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CEART勧告 「訳の作成も公表もしない」と文科省

 道徳教育に熱心な文部科学省だが、昨年末に出された「教員の地位勧告」の適用に関するILO・ユネスコ共同専門家委員会・CEARTの「勧告を含む中間報告」について、「政府訳を作成するつもりもないし、公表するつもりもない」という姑息な対応をとっている。
全教が文科省にCEART勧告の遵守を求め要請!1/19

 政府として調査に同意しながら、「都合の悪い」内容だったから、都道府県教委や国民に知らせないとは・・ 「うそをついたり、ごまかしたりしない」というのは、学習指導要領・道徳教育の小学校1~2年の目標の中にある。
 オープンにして協議をはじめるところから出発するのが筋だろう。
 

【全教が文科省にCEART勧告の遵守を求め要請!1/19】
文科省:ILO・ユネスコ勧告を無視した不誠実な対応!――全教のCEART勧告遵守の申し入れに 
  全教は1月19日、ILO事務局から08年12月8日付でCEART勧告を含む中間報告(第4次勧告)が届けられたことを受け、文科省に「CEART勧告の遵守を求める要請」を行いました。
  
■ 文科省:CEART勧告に対し、「残念である」「受け入れがたい」との見解示す!
 要請に対し文科省は、「(CEARTの勧告において)教員評価と指導不適切教員問題について、文科省や教育委員会が、一定のとりくみについて評価してもらっていると考えている。一方で、わが国の実情だとか、法制を十分斟酌していないということもあり、それらについては『残念である』『受け入れがたい』と、(ILO理事会〔LILS〕で)意見表明している」とし、これが文科省としての公式な見解であるとしました。
 また、「CEART勧告及びCEART調査団報告書の政府・文科省訳を公表すること」を求めたことに対し、政府訳・文科省訳を作成するつもりもないし、公表するつもりもないことを表明。
 さらに、「すべての教育委員会に対し、『教員評価制度の手続き的保証を改善するために県教育委員会がとった措置へのCEARTの賛辞を伝え』(43項)、CEART勧告を周知徹底すること」についても、「必要に応じて各教育委員会に情報提供する」との回答に終始し、全教が速やかな対応を求めたことを退けました。
 
■ 全教:政府・行政機関の最低限の社会的責務であり、積極的な対応を求める! 
 これらに対し、全教は「国際機関からの調査団を受け入れ、勧告が出されたら、そうした情報を広く国民に知らせることは、政府・行政機関の最低限の社会的責務だ」「せっかく国際機関が〝良くがんばった〟と評価したことを教育委員会に伝えることは、最低限の仕事ではないか」(新堰副委員長)、「到底受け入れがたいという中身があっても、情報を提供し、判断は各教育委員会に求めるという意味で、積極的な対応を」(北村書記次長)と重ねて求めました。
 また、CEART勧告の「法規と運用を見直し、必要に応じて改めるよう要請する」(43項〔4〕)を指摘し、「お互いに情報を共有するために、お互いが持っている情報を提供し、考えを双方やりとりしながら、子どもと教育のためにより良いものをめざすことは、地公法を改正しなくてもできる」とし、「そして地公法が障害になるのなら、公務員制度改革が政府で検討されている最中だから、文科省としても〝法の制約があって教職員団体とCEART勧告が求める水準の交渉と協議ができない〟と法改正に向けて必要な意見を政府にあげること」を求めました。
 最後に「必要に応じて意見交換」するとした文科省の発言を確認し、こうした「協議」の場を引き続き行っていくよう求めました。

 全教からは、新堰副委員長、東森書記長、北村書記次長、蟹沢生権局長が参加。文科省からは、初等中等教育企画課の佐野寿則教育公務員係長、生方裕調査係長らが対応しました。

 「全教」の要望内容 ① 『66年勧告』・CEART勧告を尊重して、教育行政をすすめること。 ② CEART勧告およびCEART調査団報告書の政府・文科省訳を公表すること。 ③ すべての教育委員会に対し、「教員評価制度の手続き的保障を改善するために県教育委員会がとった措置へのCEARTの讃辞を伝え」(43項)、CEART勧告を周知徹底すること。その際、文科省だけでなく、都道府県教委を直接の対象としていることを指摘すること。 ④ CEART勧告を踏まえ、「協調の精神」による「教育当局と教員団体との協議や意見交換のための確立された機構」を実現するため、すべての教職員組合代表が参加する検討の場を設けること。 ⑤ 公務員制度改革における「自律的な労使関係制度の措置」具体化にあたっては、CEART勧告の水準を確保すること。
以下は、日本政府も受け入れている「66年勧告」

【教員の地位に関する勧告】
(1966年9月21日~10月5日 特別政府間会議採択) 
・前文 
 教員の地位に関する特別政府間会議は、教育をうける権利が基本的人権の一つであることを想起し、世界人権宣言の第26条、児童の権利宣言の第5原則、第7原則および第10原則および諸国民間の平和、相互の尊重と理解の精神を青少年の間に普及することに関する国連宣言を達成するうえで、すべての者に適正な教育を与えることが国家の責任であることを自覚し、不断の道徳的・文化的進歩および経済的社会的発展に本質的な寄与をなすものとして、役立てうるすべての能力と知性を十分に活用するために、普通教育、技術教育および職業教育をより広範に普及させる必要を認め、教育の進歩における教員の不可欠な役割、ならびに人間の開発および現代社会の発展への彼らの貢献の重要性を認識し、教員がこの役割にふさわしい地位を享受することを保障することに関心を持ち、異なった国々における教育のパターンおよび編成を決定する法令および慣習が非常に多岐にわたっている事を考慮し、かつ、それぞれの国で教育職員に適用される措置が、とくに公務に関する規制が教員にも適用されるかどうかによって、非常に異なった種類のものが多く存在することを考慮に入れ、これらの相違にも関わらず教員の地位に関してすべての国々で同じような問題が起こっており、かつ、これらの問題が、今回の勧告の作成の目的であるところの、一連の共通基準および措置の適用を必要としていることを確信し、教員に適用される現行国際諸条約、とくにILO総会で採択された結社の自由及び団結権保護条約(1948年)、団結権及び団体交渉権条約(1949年)、同一報酬条約(1951年)、差別待遇(雇用及び職業)条約(1958年)、および、ユネスコ総会で採択された教育における差別待遇防止条約(1960年)等の基本的人権に関する諸条項に注目し、また、ユネスコおよび国際教育局が合同で召集した国際公教育会議で採択された初中等学校教員の養成と地位の諸側面に関する諸勧告、およびユネスコ総会で、1962年に採択された技術・職業教育に関する勧告にも注目し、教員にとくに関連する諸問題に関した諸規定によって現行諸基準を補足し、また、教員不足の問題を解決したいと願い、以下の勧告を採択した。

・1 定義 
1 本勧告の適用上、
(a) 「教員」(Teacher)という語は、学校において生徒の教育に責任をもつすべての人びとをいう。
(b) 教員に関して用いられる「地位」(status)という表現は、教員の職務の重要性およびその職務遂行能力の評価の程度によって示される社会的地位または尊敬、ならびに他の専門職集団と比較して教員に与えられる労働条件、報酬その他の物質的給付等の双方を意味する。
 
2 範囲 
2 本勧告は、公立・私立ともに中等教育終了段階までの学校、すなわち、技術教育、職業教育および芸術教育を行なうものを含めて、保育園・幼稚園・初等および中間または中等学校のすべての教員に適用される。
 
3 指導的諸原則 
3 教育は、その最初の学年から、人権および基本的自由に対する深い尊敬をうえつけることを目的とすると同時に、人間個性の全面的発達および共同社会の精神的、道徳的、社会的、文化的ならびに経済的な発展を目的とするものでなければならない。これらの諸価値の範囲の中でもっとも重要なものは、教育が平和のために貢献をすること、およびすべての国民の間の、そして人種的、宗教的集団相互の間の理解と寛容と友情にたいして貢献することである。 
 
4 教育の進歩は、教育職員一般の資格と能力および個々の教員の人間的、教育学的、技術的資質に依存するところが大きいことが認識されなければならない。
 
5 教員の地位は、教育の目的、目標に照らして評価される教育の必要性にみあったものでなければならない。教育の目的、目標を完全に実現するうえで、教員の正当な地位および教育職に対する正当な社会的尊敬が、大きな重要性をもっているということが認識されなければならない。
 
6 教育の仕事は専門職とみなされるべきである。この職業は厳しい、継続的な研究を経て獲得され、維持される専門的知識および特別な技術を教員に要求する公共的業務の一種である。また、責任をもたされた生徒の教育および福祉に対して、個人的および共同の責任感を要求するものである。
 
7 教員の養成および雇用のすべての面にわたって、人種、皮膚の色、性別、宗教、政治的見解、国籍または門地もしくは経済的条件にもとづくいかなる形態の差別も行なわれてはならない。
 
8 教員の労働条件は、効果的な学習を最もよく促進し、教員がその職業的任務に専念することができるものでなければならない。
 
9 教員団体は、教育の進歩に大きく寄与しうるものであり、したがって教育政策の決定に関与すべき勢力として認められなければならない。 

4 教育目的と教育政策 
10 それぞれの国で必要に応じて、人的その他のあらゆる資源を利用して「指導的諸原則」に合致した包括的な教育政策を作成すべく適切な措置がとられなければならない。その場合、権限ある当局は以下の諸原則および諸目的が教員に与える影響を考慮しなければならない。
(a) 子どもができるだけ最も完全な教育の機会を与えられることは、すべての子どもの基本的権利である。特別な教育的取扱いを必要とする子どもについては、適正な注意が払われなければならない。
(b) あらゆる便宜は、性、人種、皮膚の色、宗教、政治的見解、国籍または門地もしくは経済的条件のゆえに差別されることなくすべての人々が教育を受ける権利を享受しうるように、平等に利用しうるものであるべきである。
(c) 教育は、一般公共の利益に役立つ基本的重要性をもつ業務であるから、国家の責任であることが認識されなければならない。国家は十分に学校を分布し、そこで無償の教育を行ない、貧しい児童に物質的援助を与えなければならない。
 このことは父母および場合によっては法的保護者が国家によって設立される学校以外の学校をその子どものために選ぶ自由を妨げるもの、または、国家によって定められているか認められている最低教育水準をみたした教育機関を個人あるいは団体が設立し管理する自由を妨げるものという意味に解釈されてはならない。
(d) 教育は経済成長における不可欠の要因であるから、教育計画は生活条件改善のために立てられる経済的・社会的全計画の必要欠くべからざる部分とならなければならない。
(e) 教育は、継続的過程であるから、教育業務の各種部門は、すべての生徒に対する教育の質を向上させると同時に、教員の地位を高めるよう調整されなければならない。
(f) いかなるタイプのいかなる段階の教育へも児童が進学する機会を制限するような隘路が起きないよう、適切に相互関連した柔軟性ある学校システムに自由に入れるようにしなければならない。
(g) 教育の目標として、いかなる国家も単に量でのみ満足すべきではなく、質の向上をも追求しなければならない。
(h) 教育においては、長期および短期の計画と課程編成が必要である。共同社会に今日の生徒をうまく組み入れることは、現在の要請より、むしろ将来の必要による。
(ⅰ) すべての教育計画には、自国民の生活に精通し、母国語で教えることのできる国民である、有能で資格のある十分な数の教員の養成および現職教育の早期対策が、各段階にわたって含まれていなければならない。
(j) 教員養成及び現職教育の分野における系統的継続的な研究と活動の協力が、国際的次元での協同研究および研究成果の交流をふくめて、欠くことのできないものである。  
(k)教育政策とその明確な目標を決定するためには、文化団体、研究・調査機関はもちろんのこと、権限ある当局、教員、使用者、労働者および父母等の各団体ならびに文化団体、研究調査機関の間で、緊密な協力が行なわれなければならない。
(l)教育の目的、目標の達成は、教育にあてられる財政手段に大きくかかっているのであるから、すべての国において、国家予算のなかで、国民所得のうちの十分な割合を教育の発展に配分することをとくに優先すべきである。
 
5 教職への準備 
養成のための選抜 
11 教員養成機関への入学に関する政策は、必要な道徳的、知的および身体的資質を備え、かつ要求される専門的知識および技能をもった十分な数の教員を社会に提供するという必要にもとづいたものでなければならない。
 
12 この必要に応じるため、教育当局は、教員養成に十分な魅力をもたせ、また適切な機関に十分な数の定数を準備しなければならない。
 
13 この職業に入るすべての者に、適切な教員養成機関において、認定されたコースを修了することが要求されなければならない。
 
14 教員養成機関への入学許可は、まず適正な中等教育の全課程を終了し、かつ将来この職業にたずさわるものにふさわしい一員となることに役立つような個人的資質をもっていることの証明にもとづくものでなければならない。
 
15 教員養成機関への入学を認可する一般的基準が維持されなければならないが、入学に必要な正規の学問的諸条件が少し不足していても、技術および職業の面でとくに貴重な経験をもっている者は入学を許可されてよい。
 
16 教員養成課程の生徒には、定められた課程をうけられるよう、かつ相応の生活ができるよう、適当な奨学金または財政的援助が与えられなければならない。できる限り権限ある当局は無償の教員養成機関の制度を樹立するよう努力しなければならない。
 
17 教員養成についての機会および奨学金または財政的援助に関する情報が、学生および教員を希望する他の人々にいつでも手に入るよう準備されていなければならない。
 
18
(1) 教職につく権利を部分的、または全面的に確立するものとして、他国で終了した教員養成課程の価値に正当な考慮が払われなければならない。
(2) 国際的に同意された基準に照らして、職業上の地位を授ける教授資格証明書を国際的に承認するための措置がとられなければならない。
 
教員養成課程 
19 教員養成課程の目的は、学生一人ひとりが、一般教育および個人的教養、他人を教える能力、国の内外を問わず良い人間関係の基礎をなす諸原則の理解、および、社会、文化、経済の進歩に、授業を通して、また自らの実践を通して貢献するという責任感を発展させるものでなければならない。
 
20 基本的に教員養成課程は次のものを含むべきである。
(a) 一般教養課目
(b) 教育に応用される哲学・心理学・社会学・教育学および比較教育の理論と歴史・実験教育学・教育行政および各種教科の教授法等の諸科目の重要点に関する学習
(c) その学生が教えようとする分野に関する諸科目
(d) 十分に資格ある教員の指導のもとでの授業および課外活動指導の実習
 
21
(1) すべての教員は、一般教養科目、専門科目、教育学諸科目について、大学または大学と同等の教育機関で、あるいは教員養成のための特別機関で養成されなければならない。
(2) 教員養成課程の内容は、障害児施設あるいは技術・職業学校等、種別を異にする学校で、教員が果たすことを求められる任務に応じて、合理的に変更することができる。後者の場合、この課程は、工業、商業または農業の現場において習得されるべき実際経験を含みうる。
 
22 教員養成課程は、各人の学術的または専門的教育もしくは技能開発コースと並んで、あるいはそれに引き続いて、専門コースをおくことができる。
 
23 教職のための教育は、通常、全日制であるべきである。ただし、年長の教職志望者や特別な部門にある者に対しては、このような課程の内容や修了の規準は、全日制課程の者と同様の水準にもとづくという条件のもとで、その課程の全部あるいは一部が定時制で行なわれるようにする特別の措置を講ずることができる。
 
24 初等、中等、技術、専門または職業教育のいずれの教員であるかにかかわりなく、異なった種類の教員が、有機的に関係ある、ないしは地理的に相互に近接する養成機関で教育をうけられるようにすることが望ましいことを配慮しなければならない。
 
教員養成機関 
25 教員養成機関の教員は、高等教育と同等のレベルで、その専門について教えうる資格をもたなければならない。教育学諸教科の担当教員は、学校での授業経験をもたなければならない。そして可能なところでは学校での授業義務を補うことによって定期的にこの経験が再強化されなければならない。
 
26 教育および個々の教科の教授法の研究および実験的試みは、教員養成機関に研究施設を設けること、およびその教員と学生による研究活動等を通じて促進されなければならない。教員養成にたずさわる全教員は、関係分野における研究成果を熟知し、その成果を学生に伝達するよう努力しなければならない。
 
27 教員養成機関における生活、活動、規律を定める措置について、教員と同様に、学生もその意見を表明する機会をもたなければならない。
 
28 教員養成機関は、学校が研究の成果や方法論上の進歩に歩調を合わせて進めるようにし、また、学校と教員の経験を教員養成機関自身の活動の中に反映しながら、教育事業における発展の中心をなすものでなければならない。
 
29 教員養成機関は、個別にまたは合同し、他の高等教育機関または教育当局と提携して、または単独で、教員養成課程を満足に終了した学生には資格証明を与える責任をもたなければならない。
 
30 学校当局は、教員養成機関と協力して、新卒教員が、習得した内容、個人の希望、環境に応じて就職できるよう、適切な措置を講じなければならない。
 
 
・6 教員の継続教育 
31 当局と教員は、教育の質と内容および教授技術を系統的に向上させていくことを企図する現職教育の重要性を認識しなければならない。
 
32 当局は、教員団体と協議して、すべての教員が無料で利用できる広範な現職教育の制度の樹立を促進しなければならない。この種の制度は、多岐にわたる手段を準備し、かつ、教員養成機関、科学・文化機関および教員団体がそれぞれ参加するものでなければならない。一時教職から離れて再び教職に戻る教員のためとくに再訓練課程を設けなければならない。
 
33 
(1) 教員がその資格を向上させ職務の範囲を変更または拡大し、または、昇進を希望し、かつ、担当教科や教育分野の内容および方法について最も新しいものを常に身につけるために、講習または他の適当な便宜が考慮されるべきである。
(2) 教員が、その一般教育や職業資格を向上するための書物、その他の資料を利用できるようにする諸手段が講じられなければならない。
 
34 教員には継続教育の課程や便宜に参加するための機会および刺激が与えられ、また教員はこれらを十分に活用すべきである。
 
35 学校当局は、学校が教科および教授法に関する研究成果をとり入れられるようにするため、あらゆる努力を払わなければならない。
 
36 当局は、教員が、継続教育を目的として、集団であれ、個人であれ、自国内および国外を旅行するのを奨励すべきであり、できる限り、援助を与えなければならない。
 
37 国際的または地域的な規模での財政的技術的協力によって、教員の養成および継続教育のためにとられる措置が発展され補足されることが望ましい。

・7 雇用とキャリア 
教職への参加 
38 教員団体との協力により、採用に関する政策を適切な次元で明確に定め、かつ教員の義務と権利を定める規則を制定しなければならない。
 
39 教職への就職に関する試用期間は、新しい教職参加者への励ましとたよりになる手ほどきのための、そして教員自身の実際の教授能力を向上させることとならんで適切な専門的水準を確立し、保持するための機会として教員およびその使用者の両者によって認識されなければならない。通常の試用期間は、あらかじめ知らされるべきであり、それを満足に修了するための条件は、厳密に職業的能力に関連づけられなければならない。もしその教員が試用期間を満足に修了しえなかったときは、教員はその理由を知らされなければならず、かつこれに対して意見を述べる権利をもたなければならない。
 
昇進と昇格 
40 教員は、必要な資格を有することを条件として、教育の仕事の範囲内で、ある種の学校または、ある段階の学校から、他の種の学校または他の段階の学校に異動できなければならない。
 
41 教育事業の組織と構造は、個々の学校のそれをも含めて、個々の教員が付加的な責任を果たすことの自覚、および果たすための十分な機会を、これらの責任が教員の教授活動の質または規則性に不利にならないという条件のもとに、与えられなければならない。
 
42 学校が十分に大きければ、さまざまの教員が、各種の責任を果たすことから、生徒も利益を得、教員も機会を与えられるという利点に考慮が払われなければならない。
 
43 督学官および教育行政官、教育管理者あるいはその他、特別責任をもつ職など教育に責任をもつ職はできる限り広く経験豊かな教員に与えられなければならない。
 
44 昇格は、教員団体との協議により定められた、厳密に専門職上の基準に照らし、新しいポストに対する教員の資格の客観的な評価にもとづいて行なわなければならない。
 
身分保障 
45 教職における雇用の安定と身分保障は、教員の利益にとって不可欠であることはいうまでもなく、教育の利益のためにも不可欠なものであり、たとえ学校組織、または、学校内の組織に変更がある場合でも、あくまでも保護されるべきである。
 
46 教員は、その専門職としての身分またはキャリアに影響する専断的行為から十分に保護されなければならない。
 
専門職としての行為の違反に関する懲戒処分 
47 専門職としての行為違反の責を負うべき教員に適用される懲戒措置は明確に規定されなければならない。懲戒手続、およびすべての決定された措置は、授業活動の禁止が含まれているか、あるいは生徒の保護または福祉がそれを必要とする場合を除いて、その教員がそれを要求するときにのみ公表されなければならない。
 
48 懲戒を提案し、ないしは適用する資格を有する当局ないし機関は、明確に指定されなければならない。
 
49 教員団体は、懲戒問題を扱う機関の設置にあたって、協議にあずからなければならない。
 
50 すべての教員は、一切の懲戒手続の各段階で公平な保護をうけなければならない。とくに、
(a) 懲戒の提起およびその理由を文書により通知される権利
(b) 事案の証拠を十分に入手する権利
(c) 教員が弁護準備に十分な時間を与えられ、自らを弁護し、または自己の選択する代理人によって弁護をうける権利
(d) 決定及びその理由を書面により通知される権利
(e) 明確に指定された権限ある当局または機関に不服を申し立てる権利
 
51 懲戒からの保護、ならびに懲戒それ自体の効果は、その教員が、同僚の参加のもとで判定をうける場合、非常に高まる、ということを当局は認識しなければならない。
 
52 右の第47項から第51項の諸規定は、刑法のもとで処罰される行為に対して、国内法規に従って通常適用される手続にいかなる意味でも影響を及ぼすものではない。
 
健康診断 
53 教員は定期健康診断をうけることを要求されるべきであり、それは無料で行なわれなければならない。
 
家庭の責任をもつ女性教員 
54 結婚が女子教員の採用または雇用の継続の障害とみなされてはならず、また報酬、その他の労働条件に影響してはならない。
 
55 使用者は、妊娠および母性休暇の故をもって、雇用契約を解除することを禁止されなければならない。
 
56 家庭の責任をもつ教員の子どもの面倒を見るため、望ましい場合には、保育所、託児所等の特別の便宜が考慮されなければならない。
 
57 家庭の責任をもつ女子教員が居住地域で勤務できるようにし、また夫婦とも教員である者は、近接する学区あるいは同一学区および同一学校で勤務できるようにするための措置が講じられなければならない。
 
58 適切な条件のもとでは、定年前に離職した、家庭の責任をもつ女子教員は、再び教職に戻るように奨励されなければならない。
 
非常勤の勤務 
59 当局と学校は、必要な場合には、何らかの理由からフルタイムで勤務することのできない有資格教員によるパートタイムの勤務の価値を認識しなければならない。
 
60 正規にパートタイムで雇用される教員は、
(a) フルタイムで雇用される教員と比率的に同一報酬をうけ、同一の基本的雇用条件を享受すべきであり、
(b) 有給休暇、疾病休暇、母性休暇について、フルタイムで雇用される教員と同一の適格条件を前提として、同等の権利を与えられるべきであり、
(c) 使用者による年金制度の適用を含めて、十分かつ適切な社会保障の保護をうける権利を与えられるべきである。
 
・8 教員の権利と責任 
職業上の責任 
61 教育職は専門職としての職務の遂行にあたって学問上の自由を享受すべきである。教員は生徒に最も適した教材および方法を判断するための格別の資格を認められたものであるから、承認された計画の枠内で、教育当局の援助をうけて教材の選択と採用、教科書の選択、教育方法の適用などについて不可欠な役割を与えられるべきである。
 
62 教員と教員団体は、新しい課程、新しい教科書、新しい教具の開発に参加しなければならない。
 
63 一切の視学、あるいは監督制度は、教員がその専門職としての任務を果たすのを励まし、援助するように計画されるものでなければならず、教員の自由、創造性、責任感をそこなうようなものであってはならない。
 
64
(1) 教員の仕事を直接評価することが必要な場合には、その評価は客観的でなければならず、また、その評価は当該教員に知らされなければならない。
(2) 教員は、不当と思われる評価がなされた場合に、それに対して不服を申し立てる権利をもたなければならない。
 
65 教員は、生徒の進歩を評価するのに役立つと思われる評価技術を自由に利用できなければならない。しかし、その場合、個々の生徒に対していかなる不公平も起こらないことが確保されなければならない。
 
66 当局は、各種の課程および多様な継続教育への個々の生徒の適合性に関する教員の勧告を、正当に重視しなければならない。
 
67 生徒の利益となるような、教員と父母の密接な協力を促進するために、あらゆる可能な努力が払われなければならないが、しかし、教員は、本来教員の専門職上の責任である問題について、父母による不公正または不当な干渉から保護されなければならない。
 
68
(1) 学校または教員に対して苦情のある父母は、まず第一に学校長および関係教員と話し合う機会が与えられなければならない。さらに苦情を上級機関に訴える場合はすべて文書で行なわれるべきであり、その文書の写しは当該教員に与えられなければならない。
(2) 苦情調査は、教員が自らを弁護する公正な機会が与えられ、かつ、調査過程は公開されてはならない。
 
69 教員は、生徒を事故から守るため最大の注意を払わねばならないが、教員の使用者は、校内または校外における学校活動の中で生じた生徒の傷害のさいに教員に損害賠償が課せられる危険から教員を守らねばならない。
 
教員の責任 
70 すべての教員は、専門職としての地位が教員自身に大きくかかっていることを認識し、そのすべての専門職活動の中で最高の水準を達成するよう努力しなければならない。
 
71 教員の職務遂行に関する専門職の基準は、教員団体の参加のもとで定められ維持されなければならない。
 
72 教員と教員団体は、生徒、教育事業および社会全般の利益のために当局と十分協力するよう努力しなければならない。
 
73 倫理綱領または行動綱領は教員団体によって確立されなければならない。なぜなら、この種の綱領はこの専門職の威信を確保し、また合意された原則に従った職責の遂行を確保するうえで大きく貢献するからである。
 
74 教員は、生徒および成人の利益のために課外活動に参加する用意がなければならない。
 
教員と教育事業全体との関係 
75 教員がその責任を果たすことができるようにするため、当局は教育政策、学校機構、および教育事業の新しい発展等の問題について教員団体と協議するための承認された手段を確立し、かつ、定期的にこれを運用しなければならない。
 
76 当局と教員は、教育事業の質の向上のために設けられた措置、教育研究、新しく改善された教育方法の発展と普及に教員がその団体を通じ、またその他の方法によって、参加することの重要性を認識しなければならない。
 
77 当局は、一つの学校またはより広い範囲にわたり、同一教科担任教員の協力を促進することを企図する研究会の設立とその活動を容易にすべきであり、この種の研究会の意見や提案に正当な考慮を払わなければならない。
 
78 教育事業の各方面に責任をもつ行政職員およびその他の職員は、教員と健全な関係を保つよう努力すべきであり、また、教員の側もこれら職員に対して同様でなければならない。
 
教員の権利 
79 教員の社会的および公的生活への参加は、教員の個人的発達、教育事業および社会全体の利益のために奨励されなければならない。
 
80 教員は市民が一般に享受する一切の市民的権利を行使する自由をもち、かつ、公職につく権利をもたなければならない。
 
81 公職につく要件として、教員が教育の職務をやめなければならないことになっている場合、教員は、先任権、年金のために教職にその籍を保持し、公職の任期終了後には、前職ないしは、これと同等の職に復帰することが可能でなければならない。
 
82 教員の給与と労働条件は、教員団体と教員の使用者の間の交渉過程を通じて決定されなければならない。
 
83 法定の、または任意の交渉機構を設置し、これにより教員が教員団体を通じてその公的または私的使用者と交渉を行なう権利が保障されなければならない。
 
84 雇用条件等から生じる教員と使用者の間の争議の解決にあたるため、適切な合同の機構が設置されなければならない。もしこの目的のために設けられた手段と手続が使い尽くされ、あるいは当事者間の交渉が行きづまった場合、教員団体は、他の団体がその正当な利益を保護するため普通もっているような他の手段をとる権利をもたなければならない。
 
・9 効果的な授業と学習のための条件 
85 教員は価値のある専門家であるから、教員の仕事は、教員の時間と労力が浪費されないように組織され援助されなければならない。
 
学級規模 
86 学級規模は、教員が生徒一人ひとりに注意を払うことができるようなものでなければならない。時には矯正教育などを目的とする小グループまたは個人授業の措置を講じ、また時には視聴覚教具を使用する大グループ授業の措置を講じることもできる。
 
補助職員 
87 教員がその専門的職務に専念することができるように、学校には授業以外の業務を処理する補助職員を配置しなければならない。
 
教授用具 
88
(1) 当局は、教員と生徒に最新の教具を提供しなければならない。このような教具は教員を代用するものとしてではなく、教授の質を向上させ、より多くの生徒に教育の利益を施すための手段とみなさなければならない。
(2) 当局はこの種の教具の利用についての研究を助長しなければならず、また教員がこのような研究に積極的に参加するように奨励しなければならない。
 
労働時間 
89 教員が1日あたり、および1週あたり労働することを要求される時間は、教員団体と協議して定められなければならない。
 
90 授業時間を決定するにあたっては、教員の労働負担に関係するつぎのようなすべての要因を考慮に入れなければならない。
(a) 教員が1日あたり、1週あたりに教えることを要求される生徒数
(b) 授業の十分な立案と準備ならびに評価のために要する時間
(c) 各日に教えるようにわりあてられる異なる科目の数
(d) 研究、正課活動、課外活動、監督任務および生徒のカウンセリングなどへ参加するために要する時間
(e) 教員が生徒の進歩について父母に報告し、相談することのできる時間をとることが望ましいということ
 
91 教員は現職教育の課程に参加するために必要な時間を与えられなければならない。
 
92 課外活動への参加が教員の過重負担となってはならず、また教員の本務の達成を妨げるものであってはならない。
 
93 学級での授業に追加される特別な教育的責任を課せられる教員は、それに応じて通常の授業時間を短縮されなければならない。
 
年次有給休暇 
94 すべての教員は、給与全額支給の適正な年次休暇をもつ権利を享受しなければならない。
 
研修休暇 
95
(1) 教員は給与全額または一部支給の研修休暇をときどき与えられなければならない。
(2) 研修休暇の期間は、先任権および年金のための在職期間に通算されなければならない。
(3) 人口集中地帯からかけ離れ、公共当局によってそのように認められている地域に住む教員は、他の教員よりひんぱんに研修休暇を与えられなければならない。
 
特別休暇 
96 2国間および多国間文化交流の枠内で与えられる休暇期間は、勤務とみなされなければならない。
 
97 技術援助計画に従事する教員は、休暇を与えられなければならない。そして本国における彼らの先任権、昇任資格および年金権は保護されなければならない。さらに、臨時出費をつぐなう特別の措置を講じなければならない。
 
98 外国からの客員教員も、同様に本国から休暇を与えられなければならず、先任権および年金権は保護されなければならない。
 
99
(1) 教員は、教員団体の活動に参加できるように給与全額支給の休暇を随時与えられなければならない。
(2) 教員は、教員団体の役職につく権利を有するべきであり、この場合、公職につく教員と同等の諸権利をもたなければならない。
 
100 教員は、雇用に先立って行なわれた取り決めにしたがって、正当な個人的理由による、給与全額支給の休暇を与えられなければならない。
 
病気休暇と出産休暇 
101
(1) 教員は有給の病気休暇の権利を与えられなければならない。
(2) 給与の全額または一部を支払われる期間を決定するにあたっては、教員を長期間にわたって生徒から隔離することが必要な場合があることを考慮しなければならない。
 
102 国際労働機関によって定められた母性保護の分野における諸基準、とくに1919年の母性保護条約、1952年の母性保護条約(改定)は、本勧告の第126項の諸基準と同じく、これを実施しなければならない。
 
103 子どもをもつ女子教員は、失職することなく、かつ、雇用から生ずるすべての権利を完全に保護されて、出産後一年まで追加の無給休暇を、要求によって取得することができるような措置により、教職にとどまることを奨励されなければならない。
 
教員の交流 
104 当局は教育活動にとっても、教員自身にとっても、外国との専門的、文化的交流および教員の外国旅行が大きな価値をもっていることを認識しなければならない。また当局は、このような機会を拡げるよう努力し、かつ、個々の教員が外国で得た経験を考慮しなければならない。
 
105 このような交流の希望者の募集は、いかなる差別もなしに行なわれなければならず、また、関係者はいずれか特定の政治的見解を代表するものとみなされるべきではない。
 
106 外国で研究し、教えるために旅行する教員は、そうするための十分な便宜と、その職と地位に対する適切な保障を与えられなければならない。
 
107 教員は、外国で得た教育上の経験を、教員の同僚とわかち合うことを奨励されなければならない。
 
校舎 
108 校舎は安全で全体のデザインが魅力的であり、また配置において機能的でなければならない。校舎は効果的な教授、課外活動に役立ち、またとくに農村地域においては、地域社会のセンターとして役立つものでなければならない。校舎は、定められた衛生基準にしたがって、また耐久性、適応性および容易かつ経済的な維持という観点から建設されなければならない。
 
109 当局は、生徒と教員の健康と安全を、いかなる点でもおびやかすことのないように、学校施設、校舎が適正に維持されることを保障しなければならない。
 
110 新しい学校を計画するときには、教員代表と協議しなければならない。既存の学校に施設を新築するかあるいは増築する場合は当該学校の教職員と協議しなければならない。
 
農村または僻地に勤務する教員のための特別措置 
111
(1) 人口集中地帯からかけ離れ、公共当局によってそのように認められている地域に勤務する教員とその家族に対しては、無料または家賃補助のある相応な住宅が提供されなければならない。
(2) 教員が、その通常の教育の仕事のほかに地域社会活動を刺激、促進することを期待されている国々では、その開発計画に、教員のための適当な宿泊設備の用意が含まれなければならない。
 
112
(1) 僻地の学校への任命あるいは転勤にあたって、教員には自身とその家族の移転および旅行の費用が支払われなければならない。
(2) このような地域に住む教員には、必要な場合、彼らの専門職としての水準の維持を可能にさせるための特別の旅行の便宜を与えなければならない。
(3) 僻地に転勤された教員は、誘引策として、休暇で年に一度帰郷する際の旅費を支払われるべきである。
 
113 教員が、特殊の困難にさらされる場合は、つねに特別困難手当の支給によって教員に補償すべきであり、このような手当は、年金計算の基礎となる収入に含まれなければならない。

・10 教員の給与 
114 教員の地位に影響する様々な要因のなかでも、給与はとくに重要視しなければならない。なぜならば、今日の世界的状況の中では教員に与えられる信望または尊敬、彼らの機能の重要性についての評価の程度等の諸要因は、他の対応する専門職の場合と同様、主として教員のおかれている経済的状態にかかっているからである。
 
115 教員の給与は
(a) 教員が教職についたときから彼らに課されるあらゆる種類の責任を反映しなければならないと同時に、教育機能の社会に対する重要性、したがって教員の重要性を反映しなければならない。
(b)類似のあるいは同等の資格を要求される他の職業に支払われる給与とくらべて有利なものでなければならない。
(c) 彼ら自身と家族のために適正な生活水準を確保するとともに、研修の積み重ねまたは文化活動を続け、もって専門職としての資質を向上するに足るものでなければならない。
(d) ある種のポストは、より高い資質と経験を必要とし、より大きな責任をともなうという事実を考慮しなければならない。
 
116 教員は、教員団体との合意によって定められた給与表にもとづいて給与を支払われなければならない。いかなる場合にも、有資格の教員には、その試用期間中あるいは臨時採用中に、正式に雇用された教員を対象として規定されたものより低い給与表によって給与を支払ってはならない。
 
117 給与構造は、異なる教員集団の間のまさつを起こす原因となる不公平や変則性を生じないように計画されねばならない。
 
118 最高授業時数が定められている場合、正規の時間数が通常の最高限度を超える教員は、承認された給与表にもとづいて追加の報酬をうけなければならない。
 
119 給与差は、資格水準、経験年数、責任度などの客観的な基準にもとづいたものであり、最低給と最高給の関係は、合理的なものでなければならない。
 
120 いかなる学位ももたない職業科あるいは技術科の教員を基本給与表に格付けする場合には、その実際的訓練と経験の価値が考慮されなければならない。
 
121 教員の給与は1年を基準として算出されなければならない。
 
122
(1) 定期的な、なるべくならぱ年1回の給与増加による同一等級内の昇給を規定しなければならない。
(2) 基本的給与表の最低額から最高額に達する期間は、10年ないし15年をこえてはならない。
(3) 試用あるいは臨時採用期間中の勤務に対しても、昇給を認めなければならない。
 
123
(1) 教員の給与表は、生活費の値上り、国内における生活水準の向上をみちびく生産性の増加、賃金または給与水準の全般的上昇動向などの要因を考慮に入れて定期的に再検討されなければならない。
(2) 生活費指数にしたがって、給与を自動的に調整する制度を採用している国では、どの指数をとるかは、教員団体の参加のもとに決定しなければならない。そして、支給される生活手当は、すべて年金計算の基礎となる収入に含まれるものとみなされなければならない。
 
124 給与決定を目的としたいかなる勤務評定制度も、関係教員団体との事前協議およびその承認なしに採用し、あるいは適用されてはならない。
 
・11 社会保障 
一般的規定 
125 すべての教員は、勤務する学校の種類に関係なく、同一の、または類似の社会保障を享受することができなければならない。保障は、教員として正式に採用されている者に対する養成期間および試用期間にも及ぼされなければならない。
 
126
(1) 教員は、国際労働機関の1952年の社会保障(最低基準)条約に含まれるすべての事故に関する社会保障措置、すなわち、医療、病気給付、失業給付、老齢給付、業務傷害給付、家族給付、出産給付、廃疾給付および遺族給付によって保護されなければならない。
(2) 教員のための社会保障の諸基準は、少なくとも国際労働機関関係文書とくに1952年の社会保障(最低基準)条約に定められた基準と同程度に有利なものでなければならない。
(3) 教員のための社会保障給付は、権利として与えられなければならない。
 
127 教員の社会保障による保護は、第128項から第140項の諸規定に示されるような教員の特殊な雇用条件を考慮しなければならない。
 
医療 
128 医療施設が不十分な地域では、教員は適切な医療をうけるために必要な旅費を支給されなければならない。
 
病気給付 
129
(1) 病気給付は、収入の中絶をともなうすべての就業不能期間を通じて与えられなければならない。
(2) それは収入中絶のつど、その第1日目から支払われなければならない。
(3) 病気給付の継続期間が一定期間に限られている国では、教員を生徒から隔離しておくことが必要な場合における延長を規定しなければならない。
 
業務障害給付 
130 教員は、学校における授業中のみならず、学校の施設あるいは敷地をはなれて学校の活動に従事しているときにうけた傷害の結果に対しても、保護されなければならない。
 
131 子どもの間に流行している一定の伝染病は、生徒との接触のために、これらの病気にさらされる教員が感染したときには、職業病と見なされなければならない。
 
老齢給付 
132 教員が国内のいかなる教育当局から獲得した年金資格も、同一国内の他のいかなる当局の雇用の下に転勤しても通算されなければならない。
 
133 教員不足が真に認められた場合、年金受給資格を得た後も勤務を続ける教員は、国内法令を考慮して、年金計算において、その後の追加勤務年数を加算され、または適当な機関を通じて追加年金を得ることができなければならない。
 
134 老齢給付は、教員が適切な生活水準を維持し続けられるように最終収入に相応したものでなければならない。
 
廃疾給付 
135 廃疾給付は、身体的または精神的障害のために教職を中止することを余儀なくされた教員に支払われなければならない。病気給付の延長その他の手段によっても償われないような後遺障害の場合には、年金の支払が規定されなければならない。
 
136 教員の障害が部分的なもので、パートタイムで教えられるときは、部分的廃疾給付が支払われなければならない。
 
137
(1) 廃疾給付は、その教員が適切な生活水準を維持し続けられるように、最終収入に相応したものでなければならない。
(2) 可能なかぎり、障害のある教員を、以前の活動の再開のために準備させることを目的とする機能回復のための治療活動と同時に、障害のある教員の健康を回復すること、あるいはそれが不可能ならぱいくらかでも向上させることを目的とする医療およびそれと関連した諸給付が規定されなければならない。
 
遺族給付 
138 遺族給付資格付与の条件とその給付の額は、遺族が適正な生活水準を維持し、残された子どもの福祉と教育を確保することを可能にするものでなければならない。
 
教員に社会保障を与えるための手段 
139
(1) 教員のための社会保障の保護は、できるだけ公共部門の、あるいはそれが適当な場合には民間部門の被雇用者に適用される一般的制度を通して確保されなければならない。
(2) 補償すべき1つまたは2以上の事故のための一般的制度が存在していない場合には、法令による、またはよらない特別制度を確立しなければならない。
(3) 一般的制度のもとにおける給付水準がこの勧告に規定されたものより低いときには、補足的制度によって勧告された水準まで引き上げなければならない。
 
140 基金の投資を含めて、これらの特別制度および補助制度の運営に教員団体の代表を関与させる可能性に対して考慮を払わなければならない。
 
・12 教員の不足 
141
(1) すべての教員の緊急補充問題は、あくまで臨時の措置としてのみ考えられなければならず、すでに確立した、あるいは確立されるべき専門職としての基準をいかなる形にせよ引き下げ、または危くすることがなく、生徒に対する教育上の損失を最小限にとどめる方策によって処理することを指導原則としなければならない。
(2) 過大学級、教員の授業担当時間の不当な延長など、教員の不足に対処することを目的とした臨機の処置は、教育の目的目標と両立しがたいものであり、生徒たちにとっても有害であることを認識して、権限ある当局は、緊急にこれらの便宜的処置を不必要とし、廃止するための手段を講じなければならない。
 
142 教員を供給する上で短期の集中的な応急教員養成課程を必要とする発展途上の国々では、教育事業を指導し、指示する能力のある専門的訓練を受けた有能な教員群を生み出すために十分に専門的で、包括的な課程を準備しなければならない。
 
143
(1) 応急の短期課程で訓練をうけるために入学を許可される学生は、彼らが引き続いて全課程の必要課目を修得することができるように、通常の専門課程あるいはそれよりも高度の課程への入学に適用される基準に照らして選抜されなければならない。
(2) このような学生が勤務しつつその資格を完全なものにすることができるように、給与全額支給の特別研修休暇を含む措置と特別の便宜が与えられなければならない。
 
144
(1) できる限り、無資格者は、専門職としての資格をもつ教員の綿密な監督と指導のもとに勤務させなければならない。
(2) 継続雇用の一条件として、これらの者には、その資格を得ること、あるいは十分なものにすることが要求されなければならない。
 
145 教員の社会的・経済的地位、生活条件および労働条件、雇用条件ならびにキャリアの見通しを改善することが、有能かつ経験をつんだ教員が不足しているという事態を克服することであり、また、完全な資格をもつ人々を十分な数だけ教職にひきつけ、ひきとめる最良の手段であることを当局は、認識しなければならない。
 
・13 最終規定 
146 教員がいくつかの点でこの勧告に規定されているより有利な地位を享受しているところでは、本勧告の諸規定を、すでに与えられている地位を引き下げるように活用してはならない。 
 
(三省堂版『解説教育六法』より)/全教ホームページ

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