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複眼で考える 北朝鮮「ロケット」

 事実そのものの確認、外交努力、迎撃実施した後の議論不足、ここぞとばかりに展開する自衛隊・・・いろいろ多角的に見ることが必要との情報発信がされている。共同通信の「“強気発言”より外交努力を」も冷静な指摘だ。
完全な発射探知「不可能」 米衛星情報で防衛省 共同4/4
ミサイル迎撃ありえないと専門家 東奥日報 3/31近づく「テポドン2」打ち上げ 日経BP 3/31 
「北衛星」迎撃 戦争ごっこ並みの議論だ 新潟日報・社説 3/26

直接的な「影響」が言われる東北地方の地方紙の主張だけに興味深い。東奥日報は青森の地方紙。普及率約5割、新潟日報は新潟の地方紙、普及率6割とのこと。

 共同通信が配信した五十嵐泰編集委員の「“強気発言”より外交努力を」は「政府を代表する麻生太郎首相が早々に迎撃をする可能性を指摘、北朝鮮を挑発するかのような姿勢を取ることには、疑問を抱かざるを得ない」「『ミサイルを発射させない』ために、外交努力をぎりぎりまで尽くすことが政府の使命だろう」「首相がやるならやってみろと言わんばかりの姿勢をとるのは、突出しすぎだ」と述べている。そして「共産党の志位和夫委員長が『外交努力をやらないまま軍事で身構えるのは、外交的解決を台無しにする』と批判したのは当然だ」「政局的思惑から離れ、冷静な議論を求めたい」と指摘している。

  日本共産党は、
①何より重要なのは、関係国が北東アジア地域の緊張を悪化させるいかなる行為も慎むことであり、北朝鮮に対しては「ロケット」発射の自制を強く迫るあらゆる外交的努力を尽くすこと ②そうした外交的努力をまったくしないまま軍事で身構えるという対応は、問題の外交的解決を台無しにする ③過去の国際的な無法を清算していない相手だからこそ、どこが違反しているか事実と根拠に基づいて批判する。道理をつくさないと、逆に日本が道理を失うことになる。
ということなどを主張している。

もし、「人工衛星」だったら、安保理決議違反とは直ちにいえなくなり、決議違反を前提に制裁に踏み込めば、核問題などの外交的解決の道が台無しになる恐れがある。六カ国協議の再開による冷静で粘り強い努力が大事だ。

 とにかく北朝鮮問題の道理ある解決は、日本の軍事化、在日米軍の存在・強化、さらには改憲議論の絶好の口実となっている点でも一国も早く解決しなくてはならない。

 それと、米軍機の低空飛行訓練が増加している。実際、高知でも 早明浦ダム、土佐湾への墜落している。米軍機の方が現実に各地で墜落しており、よっぽど危険という事実も忘れてはならない。

【完全な発射探知「不可能」 米衛星情報で防衛省 共同4/4】  北朝鮮が「人工衛星」として事実上、長距離弾道ミサイルを発射した場合、最も早く探知するとされる米国の早期警戒衛星の情報について、防衛省が「発射の百パーセント探知は不可能で、着弾予想地域は不正確」との評価を文書にまとめていたことが3日、分かった。誤報の可能性もあるとしており、防衛省が信頼性に疑問を持っていることが明らかになった。  1996年に米国防総省と防衛庁(当時)が早期警戒衛星の情報提供に合意後、統合幕僚会議第三幕僚室(現統合幕僚監部)が文書をまとめた。その後、一部改定されたが、防衛省幹部は「技術的には多少改善されたが、信頼性に対する基本的な認識は現在も全く同じ」としている。  北朝鮮がミサイルを発射すると、米早期警戒衛星が真っ先に探知し、米戦略軍のコンピューターが発射角度などを分析して着弾地点や時刻を予測。データは在日米軍を通じて防衛省中央指揮所や迎撃を判断する航空総隊司令部に流れる仕組み。情報は海自のイージス艦なども瞬時に共有しミサイルを追跡する。  文書では、早期警戒衛星がミサイル発射の際に放射される赤外線をセンサーで感知するため、上昇段階が短時間だった場合は発射を探知できない場合があると分析。探知した場合、約2分間、コンピューターでデータ解析をするが、誤報の可能性はあると指摘している。  また、コンピューターが予想する着弾地域は広く、不正確になる危険性があると注意を促している。
 
【ミサイル迎撃ありえないと専門家 東奥日報 3/31】  北朝鮮が「人工衛星」として発射準備を進める長距離弾道ミサイル問題が緊迫している。三十日までに、自衛隊に初の破壊措置命令が出されたほか、米軍三沢基地の弾道ミサイル情報処理システム「JTAGS」(統合戦術地上ステーション)と、車力通信所(つがる市)の移動式早期警戒システム「Xバンドレーダー」が監視態勢を強化。「高い確率で迎撃できる」(キーティグ太平洋軍司令官)と日米関係者が対応に自信を見せる中、ミサイル迎撃という緊急事態は起こり得るのか。国内外の専門家の間では「『迎撃』は日米の政治的なポーズ。実際はそういうことにはならないだろう」との見方が強い。 「迎撃は百二十パーセントありえない」と断言するのは、北朝鮮の軍事情報の分析で知られる国際ジャーナリストの恵谷(えや)治さんだ。恵谷さんは「日米の国防当局が『迎撃』を公言するのは政治的な意味合いにすぎず、ミサイル防衛の優越性を強調するためにほかならない」と続ける。  迎撃しない理由として挙げるのは、今回の発射が北朝鮮のミサイル技術の最新情報を、日米が収集する絶好の機会である点。  「発射するものがミサイルであろうと、衛星運搬用のロケットであろうと、性能を探るチャンスであることには違いない。打ち上げられたミサイルから送られるさまざまなデータを傍受することが、軍事的に最優先される以上、日米は宝の山を破壊したりしない」  破壊措置命令に基づいて、最新のイージス艦と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を緊急配置した防衛省の姿勢を「矛盾をはらんだ政治ショー」と説明するのは、軍事評論家の前田哲男さん。  「第一に技術的問題として現在のシステムでは長距離弾道ミサイルに対応できない。それなのに多額の税金を注いでいる以上、『迎撃できる』と言わざるを得ないところに防衛省の苦悩がある。半面、これまでやりたくてもできなかったPAC3などの緊急展開を訓練代わりにできる。複雑な気持ちなのでは」  北朝鮮が発射を計画しているのはテポドン2の改良型。射程は最大八千キロとみられ、高度は千キロをはるかに超える。高度百-二百キロ程度しか届かないイージス艦のミサイル(SM3)では、そもそも迎撃が不可能なのだ。恵谷さんと前田さんが「技術的に迎撃不可能」と口をそろえる理由がそこにある。  米ワシントンDC在住のジャーナリストで、ジョージタウン大大学院フェローの平田久典さん(安全保障論)は「米国では冷静な受け止め方が目立つ」と、迎撃態勢構築にひた走る“現場”との温度差を指摘する。  「米国民の多くはミサイル問題の存在すら知らない」と平田さん。「米政府も『発射は挑発的行為』と一応、北朝鮮をけん制。発射した場合にはそれなりの抗議はするものの、大ごとにする気はないのではないか」と話す。  背景には北朝鮮が今回の発射を「衛星打ち上げ」と公式に説明。国際海事機関を通して事前通報するなど「国際的な手続きを踏んでいるため、抗議しづらい状況がある」(前田さん)とみられる。加えて、「米国はイラク、アフガニスタン問題で手いっぱいで、北朝鮮までとても手が回らない」(平田さん)状況もあるという。
【松浦晋也の「宇宙開発を読む」近づく「テポドン2」打ち上げ 日経BP 3/31】 北朝鮮が、咸鏡北道花台郡舞水端里(ムスダンリ)から実験通信衛星「光明星2号」を「銀河2号」ロケットで打ち上げるとした期日が近づいてきた。北朝鮮の設定した打ち上げウインドウは4月4日から8日。北朝鮮は、これが衛星打ち上げであると主張している。  以下、QアンドA形式で、公開されている情報に基づき、北朝鮮の今回の打ち上げを分析してみる。その上で、私なりに公開されている情報を見ていくと、北朝鮮のロケット開発担当者には、政治の側からかなりのプレッシャーがかかっているように感じられる。

◆ICBM実験ではなく衛星打ち上げである
Q:今回の打ち上げは、「ミサイル」なのか、それとも「衛星打ち上げ」なのか。
A:過去の経緯や状況、今回北朝鮮が出している情報を見る限り、今回の打ち上げは「衛星の打ち上げ」である。
 今回の打ち上げで、北朝鮮は国際海事機関(IMO)及び国際民間航空機関(ICAO)に、使用済みのロケット各段が落下する危険海域を通告している。それによると、4月4~8日の11時~16時にかけて、日本海・秋田沖130kmに南北20km東西250kmの危険海域を、また日本沿岸から2150kmの太平洋に南北160km東西800kmの危険水域を設定している。
 発射地点であるムスダンリとの位置関係を見ると、それぞれの危険水域は、ムスダンリから真東に衛星打ち上げを行った場合にロケット第1段と第2段がそれぞれ落下する海域と考えることができる。
 1998年8月のテポドン1号では、第1段はムスダンリから250km、第2段は1650kmの海域に落下した。今回設定された危険水域は、それぞれムスダンリからおよそ650kmと3600kmの距離がある。このことは、今回の銀河2号がテポドン1号に比べてより大きなロケットであることを示している。衛星打ち上げロケットとしては、より大きな衛星を打ち上げられるし、ミサイルとして使用すればより大型の弾頭をより遠くまで届かせることができるわけだ。
 今回の打ち上げは2つの理由から衛星打ち上げであると推定できる。一つは、1998年同様に真東への打ち上げを行うとしていること。衛星打ち上げの場合、真東に打ち上げることで、地球の自転速度を利用してより少ないエネルギーで打ち上げを行うことが可能になる。一方大陸間弾道ミサイルの実験ならば、真東に打つ必然性はない。
もう一つは、衛星打ち上げ用ロケット技術も、ミサイル技術も基本は同一であるということだ。同じ技術を試験するならば、衛星打ち上げを行ったほうが国際的な摩擦を引き起こしにくいし、国威発揚にもなる。
 今回の問題の本質は、「衛星打ち上げか、ミサイル実験か」にはない。衛星打ち上げの技術は即ミサイル技術でもある。2006年に核実験を行い、自らを核保有国として扱うよう要求している国が、ミサイル技術を持とうとしているということに問題がある。
ICAO資料による危険水域(左)と、日本の海上保安庁が出した模式図(右)。ロケットの軌跡が南に曲がっているように見えるが、これは地図の投影図法の関係でそう見えているだけであり、実際にはムスダンリから真東の大圏コース直下に危険水域が設定されている。

Q:「ミサイル実験」と「衛星打ち上げ」は区別が付くのか。
A:離床直後からのロケットの飛翔方向が異なるので、打ち上げを観察していれば、発射後1分程度で判明するはずである。
 衛星の打ち上げを模式化して説明すると、「第1段で上に昇って大気圏を抜け、第2段と第3段で水平加速を行って軌道速度を得る」というやりかたをとる。従って離床直後のロケットは少なくとも1分程度、主に上へと上昇していく。
 一方、ICBMの場合は、可能な限り重い弾頭を可能な限り遠くに落下させるのが目的なので、斜め45度に向けて打ち上げる。離床後、割と早い段階から、ロケットは斜め上方向へと飛行していく。
 従って、打ち上げを観察していれば、離床後1分程度の軌跡の違いから、衛星打ち上げを狙ったのか、それともミサイル実験を行ったものかは区別することができるはずである。

◆たとえ衛星打ち上げであったとして、日本への潜在的危険性が存在する
Q:「衛星打ち上げ」ならば、それは日本としては容認できるのか。
A:容認は出来ない。
打ち上げの軌跡は秋田県から岩手県にかけての日本上空を通過している。これは打ち上げの途中、「この段階でエンジンが停止する、爆発するなどのトラブルが発生すると、ロケットないしロケットの破片が日本の領土に落下する
時間帯が存在することを意味する。通常、世界各国の打ち上げでは、このような打ち上げ軌跡を設定することはない。
国際常識的には、打ち上げの途中でどんなトラブルが発生したとしても、他国の領海・領土にロケットの破片が落下するような打ち上げ軌跡を採用するべきではない。たとえ衛星打ち上げであろうと、可能性は低いものの日本領海・領土に被害が及ぶ危険性が存在する。
しかも北朝鮮は、この事実に対して一切の説明も、信頼醸成措置もとっていない。
もしも打ち上げが成功すれば、今回のことが前例となり、北朝鮮が日常的に日本上空を通過する打ち上げを実施するようになる可能性も考え得る。
日本としては、北朝鮮が打ち上げを思いとどまるよう可能な限りの外交努力を行うべき局面である。

Q:落下物の危険は大きいのか。
A:さして大きくはない。
 日本へのロケットの落下は、打ち上げ後のごく短い時間、おそらく数分前後の間にトラブルが発生して打ち上げが中断した場合に限られる。そのタイミングでトラブルが発生する確率は低い。また、落下したとしても、人的物的被害が発生する場所に落下する確率もまた低い。従って、日常生活において、さほど心配する必要はない。
 しかし、前述した通り、危険性を日本が無視して良いというものでもない。低いものの、被害が発生する可能性は確実に存在する。

Q:日本は迎撃ミサイルを配備しているが、万一北朝鮮が発射したロケットが日本に落ちてきた場合には迎撃できるのか。
A:迎撃が行われるのは、日本領海・領土に被害が発生する可能性がある時のみだけ。従ってそもそも迎撃を行う可能性は低い。また、迎撃を実施し、成功した場合も破片は日本領海・領土内に落下するわけで、被害を食い止めるという意味での実効性は薄い。ただし前述の通り落下物が、人的物的被害を発生する確率は低い。
可能性としては、銀河2号が日本を飛び越え、迎撃を行わずに見送るというケースが一番ありうる。
むしろ迎撃を実施した場合には、「命中できた」「命中しなかった」という結果が、今後の国際情勢に与える影響が大きいように思われる。「命中した」となれば、ミサイル防衛の有効性が実地で初めて確認されたことになるし、「命中しなかった」となれば、ミサイル防衛の有効性に疑問符が付くことになる。
日本政府が取ったPAC3の配備という対応は、北朝鮮に対して日本の意志を形で示すデモンストレーションというべきものだろう。

◆気になる2つの疑問点
技術的に見ていくと、今回の北朝鮮の行動には、2つの疑問点が存在することに気がつく。
一つは、「なぜ、秋田県から岩手県にかけて、本州を飛び越える軌跡を採用したか」ということだ。
1998年のテポドン1号打ち上げでは、津軽海峡上空を通過させた。領土上空通過を避けて、領海上空通過に留めたのだ。これに対して、今回は秋田県から岩手県にかけての本州上空を通過する、より日本政府を強く刺激する軌跡を設定している。
日本の上空を飛び越えることで日本及びアメリカに心理的圧迫感を与えることが目的だとしても、これは彼らの瀬戸際外交にとってかなり危険な賭だ。日米の過剰反応を引き出す可能性がある。
 1998年のテポドン1号の打ち上げは方位角86度だった。つまり真東から4度北にずらした方向へと打ち上げて、津軽海峡上空を通したわけだ。それに対して今回の秋田-岩手上空というコースは方位角ほぼ90度の真東への打ち上げとなる。
確かに衛星打ち上げのためには、真東への打ち上げが最適となるが、4度程度の角度の相違では、打ち上げ能力に対してさほど大きな影響を及ぼさない。いったいなぜ、今回は真東を狙ってきたのだろうか。
 もうひとつは、追跡船の情報が一向に聞こえてこないことである。今回のロケットがミサイルであるにせよ衛星打ち上げであるにせよ、現在北朝鮮はロケットの技術開発を行っている段階である。そのためには飛行時のデータを可能な限り精密に収集して、今後の開発に役立てねばならない。
 北朝鮮本土から、太平洋上空まで飛んだロケットからの電波を受信することはできない。つまり、北朝鮮が本気で技術開発を行うつもりならば、太平洋に電波受信設備を搭載した追跡船を派遣しなければならない。
 しかし、これまでのところ追跡船が北朝鮮の港から出港したというニュースは聞こえてこない。
技術開発の手法としては、データを取らずに「失敗したら次の打ち上げ」と、どんどん発射実験を積みかさねていくやりかたもある。しかし、1998年、2006年、そして今回の2009年という発射間隔からすると、そのような物量攻勢的な技術開発は無理だ。
北朝鮮は2006年10月9日に核爆発実験を実施、このことをもって国際的に核保有国として遇することを要求している。今回の打ち上げ実験が成功すれば、核とロケットという、北朝鮮独自のICBMの実現に向けたカードが2枚揃うことになる。しかし、ICBMのために必要な技術はこれだけではない。本気でICBMを開発するつもりならば、命中精度を上げるための誘導技術が必要だし、宇宙空間から核弾頭を落下させる再突入技術も必要となる。
彼らが望む核弾頭付きICBMを完成させるためには、まだまだ多数の技術を開発しなければならない。 
ところが技術開発にとって非常に重要な、実験データの取得体制が整っていないように見えるのはどうしてなのだろうか。

◆北朝鮮のロケット開発者は追い詰められている?
ここからは私の推測になる。
北朝鮮のロケット開発関係者はかなり追いつめられた状況にあるのではないだろうか。開発を急かされ、成功を要求され、その一方で開発に必要な資金、人員、設備などのリソースは十分ではないのではないか。
1998年のテポドン1号は衛星の打ち上げに失敗した。北朝鮮は衛星「光明星1号」の打ち上げに成功したと宣伝したが、世界中のどこも衛星からの電波を受信できなかった。光明星1号は第3段のトラブルによって太平洋に落下したと推定された。2006年のテポドン2号は、打ち上げ直後に爆発し、破片となって日本海に落下した。
トラブルが続いているにも関わらず、北朝鮮はトラブルシューティングを行って同型機の再打ち上げに挑むのではなく、より大型のロケットである、今回の「銀河2号」の開発へと進んでいる。明らかに政治の側が「核弾頭を搭載可能で、長距離の射程を実現するロケット技術」を早急に要求しているためだろう。それに対して技術者達は開発のリソースをロケットの大型化に集中することで応えているのではないだろうか。
結果として追跡船のような確実な技術開発に必須の要素が後回しになっており、その状況下で少しでも成功確率を上げるために真東への打ち上げが選択されたと考えると、一応の筋道は通っている。
いずれにせよ、今回のロケット発射の試みは、北朝鮮のロケット技術の水準を知るチャンスでもある。政治面のみならず技術面においても、徹底した情報収集が必須だろう。

【「北衛星」迎撃 戦争ごっこ並みの議論だ 新潟日報・社説 3/26】  日本のミサイル防衛(MD)システムで北朝鮮の弾道ミサイルを撃ち落とせるか。政府部内でこんな論議が起きている。  あすにも迎撃のための「破壊措置」命令を発しようという時に何とも締まらない話だ。北朝鮮に「人工衛星」発射を思いとどまらせる上でも全くの逆効果だ。たがの緩みきった内閣が「戦争ごっこ」に興じるなど危険極まりない。  人工衛星の名目で打ち上げ準備が進んでいるとされる北朝鮮の長距離弾道ミサイルはMDで迎撃できる。日米の軍事防衛当局はこう口をそろえ、イージス艦の配備など準備を急いでいる。  麻生太郎首相や浜田靖一防衛相も「日本に飛来する恐れがあるときは撃墜もあり得る」との立場だ。その根拠は二〇〇五年の改正で自衛隊法に盛り込まれた「弾道ミサイル等に対する破壊措置」(八二条の二)である。  〇七年三月の閣議決定はこの措置に該当する飛来物体の範囲を(1)弾道ミサイル(2)人工衛星打ち上げ用ロケット(3)人工衛星(4)その他など-と定める。  これらの規定に従えば、日本に飛来する北ミサイルの迎撃は法律上の要件を満たしているといえよう。だが、迎撃が可能ということと、実際に撃ち落とすことの間には高い壁がある。迎撃は準戦闘行為である。政府にこの緊張感があるのだろうか。  官房長官、防衛相、外相の三閣僚会合では、閣議決定によらない方式で撃墜措置を発動する方針を決めた。閣議決定では北朝鮮を刺激しかねないというのがその理由である。  防衛相があらかじめ部隊に破壊措置を命じ、現場の司令官が状況に応じて撃墜の判断を下すことになる。日朝間に極度の緊張を生みかねない行為を制服に委ねることが妥当なのかどうか。ここでも政治の無責任さが際立つ。  「政府筋」や中曽根弘文外相はMDの有効性に疑問を投げ掛けている。「当たるはずがない」「撃墜は極めて難しい」と言明したのだ。  MDシステム構築には一兆円を超す経費が掛かるとされる。それが「高価なおもちゃ」にすぎないとしたら、これほど国民をばかにした話はない。  自衛隊では命令発動に向けて地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の移動準備に入った。北朝鮮はミサイル発射時期を四月四日から八日の間と予告している。措置命令が下されれば、さらに緊張が高まるのは必至だ。  声高な迎撃論が交わされる一方で、MD無効説が飛び出す。これが日本の防衛論議の実態だろう。撃墜後の想定が示されないまま、準備だけが進んでいくのを危惧(きぐ)する。  北に自制を求めるなら、日本も冷静な態度で臨まなければならない。

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