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外国農地争奪  その前に日本がすべきこと

 「これは有益な外国投資なのだろうか、それとも新植民地主義なのだろうか?」(エコノミスト)…「金を出しても食料が手に入らない」という事態に対し、外国農地の争奪戦が話題になっている。それに日本も参戦する。
アフリカでの土地取得は貧しい人々にとってリスクとなる FAO
国際食料政策研究所 外国土地投資行動規準 投資相手国からの輸出禁止も 4/30 農業情報研究所
外国農地争奪戦 アウトソーシングの第3の大波(英エコノミスト誌 09年5月23日号)

 この農地争奪は、実は、 土地の争奪でなく、実は「水の争奪」であり、集約的農業生産が、生物多様性、炭素ストック、土地・水資源への脅威になるとの指摘がある。
国際食料政策研究所は、環境的持続性や食料危機の場合の輸出禁止なとのルールを定めるべきとしている。

 日本政府も、4月に農水省と外務省が「食料安全保障のための海外投資促進に関する会議」を発足させ、外国農地の確保に動き出した。
 しかし、一方で、長年、市街化区域内の農地に宅地並の課税を強いて農地つぶしを進めてきた。91年に、30年以上営農を続けること、協定などで一定面積を確保出来た場合に指定できる「生産緑地」以外は、宅地並み課税にする法律が、日本共産党以外の賛成で成立している。
 食料の確保、地盤保持や保水などの働きによる災害の防止、都市環境の保全などのためも農地は有効である。中山間地の耕作放棄地対策を含め、国内農業の再生こそやるべきことだろう。

【アフリカでの土地取得は貧しい人々にとってリスクとなる FAO】 ―- 初の詳細な調査が農村社会への影響を警告するが利益をもたらす可能性もあると指摘 2009 年5 月25 日、ローマ‐初の詳細な動向調査によれば、大規模な土地取得がアフリカなどの大陸で増加しており、もし適切に行わなければ、貧しい人々が立ち退きを強いられたり、土地、水などの資源へのアクセスを失ったりするリスクが高まっている。

この調査報告書は、FAOと国際農業開発基金(IFAD)の依頼で国際環境開発研究所(IIED)が実施した。調査報告書は、土地取得取引は多くのチャンス(保証された販路、雇用、インフラへの投資、農業生産性の増加)をもたらす可能性があるが、同時に、もし現地の人々が土地配分の意思決定過程から除外され、彼らの土地への権利が保護されない場合には、甚大な被害の原因ともなりうると警告する。

同報告書はこれまで土地争奪と定義づけられてきた事象について見られるいくつもの誤った概念を強調して報告している。調査により、土地に対する投資は過去5年間増加していることがわかった。しかし海外からの投資が圧倒的である一方、国内投資家もまた土地買収に大きな役割を果たしている。
民間取引のほうが政府間取引より一般的だが、各国政府も様々な手段を用いて民間取引を間接的に支援している。

食料とエネルギーの安全保障の懸念が鍵となる推進力だが、ビジネスチャンス、工業用農産物需要、受入国の政府機関などその他の要素も関与している。実際にはどの国でも、大規模な土地獲得は農地のわずかな一部にとどまっているのだが、広範に広がっている見方とは逆に、農耕適地のほとんどは地元の人々に既に利用されていたり、利用権が主張されており、非常に小規模な「空いた」土地しか残っていない。

報告書により、多くの国で地元の権利を保護し、地元の利益、生活と福祉を考慮する充分なメカニズムがないことがわかった。契約交渉における透明性の欠如、チェックと均衡性の欠如が、公共の利益を最大限としない取引を促進してしまう可能性がある。不安定な現地の土地の権利、登録手続きへのアクセスの欠如、生産的利用条件のあいまいな定義、立法上の欠落やその他の要因があまりに頻繁に現地の人々の立場を損なう。
既存の土地の利用と権利を含む現地の状況を慎重に評価し、農村社会のために土地の権利を保障し、現地の人々を交渉に関与させ、自由で事前に十分説明された上での現地の人々の同意が得られた後でのみ、土地獲得を可能とする必要がある。

複雑な状況
共著者であるIIED ソニア・ヴァーミューレンとロレンツォ・コトゥーラは、 土地獲得と一言で言ってもその実情は非常に多様で土地争奪に関する包括的な声明は非常に誤解を与えやすいと注意をうながす。

「結局、国際的な土地取引が機会をとらえリスクを緩和するかどうかは、どのようなビジネスモデルが使われるか、コストと利益がどのように分配されるか、誰がどのようにこれらの要件を決定するかなどの取引条件による」とコトゥーラは述べる。
「適切な規制、熟練した交渉および公的な監視が必要だ。」「多くの国では、意思決定過程に地元の人を関与させる条項は欠如しているか十分に実行されておらず、これが土地やその他の資源へのアクセスを失うリスクの増加につながる」とヴァーミューレンは付け加えた。
「土地獲得の規模が誇張されているが、多くの国では外国に土地を与える協定は非常に多くの問題を抱えうる」と彼女は加える。

アレクサンダー・ミューラーFAO 天然資源管理・環境局長は、海外投資と大規模土地獲得を地球規模の食料安全保障の課題という文脈の中に位置づける必要性を強調する。
「この新しい傾向は最近の食料危機と食料価格の不安定性のひとつの結果である。世界の食料不安と世界的な投資の新たな課題には、適切な規制と広い見識を持った農業食料政策を通じて対応しなければならない。今回の調査は、社会、環境面をを含めすべての意味合いについての認識と投資決定をつなぐことの手助けとなるはずだ。 

土地統治のためのガイドラインの作成又は国際投資を規制する一種の行動規範が状況改善のためには有用かもしれない。FAO はパートナーたちと一緒に現在関連ガイドラインの作成に取り掛かっており、今回の調査はその過程の第一歩である。」「私は『土地争奪』という包括的な表現を使うのは避けたい」とIFAD 技術アドバイス部長ロドニー・クックは述べる。「正しく行うことができれば、これらの取引は関係者すべてに利益をもたらすことができるし、開発の手段ともなりうる。」「IFAD が毎日共に活動している貧しい女性・男性が二の次になってはならない」とクックは付け加えて述べる。「彼らの意見と利益が中心とならなければならない、そして我々は雇用、インフラ、農業技術など約束されるすべての利益が実現することを確保しなければならない。」

新たな研究
調査報告書、「土地争奪なのか開発の機会なのか?アフリカにおける農業投資と国際土地取引」には<エチオピア、ガーナ、ケニア、マダガスカル、モザンビーク、スーダン、タンザニア、ザンビアからの新しい研究が含まれる。
本調査は、FAO とIFAD からの協力と密接な連携の下にIIED チームにより行われた。FAO, IFAD,IIED および英国国際開発省により資金提供された。

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環境・農林漁業」カテゴリの記事

Comments

はじめまして。
只今修士論文でLand grabsの研究をしていましてこちらのブログにたどり着きました。

どうも日本はこの土地の争奪戦に乗り遅れてると言う報道のイメージがありますが、どうお考えでしょうか?
また、外務省のWin Winは可能だと思われますか??

最新ともいえるWBの責任ある農業投資の会議についてはどうお考えでしょうか??返信くださると大変ありがたいです。

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