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国の経済対策 ~ 地方関係分の概要

 4月27日、都道府県財政課長会議が開催され、概要の説明があった。総務省のホームページに「補正予算に伴う地方負担の増加に対する対応」(自治財政課長内かん、4月27日付け)公表されている。また、5月1日の自治日報でも報道)。
 主なものは、「緊急雇用創出事業」の追加、「公共投資」と「経済危機対策」の両交付金、都道府県への各種の基金創設、特に、「経済危機対策」はソフト事業も含め何にでも出来る交付金。
 会議では「ここしばらく財政緊縮ムードで、急な方向展開に戸惑うと思うが・・」「経済がよくならないと財政もよくならない」(財政課長)・・・ よくも言えたもんだと思う。
多岐にわたり複雑で自治体の担当者も計画作成が大変と思うが(交付税をすっきり復活した方がよほどよい)… 有効に使わなければならない。関心のある部分を中心に少し整理してみた。

①緊急雇用創出事業    3000億円 (08年2次補正 ふるさと2500億、緊急1500億)
    二次補正の倍加。福祉部門などは雇用期間が一年に。 
  ・前回 県と市町村は、7.5億円ずつ。/ 今回は配分はまだ・・・
    
② 地方公共団体への配慮        2,379,0億円
◆ 地域活性化・公共投資臨時交付金   Ⅰ兆3790億円
 経済危機対策における国の公共事業等の追加に伴う地方の負担軽減 /直轄事業負担への批判が影響
「総額は、平成21年度補正予算に計上された公共事業等の地方負担総額の9割に相当する額」
「交付金の充当対象は、各地方公共団体が策定する地域活性化・公共投資実施計画に掲載された事業のうち地方単独事業の所要経費と公共事業等(法令に国の補助負担割合が規定されていないものに限る。)の地方負担分の合計額」であり、各地方公共団体の申請に基づいて、交付限度額を上限として交付額が決定される」

 この事業について4月13日の庁議の概要では、総務部の説明として
 「国の補助事業総額が10 億円の場合、県の負担が半分の5 億とすると、9 割に当たる4.5 億円相当が交付金として配分されることになるが、この交付金はこの事業には使えないことになる。この事業には、補正予算債を全額発行することで対応することになり、交付金の4.5 億円については、既存の他の事業に振り替える形を取ることになる。地方単独の投資的な経費に充当することができるので、公共担当部局は積極的に手を挙げていただきたい。」となっている。
 (補正予算債~ 100%充当され、全額交付税措置される)
 
・「地域活性化・公共投資臨時交付金は、当該地方公共団体の財政事情や地方単独事業の事業量、追加公共事業等の執行予定等に応じ、その一部を基金に積み立て、平成22年度以降における地方単独事業等の財源とすることも可能であること。ただし、経済危機対策の趣旨を踏まえ、早期の執行に努められたい」

・公共事業等の追加に伴う地方負担に対する財政措置
「地域活性化・公共投資臨時交付金とは別に、原則として、地方負担額の100%まで地方債を充当できることとし、後年度において、その元利償還金の全額を基準財政需要額に算入する予定であること」
  ~ ①の対象とならない事業についての対応

◆ 地域活性化・経済危機対策臨時交付金  1,000,000(百万円) (08年2次補正 生活安定6000億)
「地方公共団体が地球温暖化対策、少子高齢化社会への対応、安全・安心の実現、その他将来に向けた地域の実情に応じたきめ細やかな事業を積極的に実施するために必要な経費である。」
  ~ 高知県 全国4番目となる104億円、市町村98億円。
「平成20年度補正予算(第2号)により創設された「地域活性化・生活対策臨時交付金」と同様の仕組み(4月27日 自治財政課長内かん)
 ・ 学校の耐震化を措置(文科省) など利用したい。

③基金 都道府県に基金
◆地域医療再生・臨時特例交付金 3100億円  
 医療機関の連携、医師・看護師の勤務環境改善、大学からの医師派遣機能強化、基盤整備

◆介護職員待遇改善・〃     4773億円  
 処遇改善警戒を提出する事業者に、2011年度まで交付金を出す。

◆森林整備加速化・林業再生事業費補助金 1238億円 
 間伐、路網の整備。製材施設、バイオマス利用施設の整備などの事業を2011年度まで期間実施
 協議会設置。間伐・路網整備は定額。他はⅠ/2助成

◆地域グリーンニューディール基金   550億円 
 既存の「地球環境保全基金」に別勘定をもうけて拡充又は新設、2011年度までの間、自治体の計画に基づき、温暖化対策、不法投棄や漂着ゴミ処理の推進、アスベスト廃棄物やPCB廃棄物の処理などを実施する。

◆施設整備関連の基金
・医療施設耐震化・〃  1222億円 / 災害拠点病院、2次救急医療期間の耐震化
・社会福祉施設等耐震化・〃 1062億円/障害、児童関連施設など耐震化、スプリンクラー設置 3/4補助
・介護基盤緊急整備等・〃 2495億円 特別擁護老人ホームの整備やスプリンクラーの設置

◆その他の基金造成
・地域自殺対策緊急強化交付金 100億円 / 相談体制の整備や人材の育成 
・高等学校授業料免除事業等支援・〃 486億円/経済悪化による免除事業の増加分を措置
   就学援助、就園援助は、「経済危機対策交付金」で措置(文科省)
・地方消費者行政活性化交付金 110億円  基金の拡充
・障害者自立支援対策・〃  1523億円  基金の延長、
・高齢者医療制度円滑運営・〃 131億円 
 08年度に暫定的に保険料が8割5分軽減(本来7割軽減)をされたものの継続。年金収入が年80万円超~168万円以下の約200万人の軽減措置を継続する。
・森林整備地域活動支援交付金  31億円  定額

◆安心こども基金の拡充 1500億円(2次補正1000億円 県への配分5億円)
~ 基金額が小さいこともあるとみられるが、県の計画は、詰まってない
・保育所整備、放課後児童クラブ設置、認定こども園整備、保育ママの推進

* 拡充された部分
・ 私立保育所の耐震化補助
・地域住民、企業が行う子育て支援事業の施設整備、賃料補助。病児預かり事業支援など 
・ひとり親家庭支援 高等技術訓練時の給付充実(10.3万→14.1万。期間もⅠ/2から全期間に)等
・社会的擁護の充実 児童養護施設等の整備、備品設置の補助。自立支援ホームの設置促進

④都道府県課長会議で触れられたものやその他の課題
◆介護拠点の緊急整備交付金 3011億円(3年分)
・地域密着サービスに対する市町村交付金の拡充 
29人以下の特養施設、小規模ケアハウス、認知症グループホーム、小規模多機能型居宅介護事業所
・施設整備にかかわる都道府県に対する地方財政措置の拡充
 
◆「地域おこし協力隊」の推進
 意欲ある都市住民(若者等)を、地域社会の新たな担い手とする事業/09年度に300人程度3年後に毎年3,000人規模を目指す/1年以上3年以下、地域で生活し、農林漁業の応援、水源保全・監視等の地域協力活動を実施/地方自治体が受け入れ、協力隊員に委嘱。/一人あたり350万円(報償費は概ね200万。他、住宅、車両の借上げ、作業道具、研修などの経費)の特別交付金
・「生活対策臨時交付金」にもとづく基金や「ふるさと雇用再生特別交付金」を活用して地域おこし協力隊に取り組むことも可能。

◆過疎地域の集落再生事業 Ⅰ/2補助
(1)定住促進団地整備事業/ 定住を促進するための住宅団地の造成に必要な事業
(2)定住促進空き家活用事業/基幹的集落に点在する空き家の改修に必要な事業

◆第3セクター等改革推進債   損失補填の法的整備や解散・廃止に要する経費を対象/2013年度まで
  3セクの法的整備等に伴う損失補償、土地開発公社と地方道路公社の解散、不採算事業の廃止にともなう債務保証している公社借入金の償還、公営企業の廃止にともなう経費(地方債の繰上げ償還費など)

耕作放棄地再生基金 350億円
 用水路整備や、バイオマス(生物資源)利活用施設整備、森林整備・林内路網整備・木材加工利用施設を一体整備。都道府県で協議会をつくり計画策定。再生、土地改良、営農で10aあたり、それぞれ2.5~5万、2.5万、2.5万の交付金(一年)。水田等有効活用促進交付金と連携して使用できる。

◆ふるさと雇用再生交付金事業の活用について ~ 県内の状況から 
①ワーキングプアをつくらない 
 ~ たとえば、人件費率が決まっているが、7割で落札されたら、人件費の額も7割となる矛盾があり、最低制限価格の設定が急がれる。
  ・高知県契約規則~ 工事以外の委託契約でも最低制限価格を設定することが可能(10分の6から8の間)    現在も庁舎清掃、警備などには最低制限価格が設定
  ・政府内で「公契約」の動き 金子大臣国会答弁「下請け労働者の労賃の確保」
  
②地域提案型のとりくみを          
・県の66億円の基金のうち採択分は半分  市町村毎の予算の枠はきまってない。
・市町村の新規事業を、行政の事業として、民間などに委託する形式。元気な団体への補助ではないので、知恵が必要。いわゆるソーシャルワークのたちあげや、先述の「地域おこし協力隊」事業など、関係者と相談し、努力してください。
   
③求人登録の問題
   求人は、緊急雇用事業も含め、原則はローワークを通じて行われます。しかし、求人登録するハローワークが県内6箇所しかありません。改善が必要です。

◆DV被害者などへの定額給付金対策について    
 総務省定額給付金室長(5月1日の自治日報より)の発言より

 基準日までに、閲覧制限をかけて住民票を移してほしいとお願いしてきた経過をのべたうえで、
「重要なのは閲覧制限をしたはずの被害者が・・・移った先の情報が漏れてしますこと。これは絶対一件たりともあってはならない」と、閲覧制限をして住民票を写すことに危険が伴うことを述べている。

 そのうえで、
「二番目に、どうしても住所が移すことができないケースに対応するために各市町村の自主的な判断で…給付される事例を聞いている。前回補正予算の際の『生活対策臨時交付金』の充て事業でも構わないとお願いしている。新しい『経済危機対策臨時交付金』でも同様に対象事業に加えてもらえるよう調整を図ろうとしている」

 つまり、住民基本台帳の閲覧制限をかけても、なんらかの仕方で居場所がわかる危険性がある、また、少しでも危険性があれば、被害者は絶対移さない・・・そういうハードルの高さがあるので、「予算措置の中で対応を」と「お願い」し実質解決をはかろうとしていると理解できる。

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