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連帯と共同こそ人間本来の生き方 三上満さん講演

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 金八先生のモデルである教育家・三上満さんを迎えての講演会・・・「自己責任では生きられない」
 学生、青年ら60名を前に講演と質疑でたっぷり2時間の話。今の状況はあたりまえではない、変えられる。人は競争が本質でなく、共同と連帯こそ本来の生き方・・・教師時代のエピソードをまじえての充実した話でした。
 スケッチすると・・・

【 自己責任者じゃ生きられない 】
・私たちが生きている社会は、利潤を第一とする資本主義社会。
・利潤を最大にする限界は、労働者が生きていけないライン。女工哀史、蟹工船…戦前はそういう社会だった。
・その反省から生まれた労基法。周旋屋、中間搾取が解禁された。
・それを解禁したのか派遣労働の自由化。「派遣労働が蔓延している社会は当たり前ではない」
・そのもとでどんな労働者が求められるか~「手をつながない労働者」「競争、自己責任を当たり前と思う労働者」~「放心したように働くとは利潤は最高になる」「自分の境遇に不満を抱かない」…そんな労働者の姿をマルクス、エンゲルスの言葉を使って紹介した。

*その部分を原点から拾ってみると・・・

・マルクス 資本論 第12章 第5節 マニュファクチュアの資本主義的性格 
無知は迷信の母でもあるが,また勤労の母でもある。反省や想像力は誤りに陥りやすい。しかし,手や足を動かす習慣は,そのどちらにも依存していない。だから,マニュファクチュアが最も繁栄するのは,人が最もはなはだしく精神を奪われて,作業場が人間を部分品とする一つの機械とみなされうるようになっている場合である。

・エンゲルス「イギリスにおける労働者階級の状態」その他の労働部門 「子供たちは、自分のいっていることをよく考えてみるだけの力さえろくになかったので、12時間ないし14時間も働かねばならず、ぼろを着てあるき、満腹するだけの食物をあてがわれず、数日たってもまだいたむほどなぐられても、それでも「私はよい待遇をうけているし、申し分ない生活をしています」、としはしば主張した。子供たちは、朝から晩まで、やめる許しがでるまで、さんざん苦労する生活のほかには、生活のしかたというものをまるで知らなかったし、また「つかれてはいないか」という質問は、彼らには聞いたこともない質問で、その意味さえわからなかった(ホーン、報告及び証言) 

・教育の分野でも競争。小さな時から、それが当たり前の心情をつくる。

・政治に関心を。政治の役割を使って利潤をあげる仕組みを作っている。派遣法、企業減税
・大企業の内部留保がこんなにあるのは当たり前ではない。73年は13兆円、今230兆円。
・お金は単純に性質を持つ。庶民にお金がない。みんなお金がないのではない。お金は、働くものの生み出す価値に数字がついたもの。全体でなくなることはない。あるところにはある。しかも、あるところに集まる。放っておいたら格差が広がる。お金の暴力性。
・それを是正するのが政治の役割。それなのに逆の役割をしている。「逆立ち政治」
・大問題は、溜め込んだお金は、眠っていては意味がない。利潤をもとめて動き回り、社会に対して害悪を流す。投機、買占め、カジノ型の資本主義
・「もうける場をつくれ」と政治を動かす。それが民間活力、構造改革の正体
   保育改革。財界は、最低基準があると儲けられないので、なくせと主張。耕作者でなく、産廃業者など農地を「利用」するものが農地を所有できる改悪法が国会にかかっている。
・主権者は国民。目を開く必要がある。
  二大政党、金権腐敗でも同じ。1月11日朝日新聞「解雇 そこに共産党」。
  教師時代の経験~「困ったときはアカに相談したらよい」と親戚に言われ訪ねてきた母親

・人間らしく生きる 秋葉原の事件。決してゆるされない事件だが、そこから見えてくるものがある。携帯にかきこまれた多数のメール。「1人」という言葉の多さ。「時給1300円から1050円になった。また私が安くなりました。」「彼女もいない」。作業服がないと怒って仕事を辞めた夜、「人手がたりないから来てくれ」の電話。「人手だと。俺でなくてもよかった」・・・ 孤独と人間でなく物のように扱われてきたことが伝わる。
 そこから、人間らしく生きるのは何が必要が見えてくる。
・思い出す1人の教え子。暴走族のK君。退学後、運送屋につとめ、配達で感謝され、給与をもらい、結婚。「先生、あきもしないでよく怒ってくれた」(信じているから怒り続けた)「仕事について、人の役に立つことがわかり、愛するものができると、人はまともになる。」との彼の言葉。
・高校の入り目的を失い、だらだらしている自分が嫌いだという女子高生からの手紙。民青同盟を知り、他人のために一生懸命になっている人が新鮮で、一緒に動いているうちに、自分もそういう人間になった。「自分が少し好きになった」「民青に入って、私は私をもらった」と文章を終えている。自分の価値を発見した。

・看護師の学校の校長をしていたが…人は本当に複雑な体系。高度な生き物だから不都合がおきる。それを支えあわないと生きていけない。そういう生命の原理をもっている。
・人間の本当のあり方は、連帯と共同。仲間と手をつなぎ「挑む」こと。成長があり、そこに喜びがある。
・人は、競争さえ文化にしてきた。それがスポーツ。勝者も敗者も称える。
・連帯と共同を感じる場~その場をつくるのが民青同盟~「明日の天気は変えられないが、明日の政治は変えられる」 

◆質問に答え 教師として一番大切にしたこと
子供を信じるマインド。校内暴力がまっさかりの中学校に赴任。学校不信、大人不信のかたまりのような子供。押さえつけてもなにも生まれない。まっすぐな心を信じて信じて働きかける。
 〈この視点は、私の仕事にとっても大事な視点。30代の前半、「人のわかり方」「変わり方」について教育学、発達心理学をかなり突っ込んで勉強したことが、今の支えとなっています〉

 というようなことを語られました。 ビデオもとっているようです。

夜、先生を囲んでの懇親会も楽しい時間でした。
 三上さんは、豊島区民。先日、吉良よし子都議候補(吉良前県議の娘さん)を「キラキラ星」と応援演説してばかりで、そのことも話題になりしました。 

 ついでに、「イギリス・・・状態」を、ざっと読み直してみると、現代との共通性に、あらためて感心する
・「だれも他人にたいしては目もくれようとしないのである。この残酷な無関心、各個人の自分の私利私欲への無情な孤立化」
・「この国では、社会戦争が完全に勃発している。……あらゆる不和が、脅迫、正当防衛、あるいは裁判によって解決される。要するにめいめいが、他人とは、排除しなければならない敵と見るか、それともせいぜい、自分の目的のために利用すべき手段と見るのである。」
  などなど・・・。

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