「非正規」増が少子化推進 厚労省調査
少子化とは、賃金論から言えば、労働力の再生産が出来ないほど搾取が強化されている、ことだと認識しているが・・厚労省が11日公表した「21世紀成年者縦断調査」で、非正規雇用労働者の増加が少子化に影響していることが改めて示された。
若い独身男性の結婚率、「非正規雇用」は「正規」の半分 読売3/12
第6回21世紀成年者縦断調査(国民の生活に関する継続調査)結果の概況
(グラフは、所得と結婚率の関係 同調査報告より)
◆所得額別にみた状況(調査報告より) 男女ともに、所得額が高くなるほど、結婚した割合が高くなる傾向がある。 第3回の独身者について、「結婚した」は結婚前の、「結婚していない」は第5回の所得額階級別に、この3年間の結婚の状況をみた。 男女ともに、「400~500万円未満」で「結婚した」の割合が最も高く、所得額が高くなるほど、結婚の割合が高くなる傾向がある。特に、男では、最も低い「100万円未満」で8.2%、最も高い「400~500万円未満」で20.6%と、12.4ポイントの差がある。
調査で以外だったのは「夫婦の合計所得額別にみた状況」。
夫婦の合計所得額と「出生あり」の関係なのだが、この4年間で「出生あり」は、300万円未満では4割半ばとなっているのに、それ以上の所得の層で低下していっている。400-500万円層では、30.7%、700-800では22.2%。
「所得が比較的高い・高学歴→長時間過密労働。子にも高学力を→育児時間の確保の問題、教育費負担の懸念」 という構図であろうか。
政府の対策は主にこの層に焦点を当てているのではないかと思われる。
また「妻の仕事の有無別にみた状況」では
「仕事あり」で就業形態が「正規」の場合43.0%、「仕事なし」の場合47.6%に子どもが生まれているが、「非正規」の場合は22.4%と半減しており、女性の「非正規」が少子化をすすめていることが見て取れる。
先進国で最低クラスの家族関係の予算もさることながら、低さ若者の半分が非正規労働者である。その層の結婚率が半分であれば、対策も半減する。
将来を見通せる雇用条件、結婚できる賃金を確保しないとダメだろう。
一方、経団連が提言を出しているが、雇用の不安定か、規制緩和が少子化を招いているという反省の視点はない。
少子化対策についての提言 経団連2/17
保育の市場化だとか、消費税を前提にした財源投入とか、ワークライフバランスの名による雇用の流動化推進とか・・・
いろいろ言う前に、溜め込んだ内部留保をはき出して雇用を維持したらどうか。
【若い独身男性の結婚率、「非正規雇用」は「正規」の半分 読売3/12】 非正規雇用の男性がここ5年間に結婚した割合は、正規雇用の半分程度にとどまることが11日、厚生労働省が公表した「21世紀成年者縦断調査」で分かった。 調査は少子化対策に役立てるため、2002年10月末時点で20~34歳だった男女を毎年追跡するもので、今回は07年11月に実施。02年時点で独身だった男性約4400人について調べたところ、結婚した人の割合は正規雇用では24・0%だったのに対し、非正規雇用では12・1%だった。 働いている妻約2000人の出産状況についても、5年間に出産した人の割合が正規雇用では43・0%だったのに対し、パートなど非正規は22・4%。同省は「非正規では、育児休業制度が整っていないケースが多いためではないか」と分析。非正規雇用労働者の増加が少子化に影響していることが浮き彫りになった。
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