこから見える人の共同、地域の役割の大切さ、地球環境問題まで通じる題材であり、環境・道徳学習の絶好の材料となる。高知市への愛着、誇りも醸成される。
 有害な同和啓発や「道徳」の押し付けはやめて、環境部、住民らが講師になり、環境・道徳学習の柱とすれば大きな学習効果をもたらすだろう。
 
 これこそ他の自治体では出来ない「高知らしさ」「を発揮した取組みである。

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Comments

私個人の意見ですが…
本当に本当に高知市が財政危機として考えたら、
ゴミ有料化は仕方ないと思いました。ゴミは誰でも出すので、(税金負担が公平。固定資産税の税率負担に比べたら)公平に納税できる。
でも、公務員にボーナスを出す余裕がある
と、いうことは財政危機ではない!
なので、ゴミ有料化には疑問です。
しかも、今の無料でも、ゴミ袋が有料になっても、ルールを守らない人は守らない。「なんでゴミ袋買わないかんの?」っていう人増えます…
指定の袋じゃないと回収しない=ゴミステーションにゴミが残り、汚なくなる。
のでは…?!

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