「三位一体改革で地方財源は増加」と財政審
財務省の諮問機関「財政制度等審議会」が3日に発表した意見書。
平成22年度予算編成の基本的考え方について
「景気後退に伴う税収減」と「一連の景気対策」で、「財政は急速に悪化」…だから。そして、社会保障の抑制や消費税増税が不可欠だ。ということだが、新自由主義にもとづく「構造改革」路線が外需依存のもろい経済と貧困の拡大を招き、国の借金も増やしてきたという大失政への反省はどこにもないのだが・・・
仕事から「地方財政」について、見てみたい。
「1.地方財政の状況」では
「国の財政に依存するという考え方は採るべきでない。」「国・地方の負担関係の基本を変更し、国がこれまで以上に地方の財政赤字を補てんする余裕は全くない。地方財政についても、「基本方針2006」の考え方を踏まえ、地方歳出の削減や課税自主権の発揮といった自助努力を基本として、中期的に財政再建を図っていくべきである。」
と、地方の仕事が憲法にもとづく人権保障としてなされているわけで、国がナショナルミニマムにどう責任をもつかという視点は最初からない。
「2.財源不足下における地方交付税等の在り方」
「三位一体改革の地方交付税削減により、地方の財政が厳しくなっているとの議論があるが、昨年11月の建議でも指摘したとおり、地方交付税の減は、地方税増加や給与関係経費等の歳出削減努力によるものであり、この間、総体としての地方において、一般財源はむしろ増加している」
“三位一体改革で地方の一般財源はむしろ増加している”という強弁にはおどろいた。高知に来て説明会をしてみたらどうか。きっと財政審とはどんなものか正しい認識がひろがるだろう。
「3.地方分権下における地方財政の在り方」
「地方分権にとって、国による地方の義務付け・枠付けの見直しは重要である。地方交付税による財源保障の背景には、国からの義務付け・枠付けの存在があることから、その見直しは、地方交付税の財源保障範囲の見直しに直結する。したがって、義務付け・枠付けの見直しに応じ、地方交付税の見直しが必要である。」
ようするに、まずしい地域には金をかけるな。まずしいサービスで当然、ということ。
「地方分権」をすすめる税源移譲により「地域間格差が拡大した」とし、税源委譲がさらにすすめば「地域間の税収格差は必然的に拡大する。さらに、地方税を増やしつつ、国民負担が増加しないようにするためには、地方交付税は縮小せざるを得ないが、そうなれば、地域間格差は一層拡大する。」「地方交付税を維持又は増額しつつ、地方税を増やすということであれば、国民負担の増加を求めることになる」と問題設定して、その「解決」として「水平的調整を拡充することにより、地方交付税をなお残る交付団体に重点配分することにより、地方交付税の増額(国民負担の増加)を行わずして、格差是正を行うことが可能である。」としている。
つまり、交付税の財源保障機能(ナショナルミニマムの保障につながる)をなくし、ある程度の水平的な調整機能だけにするというもの。
まずしい地域は、少し援助をするので、あとは自分でなんとかしろ。ということ。
まあ、どこまでも反省のない方々です。
資本家とは「資本の人格化」とは、マルクスの言葉ですが・・・ 「資本の魂」に反省をもとめても無理か。
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