「地方分権改革」とやらせ報道
道州制をめざす「地方分権改革」は、ナショナルミニマムを破壊し、大型プロジェクトの財源を生み出すという財界本意の国づくりをめざす基本戦略。今、その入り口になっているのが「国直轄事業の地方負担」と「二重行政」・・・ おおもとにある政治の姿勢の問題を、「制度」の問題にすり替えている。
そんな財界の主張にのるこの報道は、「やらせ」以外のなにものでもないと思う。
「これが二重行政の現場」…実はTBS依頼でやっただけ 朝日 4/26
国家レベルの計画も、地方の声をもとに進めるという姿勢があればすむことである。
憲法は、政府の暴走をおさえ、人権の保障を行うために中央政府と地方政府という二層構造で、それぞれに主権者が参加する奥深いシステムとしている。
制度の問題でないというのは、「崖の上のポニョ」の舞台としても注目されている広島県福山市・鞆(とも)の浦埋め立て・架橋事業では、国でさえ躊躇する景観破壊を地方自治体が進めようとしてい例から見ても、あきらかだ。
ポニョの“舞台”の景観論争と地方分権
「国=悪 地方=善」という描き方は、ブッシュの「テロとの戦争」や小泉「構造改革」でつかわれた手法とまったく同じである。
マスコミの最大のスポンサーは財界である。
そういえば、日立グループ企業の「エコ偽装」問題・・・マスコミは、ほとんど本格的な追求もされずスルーされている。謝罪会見すらなかった・・・
残業代未払い、偽装請負、派遣切り問題でも、謝罪会見があっただろうか。
「これが二重行政の現場」…実はTBS依頼でやっただけ 朝日 4/26 TBS系が今月11日に放送した「情報7days ニュースキャスター」で、国道と大阪府道の清掃作業をめぐり、通常実施しない清掃作業を業者に依頼し、国と地方の「二重行政の現場」として報道していたことがわかった。国土交通省近畿地方整備局が「事実誤認と考えられる」と指摘。TBSは25日、「行きすぎた表現でした。誤解を与えかねない表現になったことをおわびします」と同番組で謝罪した。 番組には、大阪府の橋下徹知事や宮崎県の東国原英夫知事らが出演し、国の税源移譲など地方自治についてビートたけしさんらと議論した。 問題のシーンは「これが『二重行政』の現場だ!」の字幕で紹介された部分。 府の委託で府道を清掃車で掃除していた業者が、国道との交差点の手前で車の回転ブラシを路面から上げて清掃を中断、交差点を渡るとブラシを下げて清掃を再開する。カメラが近寄ると清掃車の運転手が「国道と府道は違うからね。そこの分だけブラシ上げなあきません」と説明。 続いて「国道に差しかかると掃除をやめなくてはならない」「国道が通る交差点は国が掃除することになっているという」とのナレーションが入る。ブラシを上げたため、路面にゴミが残り、作業員が手作業で掃除する場面も放送。二重行政の無駄を強調する構成になっている。 府道路環境課によると、国道との交差点の維持管理は国の管轄。だが、業者は通常、効率を考えて国道との交差点もブラシで清掃していた。 TBSの取材を受けた業者によると、取材当日、番組スタッフから「交差点でブラシを止めてくれないと取材にならない」と依頼され、府鳳土木事務所(堺市)に電話で相談。担当者から「歩行者の安全対策でブラシを上げることもあるから協力して」と言われ、依頼に応じたという。 TBS広報部は「府への取材で、国道に入ると清掃車のブラシを上げると聞いた。国道との交差点でもそうだと思い込み、業者に『正式なやり方を撮りたい』とお願いした」と説明した。 放送を見た近畿地方整備局が17日に「事実誤認」と文書で指摘。TBS側は21日付の文書で通常の作業ではなかったことを認め、「視聴者にすべての交差点で同様の事例が起きているような誤解を与えかねない表現でした」と回答。そのうえで、TBS広報部は「やらせとは言えないと思う」と説明している
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