高知市の財政再建策…多様な視点で
本日の地元紙に、県営工事負担金の軽減の要望を市町村議長会が行ったことが報道されていたが、市の財政再建プランについて、もっと複眼で考える必要がある。
とにかく公債費がピークとなるこの5年をどう乗り切るか、その間にも今後の市政にとっても重要な高知方式のゴミ収集、国保の独自減免など、数十年続いた市政の宝とも言える施策を守り、未来につなげる。弱者にこれ以上の負担増をもとめないなどのポリシーを明確にして考える必要がある。
市のプランは、負担増、サービス減、投資的経費の減の組み合わせしかないような話をしているがいろいろある。
以前にも書いた、第三セクター、公社の整理に対する特例債の活用が1つである。
投資的経費で言えば、「精査」は当然だが、学校、保育園の耐震工事の頭金に、住民参加型市場公募債(ミニ公募債)を活用することも危機回避の対応としては可能ではないか。
県との関係では、上記の負担金の問題もある。軽減だけでなく、高知市で言えば、猶予という方法もあるのではないか。年10億円は大きい。
全国的には、市が財政再生団体に落ち込まないように県が援助している例がある。滋賀と和歌山。
滋賀県が、栗東市に40億を3月31日に融資し、翌4月1日に返済させる(一次繰り入れ)という方法で救済している。
合理的理由でいえば、県都が役割を果たさないと産業振興計画の推進に支障をきたすとか、高知医療センターにかかわっては、県と市が対等に繰り入れしている。市民から見れば、市民税、県民税を払って、そのどちらからも支出という二重支出になっていることを当時も問題にしたが、その高知市の財政危機のピークを乗り切るための支援は、病院の経営安定化にも重要とか・・・理由がつくのではないか。
和歌山県が和歌山市に、3年・15億円を融資している。これで赤字比率を2%低下させる。
県の政治的な決断によっても、活路はひらかれる。
当然、国に対して、理不尽に削減した交付税の復活をもとめていかなくてはならない。
将来、どういう姿の市政にするか・・・子どもや障害者、高齢者などの弱者の権利を守り、市民との共同を大切にする、ソフト重視の市政運営という姿だと思うが・・・この5年間、我慢してくれというなら、その話も必要だと思う。
将来の投資的経費を確保するために、この期に乗じて徹底して減量、負担増をしておこう、同和・人権費も温存しようという発想でなければ、この5年をクリアーする方法は様々あると思う。
大型事業推進、同和温存という失政による財政危機であり、リコールに値する事態だと思う。
市民への説明会がはじまっていくが、その内容によっては、どう発展するか・・・
滋賀県、栗東市に40億融資 財政再生団体転落を回避 産経09.2.9 2009.2.9 23:07 滋賀県は9日、新幹線新駅建設の中止に伴い、財政状態が悪化している栗東市に対し、新駅建設のために県が積み立てた基金約40億円を緊急融資することを決めた。嘉田由紀子知事が10日午後、記者会見し発表する。 栗東市が実質的に国の管理下に置かれる「財政再生団体」への転落を回避するためで、市は3月31日に融資を受け、翌4月1日に返済する。 県は2月議会に基金条例の改正案などを提出する方針。 市は平成19年度末、新幹線新駅予定地周辺の土地区画整理事業で市土地開発公社が金融機関から借り入れながら返済できなくなった約47億円を肩代わりした。しかし事業の中止で回収できず、20年度末に実質赤字比率が20%を超えて「財政再生団体」となる可能性が出ていた。
和歌山県が和歌山市を救済へ 3年・15億円融資で再生団体転落回避 産経08.2.9 自治体財政健全化法の施行で新年度から財政破綻(はたん)の新たな数値基準が導入されることを受けて、“黄信号”の「早期健全化団体」に移行する可能性が高い和歌山市に対して、和歌山県は8日、3年で最高15億円を低利融資する方針を固めた。総務省によると、国の管理下に入る「財政再生団体」への転落回避を目的に都道府県が市町村に融資するのは異例という。財政が逼迫(ひっぱく)している自治体を抱える他の都道府県でも、こうした動きが広がりそうだ。 財政難に苦しむ和歌山市の市議や経済団体からの強い要望を受けて、県が支援策を検討していた。県が積み立てている「市町村振興資金特別会計」の資金を活用する。新年度から3年間、年5億8000万円の貸付枠を設定し、このうち同市への融資分が大半を占める。金利は0・5%程度となる見通しで、金融機関の融資や市債より低く抑えられる。 同市は過去に開発したニュータウンの分譲が進まず、土地造成事業特別会計の累積赤字が約70億円に上る。また、下水道事業特別会計も、下水道接続率が73・1%と低いために使用料収入が伸び悩み、約110億円の赤字を抱えている。市は今年1月から下水道使用料を4割値上げしたが、赤字解消のめどは立っていない。 県が同市の18年度決算を基にした試算では連結実質赤字は177億円に上り、赤字比率は中核市で最悪の23・3%となった。すでに早期健全化団体の基準値16・3%を超えており、このまま放置すれば、「財政再生団体」に転落する30%に迫る恐れがある。今回の県の融資を利用すると、3年間で赤字比率を2%下げられるという。 近畿では、実質赤字比率の基準により黄色信号が灯る和歌山市のほか、借金の負担を示す実質公債費比率(18年度決算での試算)で、兵庫県芦屋市など兵庫、奈良の4市町村が基準を超えるなど、全国では50程度の自治体が早期健全化団体の可能性があるとみられる。 ■ 自治体財政健全化法 北海道夕張市のような財政破綻を未然に防止するために平成19年6月に成立した。19年度決算から(1)公営事業を含む全会計の連結実質赤字比率(2)普通会計の実質赤字比率(3)実質公債費比率(4)将来負担比率-の4つの新たな指標を公表させる。20年度決算からは1つでも基準値を超すと、健全化計画の策定や外部監査を義務付けられる「早期健全化団体」に移行。さらに悪化すれば国の管理下で再建を進める「財政再生団体」となる。
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