貧困実態 45年ぶりに調査へ
調査すらしてないということは、政策課題になってないこと・・・貧困問題に取り組む関係者から強く求められてきた実態調査。1965年以来、45年ぶりに、ようやく一歩動きはじめた。
貧困実態を調査、不況受け厚労省 1960年代以来の実施 共同7/30 ただ調査を、母子家庭や高齢者の世帯、ホームレスにしぼるべきではない。非正規雇用が青年の半分にまでひろがっており、教育への影響、世代間連鎖の問題も含め、量も質も本格的な調査を行うべきだと思う。
不況だからというのではなく、日本社会の構造的問題を明らかにするために、継続的な調査で、本格的に「反貧困」に取り組ませるよう、声をあげていかなくてはならない。
こんな報道もされている。
親の年収が大学進学率左右 200万円未満は28% 朝日7/31
出生によって希望格差があるというのは、憲法違反である。
いま「学校から見える子どもの貧困」という本を読んでいるが、事務職員の方々が書いただけあって、予算の調べるポイント、改善のポイントなどが極めて具体的で、おおいに勉強になる。
また、今後の取り組みに活かせるよう、まとめてみたい。
【貧困実態を調査、不況受け厚労省 1960年代以来の実施 共同7/30】 厚生労働省は30日までに、不況で生活が厳しくなっている低所得の母子家庭や高齢者の世帯、ホームレスらを対象にした貧困の実態調査を、2010年度に実施する方針を固めた。 政府は高度成長期だった1960年代前半以降、低所得の世帯に関する広範で詳細な調査、分析は行っておらず、一部の市民団体や有識者らは「40年以上も貧困の実態解明を怠っている」と批判していた。 大村秀章厚労副大臣は、雇用、経済情勢の悪化を踏まえ「貧困、格差が課題と指摘されており、今後の取り組みの参考にしたい」と調査実施を事務方に指示。民主党も母子家庭などの生活状況を詳しく調べるよう求めていた。 厚労省は、10年度予算の概算要求に調査に必要な予算を盛り込む考え。 厚労省が世帯ごとの平均所得や人員構成を調べるため毎年実施している国民生活基礎調査のデータを活用する。例えば、低所得で生活保護を本来受給できるのに受けていない世帯などのデータを詳しく分析することを検討している。 (共同)
【親の年収が大学進学率左右 200万円未満は28% 朝日7/31】 年収200万円未満の家庭の高校生の4年制大学進学率は3割に満たず、一方で1200万円以上の家庭では倍以上の6割強に――。東京大学の大学経営・政策研究センターが調査したところ、保護者の収入が多くなるほど右肩上がりに大学進学率が高くなることが確認された。国公立大では所得による差はあまりないが、私立大への進学で大きな差がついていた。 子どもの受ける教育や進学率が、親の所得差によって影響され、「教育格差」につながっているとして社会問題化している。調査は、こうした実態を探るためで、05年度に全国の高校3年生約4千人を抽出して3年間追跡した。保護者から聞き取った年収を200万円未満から1200万円以上まで七つに区分し、進路との関係をみた。 それによると、最も低い200万円未満の層の4年制大学への進学率は28.2%。600万円以上800万円未満は49.4%、800万円以上1千万円未満は54.8%、1200万円以上だと62.8%に至った。 進学先をみると、国公立大は年収600万円未満はどの層も10%強、1200万円以上でも12%強と大きな差はない。他方、私大進学の差は顕著で、200万円未満は17.6%、600万円以上800万円未満は36.8%。1200万円以上では50.5%で、200万円未満の2.9倍になった。 国立大の年間授業料は平均約54万円、私立大は同約85万円。大学は「全入時代」を迎えたとされるが、所得が低い家庭では、国公立大以外に行きづらい様子がうかがえる。センター長の金子元久教授(高等教育論)は「このままでは大学教育を受けられる人が所得の階層で固定化してしまう。進学したくてもできない人を支援するセーフティーネットの政策をつくる必要がある」と指摘している。 一方、就職率は進学率の傾向と表裏の関係になっている。200万円未満の層は35.9%だったが、年収が高くなるほど率は低くなり、1200万円以上では5.4%だった。 文部科学省の調査では、06年春の高卒者の4年制大学への進学率は45.4%。総務省の家計調査では、同年の勤労世帯の平均年収は約630万円だった。
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