「これ以上借金は増やせない」のトリック
高知市の財政問題説明会の資料。最初のページの囲みの中に書いている「この言葉」・・・これが「負担増はしかたがない」と思わせるための仕掛けである。
だいたい市の資料でも退職手当債を発行する。投資的経費の中てば当然、起債する計画である。さらに公社、3セクの整理のための特例債も活用したいと議会で答弁している。
なにを持って「これ以上借金は増やせない」といっているのかさっぱりわからない。
高知市は、公債費を除けば、健全で効率的な運営をしているのは、財政懇話会で、地方財政の専門家の小西先生からもお墨付きをもらっている。
その公債費は、2014年から中核市平均を下回って大きく減少していく。(2012年、13年が公債費のピーク・233億円で、2018年には149億円と、年84億円減少)
市は、5年間で、63~87億円足りないといっているが、不足額(ゴミ有料化を実施しない場合は、69~93億円)は、一次借り入れして、2014年移行で、対応すれば、新たな負担はいらない。
さらに「不足額」の中身の問題。
不足額は、投資的経費の額に対応している。しかし、その中身がはっきりしない。ここ5年間の65-70億円については、一応アバウトな数字を市長は説明しているが、2014年以後の財政が好転したあとの運営については不明である。
今後の財政運営で、大型事業の乱発を教訓にし、暮らしを第一にした、身の丈にあった財政運営をすれば、今、一次借り入れしてやり過ごせば、すむことである。
2014年以降、中心市街への大型投資とかをやろうとしているのなら、「財政危機をチャンス」として、今、スリム(行政サービスを低下)にし、新たな財源もつくろうという狙いと意味はよくわかる。
「夕張になる」という大うそもそうだが、こんな市民を騙すような「説明」はやめたほうがよい。
夕張になるわけない 高知市の財政危機の程度
真相が知れたときに、市民の怒りと市政不信を拡大するだけである。
◆市の説明資料の「新たな負担のお願い」について
推進する事業の量によって63~87億円の収支不足が生じるとあるが、だいたいこの不足額と、固定資産税の増税とごみ有料化による増収分とぴったり一致している。
固定資産税 0.1% アップの場合 63億円
固定資産税 0.15%アップの場合 87億円
つまり増税から逆算して不足額を出しているのであり、具体的な投資的事業の積み上げから不足額を出してないのがわかる。
「お願い」のページでは、投資的経費を凍結した場合の試算③がなくなっているが、最初から市民の選択肢から省いているのはいかがなものか。
(「新高知市財政再建プランの策定にむけて」を見れば、試算③は、投資的経費が年25億円しか確保できず、維持・補修に必要な34億円も確保できないというので、省いたのだろう。
しかし、これは一般財源で言えば、③の計画に年3億円プラスすると、起債を含め34億円の事業量を確保できる。2010-2013年で、12億円である。
消費的経費は②より年2億円強減らしており、「必要なサービスが維持できない」としている。この金額は、2010-2013年で9億円となっている。
よって市の言う最低のラインは、固定資産税増税せずに21億円を工面をすればできる。(ゴミ有料化をしない場合は、27億円である。)
だから市の考えを前提としても、不足額は「21~87億円が正しい。」
固定資産税 0.033%アップが対応することとなる。
これが当初から、固定資産税の「0.05%のパターンがないのは意識的」と指摘してきたゆえんである。
まあ、この点は、財政再建を、5年間でなく10年間で考え、一次借り入れも活用し、身の丈にあった運営を貫くという基本の話からすれば、枝葉の話ではあるが・・・・
« 産経 共産党が気になる? | Main | 小沢代表辞任 原因も辞め方も自民党と同じ »
「高知市政」カテゴリの記事
- 「よいところは継続」 桑名新市長の当初予算に賛成 日本共産党高知市議団‣声明(2024.03.23)
- キャンセルカルチャー 「大衆的検閲」の行く先(2024.03.13)
- 高知市長選 なせ岡崎市長の支援を決めたか(2023.10.04)
- 2023年3月 高知市議会メモ(2023.05.15)
- 生活保護 冬季加算「特別基準」(通常額の1.3倍) 高知市「抜かっていた」「速やかに実施」 (2022.12.28)
Comments