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高知一区討論会

 昨日(7月22日、高知市のかるぽーと)、高知青年会議所主催の高知一区予定候補者の討論会がありました。出席者は、田村久美子(民主党)、福井照(自民党)、春名なおあき(日本共産党)、桃田妙子(幸福実現党)/50音順。
・数百名。幸福実現党が一番動員をしていたように感じた。
・二分間の自己紹介・アピールのあと、4つの設問(経済対策、社会保障、道州制、官民協働)について討論。・討論形式は各テーマ毎に、一回目に3分間発言、一巡して、2分間の反論・補足の発言、という形式でした。
 反論・補足部分があり、なかなかおもしろかった。
以下は、私のメモからの各氏の発言の中心的内容と私の感想(「メモ」部分)・・・

1.高知経済。景気対策
・春名「高知県経済は深刻。原因は自民党の経済政策が輸出型大企業優先、暮らしないがしろにしたから。若者の半分がパート・アルバイトです。製造業だけで120兆円の内部留保があるのに雇用を守らない。小泉改革で年間13兆円増。くらしが冷え込んだ。日本経済の55%は家計消費。ここをてこ入れしないと景気は回復しない。 国が進めてきた三位一体改革で高知県は400億円交付金が減額、高知市も26億円減額。生活に必要な事業もできない。公共工事もピーク時の4割。社会保障、地方切り捨ての震源地は財界。ここにものが言えないと経済はただせない。」

・田村「国全体の経済対策。生活がよくなれば経済がよくなる。民主党は今後2年間に21兆円の財政支出を行い、景気回復する。家計で使えるお金を増やす。子供手当てを月額2.6万円支給。高校の授業料を無償。医療・介護で安心をつくる。内需主導型に変える。地方の政策を支える。農家への所得補償、高速道路の無料化は遠隔地の高知にプラスとなる。医療・介護はすぐに雇用にむすびつく。

・福井「これからは農業。ネクタイをして世界を飛び回り商売をする。青森のりんごが1個2千円で上海で売られている。日本酒も売れている。台湾、香港、中国、ロシア。日本の農産物や食品は人気がある。沢山つくりブランド力をつける。高知の農産物や食品は美味しい。海外で販売する戦略を立てる。公共事業で観光地をつくる。観光ではユーラシア・プレートの東端が高知。しゅう曲した地形が特徴。ここへアジアの観光客を呼び込む。国内相手だけではダメ。外貨の獲得を。

・桃田「消費税・相続税、贈与税の廃止。中小企業にとって消費税の負担が重たい。廃止すれば経済が活性化する。金融緩和する。農業の規制緩和。民間が参入をしやすくする。交通革命。高知にリニア鉄道を引く。九州から高知そして関西への南ルートをつくる。

★反論、補足
・春名「ものづくりが大事。製造業、建設業など応援。国の中小企業への対策費用は年間1890億。1社あたり4万円。これを最低1兆円に、販路拡大、新商品拡大すすめる。農業。いつやめるかという深刻な状況。価格保証と不足払いを実施し経営を安定化させる。農産物の自由化をストップする。汚染米・事故米は全部輸入米。介護、医療。福祉は産業政策として重要。高知市で7人に1人が福祉の現場ではたらいている。

・田村「国がおしつけてきた土木型、箱物行政で借金を増やしてきた。知事会が国の直轄事業の地方負担金支出を中止せよと主張していることでもわかる。国にお金をもとめるやり方から国と地方自治体を対等にし、地方分権すすめる。自治体が独自色をもちながら自立する。

・福井「NHK連続ドラマ「つばさ」の舞台になっている埼玉県川越市の古い町並み。これも公共事業で町並み整備をし観光地となった。首里城、ダイヤモンドヘッドも公共事業でつくった。四国88箇所を整備し、まずアジアの世界遺産にする。ユーラシア・プレートの自然を公共事業でつくる。」

・桃田「民主党のばらまき予算。子ども手当てを増やすが扶養控除など増税があるのも疑問。18兆円をばらまくとの事だが、税収も減ってゆり、それはやがて増税になるのではないか。」

【メモ】
・中小企業の役割、農産物輸入自由化ストップと主張したのは春名さんだけ。
・「バラまき・増税につながる」という民主批判について、その後の討論の中でも反論はなかった。
・民主の主張には「国は悪く、地方は正しい」という前提があるが、財政危機は、地方が引き込み、拡大した面もあり、地方にまかせればよくなる、という根拠はない。

2 社会保障制度、公共サービスの維持
・桃田「人口増加しかない。2030年に3億人国家にする。生めよ増やせ1億、移民も受け入れる。年金の財政はどうなっているか。説明責任をはたさせる。福祉では、法で規定した一律の制度でなく、人を中心にした柔軟な枠組みにする。現場に責任もたせ、規制緩和する」

・福井「アメリカは国民皆保険がない。80年前同じくはじまった日本は皆保険が当たり前。日本は世界一の福祉国家。5%の消費税でまかなっている。福祉には北欧型の高福祉高負担。米国型の低福祉・低福祉。日本は5%の消費税で高い福祉を目指している。一番の危機は少子化。日本は崩壊する。自公政権は変わった。従来人生後半の社会保障から、人生前半の社会保障もやるように変わった。母子検診の無料化。就学前児童への支援。」

・田村「個人的見解だが、別の次元での議論が必要。ともにささえあう社会。国か誰もが安心して生きられることに責任を持つ。小泉政権以後、社会保障ひどくなっている。後期高齢者医療制度、障害者自立支援法も年金も採算性が優先されている。財源も問題が出てくる。一般会計と特別会計の220兆円の予算組みの中にムダ使いがあるはず。必ず財源が出てくる。まずは国民がどんな社会を選択するのか、国の基本を決めることが必要。採算性を重視するのか。命を大切にする社会か。命を大切にしない社会では子どもも海育てられない。

・春名「月4万数千円の年金から介護保険料と後期高齢者医療費を差し引かれたら生活できない。障害者自立支援法で作業所にもいけない。多くの県民が苦しんでいる。後期高齢者医療制度を廃止し、75歳以上の医療費は原則無料。OECD30カ国のうち半分で医療費が無料化。最低保障年金をつくる。資格要件も10年にする。財源問題が大事。消費税は弱い人に負担の重たい税制。まず食料品は非課税に。10年前とくらべ、大企業、おお金持ちの払い税金は7・6兆円減っている。回復する。軍事費を削減する。米軍1人800万の思いやり予算は廃止する。

★反論、補足
・桃田「大金持ちを支援する。心の無い福祉は受けたくない。相続税を廃止する。財産を子どもに残せない。国は補助制度でよい。」

・福井「社会保障は社会が保障する。いつか国に丸投げするようにかわった。日本が大家族にもどるかと役人にきいたら『年金制度をなくせばよい』と。いきすぎた。本来日本人が持っていた大家族、地域コミュニティを復活させるべき。」

・田村「国政をめざす原点は介護の現場。高齢者が安心してくらせる社会に。しかし、介護の現実はなまやさしくない。家族だけで支えることは厳しい。個人では支えられないところを社会全体で見ていく。そんな社会が子どもも多くなる。」

・春名「半数が非正規で年収200万で結婚できない。これでは少子化対策は進まない。子育てを支える仕組みも大事。財源にことでは、消費税は213兆円の収入、大企業の税金は182兆円少なくなっている。減税の穴埋めに使われた。経団連の会長は消費税上げて法人税下げよ、といっている。こういう横暴勝手に毅然とモノが言えないと子どもも福祉も守れない。」 

【メモ】
・非正規雇用の働き方、青年の生活に切り込んでいるのは春名さんだけ
・財源を明確にしているのは春名さんだけ。民主は「ムダ使いがあるはず。出でくるはず」
・民主党は、05年の介護保険改悪(介護予防導入、食事・室料の自己負担)に賛成している。

3 道州制
・福井「東国原知事や橋下知事が地方分権を盛んに言っている。地方分権の時代だが、道州制むつかしい。だいじなのは市町村の基礎自治体。国民年金、自治体から社保庁に移して徴収率が低下した。原理主義者の失敗。国、県、自治体の役割を分断した失敗。地方分権は融合型。同じことをそれぞれやる。州の役割は、経済に「特化」した自治体。将来、それをつくる。高知市役所もっと住民にやさしく、きめ細かく対応できる充実をする」

・春名「道州制度には反対。平成の大合併でどうなったか。春野、鏡。役場は遠くなり不便ななった。何もいいことがない。道州制になれば高知県は切り捨てられる。道州制の考え方。国は外交、防衛に特化。それ以外は道州で。憲法は、どこに住んでいても最低の文化的な暮らしは保障する。それを国と地方自治体で支えていく。道州制になれば「貧しい自治体は貧しいなりに」。国の責任放棄につながる。核廃棄物処理場、米軍基地の設置は、国の仕事、自治体に口出しはさせないとなる。軍事優先の国づくりにも直結しいている。地方分権というなら、無条件に地方に財源を譲渡すべき。交付税を大幅削減してなにが地方分権か」

・桃田「慎重なスタンス。国防の問題、北朝鮮のミサイルが320日本を狙っている。背後の中国のミサイルもすべて日本に標準を定めている。国防面では中央集権が必要。効率の問題。もう1つ新しい政府が出来、決定のスピードが遅くなる。役職もでき公費がつかわれる。地方分権は必要。道州制の前提には、公務員制度改革、北朝鮮と中国が民主化されることが必要。地方分権で財源・権限委譲する。財源の無駄遣いなくす。小さな政府をめざす。民間が自由に活動できる国にする。」

・田村 道州制にはどちらかと言えば反対。民主党は当面は都道府県の枠組みを維持する。道州制で行政の範囲が広域化する。住民にとって行政が遠いモノになる。社会保障で地域毎の均衡がとれなくなる。基本的な議論が必要。民主党は、道州制の前に、中央集権か地方分権に移行すると主張。基礎自治体が大事。ひも付きの交付金をやめ一括交付金にし地方の自立を支援する。

★反論・補足
・福井「知事が力をつけたいという地方分権であってはならない。住民のとっての地方分権。国と県と市町村のあり方を議論すべき。三位一体改革は失敗を繰り返さない。税源というがあるのは東京だけ。もっと国から交付金とってくるほうが高知県にはよい。消費税5%のうち1%は地方消費税。1%は交付金で地方へ来ている。計2パーセントは地方にきている。」

・春名「国会議員の時、3300の自治体を1000にする方針、1万人以下の自治体なくすことに対決した。住民自治と団体自治を守ること大事。特に住民自治。道州制になれば、知事も県議会もなくなる。高知は2~3の市になる。住民の声も届かなくなり、自己決定もできない。田村さんに反論。ひも付き補助金廃止というが、19兆円の国庫補助負担金のうち、長義務教育、生活保護費、医療と介護などが8割占めている。それを4.3兆円減らせば大変なことになる。財源なら、大企業への減税の見直し、軍事費の削減、政党助成金を廃止する」

・桃田「地方を元気にする。公務員はサービス業。まず、地域の活性化が仕事。それで税金を払いたくなる。今は税金ありき。成果主義賃金もふくめ。公務員制度改革を断行する。」

・田村「春名さんの財源問題の指摘。民主党は税金の使い道全般の改革をする。220兆円のお金をどう使うかの中で、教育、福祉は守る。ひも付きの補助金が高規格道路の負担金となってあらわれている。使い方、規格を決めないことで、地方にあった財政の使い方ができる。」

【メモ】
・道州制の戦争国家、福祉切り捨てという本質を語り、明確に反対したのは春名さんだけ。
・民主党 07年マニュフェスとまで「国と300自治体」という基本構想をもっていた。今回、修正している。国庫負担金の大幅減で教育、福祉が大変になるという指摘に「全体でなんとかする」と、納得できる回答ではなかった。

 4 「官民協働」の必要性
・田村「ともに支えないといけない。国と地方あわせて1千兆円の借金。子ども孫ら押し付けることできない。効率的な運営が必要。高知市は市民と市役所が協働してふれあい収集をしている。日本の中で成功例。年間4億円の削減となっている。高齢者へのボランティア、子育てサークルの読み聞かせ。それが節税と、安心・安全のまちづくりにつながる。」

・桃田「官は国民の代表。国民が株主。政府が経営している。経営失敗したら政府が変わること必要。政府の仕事の民間委託すすめる。民間市場を開放する。公務員の中に民間の能力主義を入れる。役所の仕事は遅い。官に顧客マインドもたし、官の意欲を引き出す行政改革する。」

・春名「今日の政治参加の集会、地域のボランティアなど青年会議所さん取組み、官民協働の好例。民の1つは中小企業。大事な役割。雇用守る、社会への貢献を経営の理念としている。経済波及効果も高い。ここを応援する。官民は対立してはいけない。官をゆがめている通達行政はやめさせる。公務は大事な仕事。住民の安全を守る、民間の力を生かす役割を発揮させる。官も民も充実させる。高知市のゴミ行政の有料化。共同をこわすことになる。やめさせる運動をしていく。」

・福井「日本の1番の財産は市町村役場。基礎自治体。コミュニティの隅々の入り込み、人生を助けてくれる。官と民の対立ではなく、市町村の基盤を充実させる。子どもを見守っていた地域の酒屋、駄菓子屋さんがなくなった。かつて英国は規制緩和をしすぎて地域の店がなくなった。過ちを認め郊外の大型店をすべて規制した。間違いは直す。180度の変更も。官から民が行き過ぎた。今、民から官への時代。自民党はその勇気を持っている」

★反論・補足
・田村「郵政民営化で大きな議席を問え自民党。官から民へが間違いというなら政権を変わるべき。協力したいと思う官にする。官は1人でできないことすることが目的。その官をつくるため政治家が住民のために仕事しているかが大事。だから選挙が大事」

・桃田「政治が理想をとりもどすことが出来るかどうか。政治家が子どもにどう映るか。信頼できる政治家、政治をとりもどす。立候補者は政策を堂々と訴える。これが官民一体の出発点。」

・春名「民主党は、官僚主導の打開と言うが、官僚が1人歩きしているのではない。高級官僚の天下り、政治家の口利き、企業献による金政財官の癒着が問題。このトライアングルが一番の問題。天下り禁止、企業。団体献金禁止が絶対必要。自民党も民主党も経団連に通信場をつけてもらって企業献金をわたる仕組みができている。こんなしがらみたて、いつでも国民と歩む、清潔な政治にしないといけない。」

・福井「日本人はすばらしい。手話の幸せは家族の幸せを見ている古老のしぐさ。欧米は自分主義。日本人の村落共同体、原点に戻すこと大事。国家公務員法を改正案。首相官邸に200人の国家戦略スタッフを常駐させ横割りで国民生活支援を行う仕組みができている。それを次ぎの政権でも実現してほしい。」

【メモ】
・郵政民営化 ~05年の民主党政策「本物の郵政改革『官から民へ』 郵貯・簡保を徹底的に縮小し、郵便事業は全国一律サービスを維持します」と、「小泉案」を「本当に民営化か」と批判していたのだが・・・。
・政官財のゆちゃくにズバリメスをいれる発言は春名氏のみ。
・民としての中小企業の役割を評価、解明したのも春名氏のみ。

 最後・1分スピーチ
・桃田「60日前に政党結成。300選挙区とすべての比例区に候補者を出した。消費税、相続税を廃止する。国防問題。憲法を変える。北朝鮮にはっきり物を言う。民主党のように融和政策でなく、日本人の命を奪うようなら先制攻撃も辞さない、との決意をしめさないといけない。国を変える。」

・福井「県の産業振興政策。県民総ぐるみ。そこが大事。全員で考え、子供たちに大事なものを伝えていく。共同体のあり方を実現していく努力していきたい。」

・春名「新しい幕開けの選挙。進路を有権者が切り開く選挙。進むべき道として、安心して生きているまともなルールある経済社会。軍事同盟はもう古い。憲法9条掲げた平和外交で世界から尊敬される日本をつくることに努力したい。」

・田村「政治は国民の不安を解消するのが原点。夢を語るのも大事だが、現実はきびしい状況。自民党の構造改革でひどくなった。国民の暮らしに光を当たる政治をつくりたい。政権交代で共に支えあう社会をつくりたい。」

【メモ】
・自民党・福井は、負けることに「悟り」をひらいたかのように、夢や持論を展開。
・幸福実現党は、規制緩和、先制攻撃論など、右からの攻撃で、自民党を支えるともに、民主を財源、外交・防衛問題で批判している。話というか、アジテートになれている感じ。
・民主党、改憲・外交、消費税、大企業減税、軍事費について言及なし。財源問題は、「予算の組み替えでムダを排せば財源は出で来るはず」に終始している。

~ ある保守系政治家関係者の方が「やっぱりいちばんまともなの春名さん」と帰り際に話をされていました。

PS 
 昨日参加してなかった橋本氏が今朝、私の仕事場の前で演説をしました。「民主の風は、無所属には逆風」
「経済を立て直すためには、グローバル社会では、国際的な働きかけに国が力を集中する。地方のことは地方分権で行う。国のあり方を変える必要がある」「近いうちに、政界再編の新しい動きが起こる」「知事として16年、高知の課題、問題点をつぶさに見てきた。国政に反映させる」というようなことを主旨の話でした。

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