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高知市 「財政再建計画」と社会資本の維持管理

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 高知市の財政再建の考え方として、そのトップが「より激化していく都市間競争に打ち勝っていくためには,一定の基盤整備は今後も必要」となっていることを、自治体の役割という観点から問題視させてもらったが(2/25記)、今回は、「造り続ける時代なのか」という、公共工事の将来という観点で考えてみたい。
「平成17年度 国土交通白書」「コラム・事例 増大は必至、社会資本の維持管理・更新費」
 

05版「白書」は、高度経済成長期を中心に大量に整備・蓄積された社会資本の維持管理・更新費(道路、港湾、空港、公共賃貸住宅、下水道、都市公園、治水、海岸)の2030までの費用を2ケースで推計している。

①今後の投資可能総額の伸びが、2005年度以降対前年比±0%
維持管理・更新費の割合は投資総額の約31%から約65%に増。新設の割合は、約65%から約31%に減。
②国が管理主体のもの 前年比-3%、地方が管理主体のもの 同―5%
 2021年には、投資可能総額が不足し、新規に充当できなくなり、更新も困難になる。
となっている。

 そうしたことから、国に「長寿化修繕計画」の策定を自治体に課して、ほとんど進んでいない。今年からは、道路、橋梁、下水道、港湾に加え、河川、公営住宅、都市公園も対象となった。

21年度国土交通省の予算の概要では・・・

Ⅰ 安全・安心で豊かな社会づくり
○社会資本ストックの戦略的な維持管理による安全・安心の確保とライフサイクルコストの縮減[4,247億円(1.05)]
 高度経済成長期に集中投資した道路、河川、下水道、港湾、公営住宅等の社会資本ストックが今後急速に老朽化することを踏まえ、長寿命化計画の策定の推進、予防保全の計画的な実施、橋梁の点検や河川管理施設の機器更新に対する支援等戦略的な維持管理を行い、安全・安心の確保とライフサイクルコストの縮減を図る。また、道路に係る地震・豪雨・豪雪等に対する防災・震災対策を推進するとともに、下水道施設について、耐震化を図る「防災」と被害の最小化を図る「減災」を組み合わせた「下水道総合地震対策事業」を創設する。
となっている。

 ところで、「都市間競争に勝つために、一定の基盤整備が必要だ」という高知市のHPには、「長寿命化修繕整備計画」が見当たらない。
 国土交通省関係だけでなく、学校など教育施設、福祉施設もある。

 昨年11月に、公共事業論に詳しい2名の先生の話があって、大要を当ブログでも紹介したが、今回のテーマとの関係部分を再録すると

◆「維持可能な社会と公共工事の未来」  08年11月16日 宮本憲一(大阪市立大学名誉教授・滋賀大学名誉教授)  「660兆円以上の社会資本。それが古くなり始めている。日本の公共事業は整備、修理に補助金がつかない。早くからすすめたところ、50年前つくったところが痛んできている。アメリカでは、80年代に大きな危機が起こった。橋が崩落したり、トンネルの側壁がはがれ死者が出たり。今後は、保全、補修を基本的に考える時にきている。 長野県の公共事業改革。私たちに大きな示唆を与えている。オリンピックの莫大な負債を抱え、改革に乗り出した。公共事業の予算を半分にした。入札を変えた。市場調査やアンケートをとる対象を変えた。つくり公園など小規模のものを重視した。維持、補修を重視する。変えると当然、雇用や地域経済の問題がどうなるか、総括的に検討している。 倒産していく建設業の従業員に、福祉、教育関係の学習、資格をとらせる事業もした。ここまで考えるのが本当。労働者が乗ってこなかった。今まで土木建設の現場で働いていた人が「なんで」という気持ちがあったのだろう。しかし、ここまでやらないと民主的改革にならない。ぜひ参考にしてほしい。」
◆「都市計画法改正の行方」   08.11.16    五十嵐敬喜・法政大学教授、日本景観学会副会長  「開発王国。すでに金融危機で、開発が止まっている。あとに山ほど残骸が出来る。土地の値上がりを前提にした区画整理、再開発が途中でダメになったところが全国至るところにある。  道路も14000キロを作るというが、誰も走らない道路が出来る。だいたいコンクリートの寿命は50年から100年。どうやって維持・補修するのか。もういちど作り直す力はない。ダムはどうか、劣化したダム、砂で埋まったダムをどう補修するのか。破壊すれば、土砂が河川に流れ、海が死ぬ。そのダムを飲み込むような強大なダムをつくるしかないが、それは財政的に無理。もはや手術不能。」

 新規につくる余裕があるのか、維持・補修、更新だけでどれだけかかるのか・・・ それらを本格的に検討し、明らかにすることが「財政再建」議論の前提だろう。

 もはや、新しく作るような費用はないと思うのだが・・・ 市の財政再建の考え方には、「未来の世代に負担を先送りしない」と書いているが、基盤整備の新規事業は、負担を将来に課すことでもある。

 ここも議論の大きなポイントとなるだろう。

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