学力調査 不参加の英断
学力調査の成績を公表して「競争」をあおる・・・そうした流れに、教育の現場をかかえる市町村からの抵抗がはじまった。
学力調査「公表なら参加せぬ」 秋田・藤里町が決定 朝日1/9
藤里町、学力テスト不参加へ=市町村別成績、知事公表に反発-秋田 時事1/9 順位を公表してなにがしたいのか。一人一人の個性、多様性を1つの「ものさし」ではかることに何の意味があるのか・・・
「豊かさとは何か」の著者として有名な暉峻淑子さんの最新の著「豊かさへ もうひとつの道」の中で・・・こう語っている。
「エリートが社会の改革をするとは期待できないでしょう。なぜなら、現状を前提にして、エリートはエリートになったのです。」「社会を本当によくするためには、一人ひとりの子どもが自分で納得した判断力を持ち、大人の野心に流されず、自分で考え行動するおとなになることが大事」とし、遊びの中で大人に管理されず、人生の主人公となる喜びを知る大切さを説いています。
競争については、「競争と管理は一枚の紙の裏表」「競争に勝つためには厳しい管理がある」「競争と戦争は似ている。『勝つこと』だけが至上命令となる。勝つためには、それ以外の人権も自尊心も同情心も真実を守る志も邪魔になる」。と延べ・・・
また“自由でなければ教育じゃない”という章の最後には、インドのデリー大学の教授の話として、IT産業の創造性は「こういうことが起こると」という仮説の立て方が創造的でないと、決して創造的なものは生まれない。日本のように「もし」という思考が画一的だとIT産業にはむかないでしょうね。という話を紹介し、「自由を抑え込みたいという誘惑は、支配者にとって断ちがたいでしょう。しかし、それでは国は滅びます。豊かな想像力と批判力をもった人間こそ、国富をつくりだす源なのです」と語っている。
【学力調査「公表なら参加せぬ」 秋田・藤里町が決定 朝日1/9】 秋田県の寺田典城知事が全国学力調査の県内の市町村別の成績を公表した問題で、同県の藤里町教育委員会は8日、「公表するなら参加しない」という方針を委員の全会一致で決めた。国公立でこれまで不参加だったのは愛知県犬山市だけで、成績公表を理由に不参加の意思を示したのは藤里町が初めて。 秋田県では、昨年末の朝日新聞の取材に対し、全25市町村教委のうち15教委が「不参加も含めて対応を検討する」と回答し、県教委が知事に「極めて遺憾」と申し入れる事態になっている。県内の町村教育長会は9日の臨時会議で4月実施の次回調査への対応について情報交換する予定で、離脱の動きは今後さらに広がる可能性もある。 藤里町には小中学校が1校ずつしかなく、自治体別の成績はそのまま学校の成績を示す。同町の古川弘昭教育長は「具体的な数値を出して比較され、子どもたちがやる気を無くすと大変だ」と決定の理由を説明した。 全国学力調査は小6と中3を対象に07年に開始。文部科学省は序列化や過度な競争を招かぬよう個別の成績を公表しないよう求めてきたが、寺田知事は昨年12月25日、「公教育は公開が原則」として市町村別の結果を県のホームページで公表した。同県は都道府県別成績が小学校で1位だが各教委は「無用な序列化につながる」と反発していた。 調査について、鳥取県は09年度以降、請求があれば市町村別や学校別の成績を開示できるよう条例を改正しており、一部の教委に参加を再検討する動きが出ている。各地で離脱の動きが広がれば、全国調査という制度の根本が揺らぐ恐れがある。
【藤里町、学力テスト不参加へ=市町村別成績、知事公表に反発-秋田 時事1/9】 小中学校を対象にした2009年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)について、秋田県藤里町教育委員会は8日、寺田典城知事が07、08両年度の県内市町村別の成績を公表したことを理由に、現時点での不参加を教育委員の全員一致で決めた。 全国学力テストでは、愛知県犬山市が2年連続で参加していないが、藤里町教委の決定は2例目。 文部科学省は、都道府県に市町村や学校別の成績を公表しないよう実施要領を定めている。しかし、寺田知事は先月、「公教育は公開が基本」として、秋田県全25市町村別の小中学校の成績を公表。小中学校が1校ずつしかない藤里町では、事実上学校の成績も明らかになっていた。 同町の古川弘昭教育長は「市町村名を具体的に挙げて公表されると、成績が悪かった場合に子供たちが傷つくことになる。今回のような公表があるとすれば参加できない」と述べた。
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