定住自立圏 本当に有利?
そもそも定住自立圏は、「平成の大合併」のゆきづまりの手当てとして、道州制にむけ、権限委譲できる基礎自治体の拡大という狙いをもっている、ので基本は警戒している。
昨日の質問で、市長は「財政面、非常に有利」と県中央4市での定住自立圏構想をめざすことがのべた。
いくつか検証したい。
① まず、財政面で有利な「地域活性化事業債」だが・・その対象は、あらたな4市のビジョンにもとづく事業が対象となり、現計画にない新たな投資的事業が発生する恐れがある。
平成20年12月26日 定住自立圏構想推進要綱等について(総務省報道資料)
◆資料1 地域活性化事業債における「定住自立圏推進事業」の創設 協定又はビジョンに基づく基幹的施設や、ネットワーク形成に資する道路、交通、通信施設等であって、圏域全体で生活機能等を確保するために必要不可欠なものの整備に対し、地域活性化事業債を充当(90%)。元利償還金の35%を普通交付税措置(単独事業のほか、定住自立圏の推進の観点から優先採択等となった国庫補助事業等のうち、特に必要なものに係る地方負担分にも充当。)。 なお、圏域内の住民の利用にも供する施設を整備する場合、圏域内の他市町村の負担金について、当該市町村の住民の効用を限度として、地域活性化事業債、過疎債及び辺地債の充当が可能(それぞれ従前の取扱いの通り。)。
では、どんな事業が対象となるか・・
資料2 地域活性化事業債 【地域活性化事業のメニュー】 ・循環型社会形成事業 地球温暖化自然再生対策事業(低公害車導入、太陽光発電など) 国土保全特別対策事業(地球環境保全のための森林の整備事業など) ・少子・高齢化対策事業(歩道の段差切り下げ、リハビリテーション施設の整備など) ・地域資源活用促進事業 地域経済新生事業(ベンチャー支援等のための貸施設等の整備など) 地域を支える人づくり事業(地場産業後継者の育成・支援施設等の整備など) 科学技術振興事業(産学官の共同研究や連携強化のための施設等の整備など) 地域文化財・歴史的遺産活用事業(地方指定文化財等の修復・復元など) 集落再編整備事業(集落移転事業、季節居住団地整備事業など) ・地域情報通信基盤整備事業(公共施設等を接続するネットワークの整備など) ・都市再生事業(街区公園等の整備並びに運動広場等住民の利用に供される施設の整備など) 【財政措置】 ・充当率等 おおむね75% また、その元利償還金については、後年度、その30%に相当する額について、普通交付税の基準財政需要額に算入 ・特に推進すべき事業の充当率の取扱い 特に推進すべき事業として、少子・高齢化対策事業及び地域情報通信基盤整備事業において、各事業要綱に定めるものについては、さらに財源対策債15%を許可し、その元利償還金については、後年度、50%相当額を普通交付税の基準財政需要額に算入
となっている。
試算をして見た。
・定住自立圏に指定されると 1000万円の事業では・・・
地域活性化事業債を充当(90%)。元利償還金の35%を普通交付税措置なので
頭金100万円、起債900万円で、315万円が交付税措置
・通常の「事業債」では・・・
頭金250万円、起債750万円で、225万円が交付税措置
・そのうち少子高齢・情報通信では
さらに、起債150万円が起債でき、75万円が交付税措置で、計300万円。
で、遜色はなくなる。
よって、どんな事業をするのか、が重要となる。
「有利な起債」・・・・これが今の財政危機の要因となっている。
②高知市一市では不可能か
「定住自立圏構想の概要」
をみると、中心市の規定はこうなっている。
・昼夜間人口比率:1以上(合併市の場合は、人口最大の旧市の値が1以上)
となっている。旧高知市は1を越えている。
昼夜間人口100%以上の5万以上市(05年国勢調査)総務省
昼夜間人口100%以上の5万以上市(00年国勢調査)総務省
高知市一市で可能なら、現在のまちづくり計画とそんなに矛盾がない。
不可能なのだろうか。もう少し研究してみたい。
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