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寿命格差と年金

ニッセイ基礎研が、公的医療の縮小に対し、おもしろい角度から議論を呈している。
寿命には格差がある~終身年金は逆進的か~
 国内外の研究で、経済状態で寿命には相関関係があることが示されているが、それ故に、年金の「所得再分配機能」が機能せず、逆進性があるのではないかというものだ。

 現役時代の所得に対して、「老齢年金は報酬比例部分に定額の基礎年金が加わっているため、合計年金額は所得ほどには増えない。」としながらも、「長生きの人が所得の高いとすれば、公的年金を通じて所得の高い人が低い人を助ける効果(所得再分配効果)は減殺され、むしろ低所得の人が早く死んで、高所得の人を助けている可能性がある。」
また、「社会保険料控除のため、実質的な保険料率にも所得格差がある。」とし「これらを考慮すると、公的年金が実質的に逆進的である可能性さえ否定できない。所得にかかわらず定額保険料・定額給付の国民年金合、逆進性は明らかであろう。」と結論づけている。

その上に立って、医療に於ける新自由主義について 
「ところが医療の効率化のため、混合診療など公的医療保険でカバーされないサービスを拡大すべき、あるいは保険対象医療における自己負担割合を増加させるべき、などの議論がある。」

が、こうした経済状況による医療格差が、寿命格差を生み、年金の逆進性を強めるとして、
「これらを検討する際には、医療サービスの格差を拡大することによって、公的年金制度が逆進的になりかねないことも考慮に入れるべきであろう。」と結んでいる。

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