「平成の大合併」に批判続出 地方6団体
来年3月末に、合併新法がきれることから、今後の市町村のあり方を検討している第29地方制度調査会で国が強力にすすめた「平成の大合併」に対する批判的意見が相次いでいるようだ。
平成の大合併に批判相次ぐ 地制調小委で地方6団体 共同2/6
「平成の大合併」終了へ=10年3月末の法期限切れで-地制調小委 時事1/30
「合併中心から、広域連携への支援に方向を切り替える検討を」(知事会総務常任委員・岡山知事)、「『強制的に合併させられた。決していいことはない』という話ばかり。合併をいまさら議論する必要はない」(全国町村会長)、「夢も希望もない合併。地方自治の原点である住民自治を忘れ、規模の拡大を強制しただけ」(全国町村議長会長)などの発言が赤旗で紹介されている。なんらかの合併支援策が必要とした全国市長会長も「国が主導した強制合併でなく、自主的な合併を」と述べている。
合併に関係して、6日の朝日新聞に、西尾勝氏(地方分権改革推進委 委員長代理)が「『平成の大合併』は国会議員の要求ではじまった。」「『分権の受け皿として市町村を再編すべきだ。財政の効率化にもつながる』という理屈だ」と、国会議員主導で進んだことを述べている。
「構造改革」路線の破綻、「規制改革」利権などが各分野で明らかになっている。
自民党は国と10前後の道州と300基礎自治体、民主党は、国(中央政府)と300基礎自治体という方針だが、こうした地方自治体の声をどう聴いたのだろうか。
今、開催中の 「第12回全国小さくても輝く自治体フォーラム」で、地方分権推進委員会専門委員などを歴任してきた大森彌・東大名誉教授が「『平成の合併』と基礎自治体のあり方」というテーマで講演。
合併特例法後は「合併推進は幕切れになる」との見通しを示し、いま、進められている定住自立圏構想は「現実的でなく、やめるべきだ」。また、道州制は「地方自治が大幅に後退する。あしき改革は絶対阻止したい」などと述べた、と報道されている。
小さくても輝く自治体フォーラム/小鹿野 朝日2/8
この際、失敗した「合併」を元にもどすための支援も考えていいのではないか。
【平成の大合併に批判相次ぐ 地制調小委で地方6団体 共同2/6】
政府の地方制度調査会専門小委員会(委員長・林宜嗣関西学院大教授)は6日、地方6団体の代表から「平成の大合併」の評価を聞いた。「町村には国に合併を強制されたという意見が多い」(全国町村会長の山本文男福岡県添田町長)など批判的な意見が相次いだ。
原伸一全国町村議会議長会長(福岡県赤村議会議長)も「小さな町村でもやっていける。多様な自治体が存在するのが日本の姿だ」と述べた。
ただ、2010年3月末に期限切れとなる市町村合併特例法に関連し、佐竹敬久全国市長会長(秋田市長)は「今後も合併を希望する市町村は出てくる。これまでのような手厚い(財政)措置でなくても、スムーズに合併が成立するような制度は必要だ」と指摘した。
こうした意見を受け、林委員長は「自主的に合併を希望する自治体に対し、インセンティブ(誘因)を付け加える必要があるのかを議論をしなくてはいけない」と述べた。
【「平成の大合併」終了へ=10年3月末の法期限切れで-地制調小委 時事1/30】 第29次地方制度調査会(首相の諮問機関)専門小委員会は30日の審議で、「平成の大合併」を進める合併特例新法が期限切れとなる2010年3月末で、国による市町村合併推進を終えるべきだとの認識で大筋一致した。 林宜嗣小委員長は「自主的な合併はいいが、国が合併を促進していくのは無理ということで大方一致している」と指摘。今後は合併で生じた課題への対応策や、人口規模や地域特性などに応じた市町村の在り方などについて議論を詰める考えを示した。 地制調は同委の意見集約を踏まえ、7月までに答申をまとめる。 平成の大合併は、政府が1999年に合併特例法を改正し、合併市町村への財政優遇措置を手厚くしてから本格化。同年3月末時点で3232あった市町村数は、10年2月1日時点で1772にまで減少する見込みだ。 同委は昨年12月から、今後の市町村の在り方について審議に着手。国が市町村合併をさらに進めることについて、委員からは「強制合併でもしない限り、さらなる合併は期待できない」「(小規模自治体は)国が財政措置を厳しくして合併に追い込まれたのが実情だ」などと否定的な意見が相次いだ。(了)
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