妊娠・出産を理由にした解雇等 5年間で相談2倍に
妊娠、出産を理由にした解雇などの労働者の相談が04年~08年でから875件、903件、1,166件、1,711件、1,806件と5年間で二倍以上になっていることから、16日、厚生労働省が通知を出している。
「育児休業理由に解雇」増加、厚労省が指導強化へ 読売3/16
「労働者からの相談及び指導等の状況」厚労省
妊娠・出産、産前産後休業及び育児休業等の取得等を理由とする解雇その他不利益取扱い事案への厳正な対応等について」通知
事業主リーフには、
「経営環境が悪化している場合であっても、労働者が妊娠又は出産したこと、産前産後休業又は育児休業等の申出をしたこと又は取得をしたこと等(※)を理由として解雇その他不利益な取扱いをすることは、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法で禁止されています。(男女雇用機会均等法第9 条第3 項、育児・介護休業法第10 条)」として、
(※)の内容として以下をあげています。
①妊娠したこと、
②出産したこと
③母性健康管理措置を求めたこと又は受けたこと
④坑内業務の就業制限若しくは危険有害業務の就業制限の規定により業務に就くことができないこと、申出をしたこと又はこれらの業務に従事しなかったこと
⑤産前休業を請求し、休業をしたこと又は産後の就業制限の規定により就業できず、若しくは産後休業をしたこと
⑥妊娠中の女性が軽易な業務への転換を請求し、又は軽易な業務に転換したこと
⑦妊産婦が時間外・休日・深夜に労働しないことを請求し、又は労働しなかったこと
⑧育児時間を請求し、又は取得したこと
⑨妊娠又は出産に起因する症状により労務の提供ができないこと若しくはできなかったこと又は労働能率が低下したこと、
⑩育児休業申出をしたこと又は休業したこと
⑪介護休業申出をしたこと又は休業したこと
⑫看護休暇申出をしたこと又は取得をしたこと
⑬時間外労働の制限、深夜業の制限、勤務時間短縮等の措置を申し出たこと又は利用したこと
ちなみに国連女子差別撤廃委員会の日本に対する勧告の関連部分
369.委員会は、主に職種の違いやコース別雇用管理制度に表われるような水平的・垂直的な雇用分離から生じている男女間の賃金格差の存在、及び雇用機会均等法に関連する政府のガイドラインに示されている間接差別の慣行と影響についての認識の不足に懸念を有する。委員会は、更に、パートタイム労働者や派遣労働者に占める女性の割合が高く、彼らの賃金が一般労働者より低いことに懸念を有する。委員会は、主に女性が直面している個人・家庭生活と職業・公的な責任との調和における困難に深い懸念を有する。370.委員会は、締約国が雇用機会均等法に関連するガイドラインを改正すること、労働市場における男女の事実上の機会均等の実現を促進する努力を特に条約第4条1に沿った暫定的特別措置を用いて増すことを要請する。委員会は、特に教育、訓練、効果的な強制メカニズム、進捗状況の体系的な監視を通じて、水平的・垂直的な職務分離を撤廃するための取組がなされることを勧告する。委員会は、家族的責任と職業上の責任の両立を可能にする施策が強化されること、家庭内の仕事の男女間での平等な分担が促進されること、家庭や労働市場における女性の役割についての固定観念に基づく期待が変わることが奨励されることを勧告する。
【「育児休業理由に解雇」増加、厚労省が指導強化へ 読売3/16】
不況の影響で、育児休業を取ったことなどを理由とする解雇や雇い止めの相談が増えているとして、厚生労働省は16日、企業への指導を強化するよう全国の労働局に通知した。
厚労省によると、育休終了後に職場に戻ろうとしたら、会社に「業績悪化で仕事がない」と言われたなどといった労働局への相談が、昨秋以降、急増。昨年7~9月は236件だったのが、同10~12月は303件、今年は1月から2月末までの2か月間だけで292件に上っている。
育児・介護休業法では、事業主が、育休などを理由に、解雇や雇い止め、賃金引き下げといった取り扱いをすることを禁止している。厚労省は「法に基づき、厳正に対処したい」としている。
(2009年3月17日00時31分 読売新聞)
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