新自由主義への抵抗・反発する若者 08年国民性調査
5年毎におこなわれている調査。今回は、小泉「改革」が猛威を振るい、そして破綻する03~08年の調査。
日本人の国民性調査 統計数理研究所
日本人意識「貧しくなる」が57% 過去最高、08年国民性調査 共同
「結果のポイント」から若者の動向を見ると・・・
経済・暮らしへの不満、イライラを抱えながら、家族を大切に、人のためになる生き方をしたいが若年層で最高になるなど、選挙をつうじた意思表示の強まりなどに・・・個人を徹底してバラバラにし商品化する新自由主義への抵抗、派遣村・蟹工船ブームに見られる行動することへの共感、07参院選の結果など情勢の反映を感じる。
そして、未来をつくる確かな道筋を探し出した時、大きなエネルギーが発揮されると確信している。
少し、小見出し、注釈をつけて紹介すると・・
1低迷を続ける「日本経済への評価」
「過去20年間の日本人の意識で最も顕著な変化は、1993年から1998年の間に起きた「社会に対する悲観的な見方」の急速な浸透であり、それは日本人の「自信喪失」ともいえる現象であった。」
「経済力」"非常によい”あるいは"ややよい 93年73% 98年32% 08年37%
「生活水準」は同じく。74%→53%→49%
「ひとびとの生活が今後“豊かになる”という人は2003年の14%からさらに減って11%と過去最低となり、逆に“貧しく”なるという人は03年の47%から過去最高の57%へと増加した」
2 「いらいら」した若者の増加
「この「いらいら」の 回答は各調査回で若年層ほど多くなっており、 特に20歳代(63%)や30歳代(62%)では今回はじめて6割を超えている」「より細かく見ると、1993年から1998年にかけての増加は全年齢層で起きたが、2003年から2008年にかけての増加は、40歳代までの年齢層で起きていることも指摘できる。」
→ 99年に、派遣労働が原則自由化している。
「仕事や職場に満足な人が、いらいらに“かかったことあり”と答える割合が33%であるのに対し、不満な人がそう答える割合は倍以上の73%である。同様に図を見て、生活全体に不満を抱え、経済状態についての不安感も強く感じている人ほど、いらいらを回答しがちであることが分かる。」
→ 過度な競争社会、雇用・暮らしの悪化が原因だろう
3 職場の人間関係を見直す動き
「給料はいくらか少ないが、運動会や旅行などをして、家族的な雰囲気のある会社”につとめたいとする20歳代は、1973年の76%から2003年の35%へと半減したが、今回の2008年は45%へ10ポイント増えている。」
→ 個人を徹底的に商品化する新自由主義への拒否感か…
4 精神的な充足や心のよりどころの模索
・一番大切なものは家族
「あなたにとって一番大切なもの」 は“家族”が46%と最も多く、その割合も過去最高となっている
・人のためになる生き方したい・・・若年層で過去最高。
「“自分の好きなことかどうかはともかく、人のためになることをしたい”人の割合は、20歳代で43%、30歳代で52%といずれも過去最高の値となっている。40歳代以下の年齢層では2003年からの5年間で、この回答の伸びが顕著である。
・あの世を信じる 20代で半数 合理的解決の道筋の模索?
「あの世」を“信じる”という人は1958年の20%から50年を経て2008年は38%へと倍増しており、特に20歳代では49%と半数近くが“信じる”としている。
5選挙を通じた意思表明への志向
「この5年では、主に選挙を通じて何らかの意思表明をしたいという方向への意識変化が観察される」
政党支持なしは1953年20%程度→ 03年には6割。この5年では5ポイント程下がり55%
・社会に不満があるときは選挙で・・ 過去最高に
「社会に不満があるときにどうするか」 “何もしない”という回答は1988年の46%から1993年の34%に急減したあとも着実に減って28%となる一方、“選挙で考慮する”という回答が42%から支持を伸ばして半数を超える55%と、過去最高を記録」
→ 07年の参院選で、自公政治に変わる政治の中身を探求する新しい時代、新しい政治のプロセスが始まったことが影響しているに違いない。
6 回復へ向かう「科学技術や芸術への評価」
・日本の「科学技術の水準」 “非常によい” 1993年の46%から1998年は24%と半減したが、今回は35%へ。
・日本の「芸術」が“非常によい”は、1998年の7%から2008年の13%へほぼ倍増、“非常によい”と“ややよい”を合わせると72%で過去最高。
・今回はじめて調査。もう一度“日本に生まれてきた い” 77%、“よその国に生まれてきたい”人は2割に満たない。
【日本人意識「貧しくなる」が57% 過去最高、08年国民性調査 共同】
文部科学省所管の統計数理研究所は16日、日本人の意識を5年ごとに探る「国民性調査」で、今後の生活が「貧しくなる」と答えた人が57%、社会への不満については「選挙で投票するとき考慮する」という人が55%に上り、いずれも過去最高になったと発表した。
「1カ月以内にいらいらしたことがある」と答えた20代、30代も初めて60%を超えた。研究所は「閉塞(へいそく)感が強まっている。変化を求める流れがあるのではないか」と分析している。
調査は1953年から行われ、12回目。昨年10~11月、全国で20歳以上の6400人を抽出し、52%が面接で答えた。
人々の生活がどうなるかを尋ねた質問に「貧しくなる」と答えた人は、78年が25%だった。20年ぶりに同じ質問をした98年には50%で、今回は2003年調査の47%から10ポイントアップした。年代別で最も増えたのは30代で16ポイント増の59%だった。
「社会への満足度」は横ばいで30%と低い傾向。不満がある場合に「選挙で考慮する」人は、過去最高だった98年の51%を超え、55%(03年比9ポイント増)になった。
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