高知市 総括抜きの「負担増」提案
高知市議会が9日開催した。市長の提案説明… まったく説明責任を果たしてない。財政懇話会での指摘として概ね以下のように言っているが、懇話会を傍聴していた私からすれば、肝心なところを避け、ご都合主義に引用している。
提案説明は「これまでの対策は問題の先送りで財政構造が改善されたものではないことを、市民に説明する必要がある」「経常経費は定数削減には余地はあるものの、他都市とくらべ経常経費は抑制されており、削減の余地はむつかしい」「都市計画税を徴収してないなかで、今後も投資を続けることは困難で、投資をやめるか。投資をするなら市民負担をお願いもしなけければならない」という意見をいただいたと、のべている。
懇話会をリードしたのは小西砂千夫氏である。
まず、先送り問題では、そのことを「総括」し、市民に説明する必要がある、と言ったのであり、「どんな財政構造が今の危機を作ったのか」について、市長は何も語ってない。
行革努力については「定数削減については改善の余地はあるものの」というような明確な指摘はなった。午前中の会議で、人口1人あたりの人件費及び人件費相当額の市の説明をうけ「若干の問題はある」としたが、午後の最終の発言では「効率的な運営がされている。行革の努力は強調すべき。ここからは予算はてでこない」「範を示す」程度と言っている。
とにかく人を減らしたという市長の思惑が先行してこういう表現になったのだろう。 だから市長説明は「定数削減の余地はある」「(人件費、物件比)削減の余地は難しい」という矛盾した表現となっている。
「都市計画税」云々では、小西氏は、投資的経費を「ほおばりずき」と指摘した。大きく削減した今後の計画を見て、そう表現したのだから、過去の巨大プロジェクトが如何に異常だったか、その説明を市はすべきである。そこにはまったく触れてない。その上で、小西氏は「投資か負担かは、市民、議会の選択」と指摘している。
ところが、今後のまちづくり計画をどうするのか、検証、検討することなく、その方向すら打ち出さず、下水道使用料の2割アップ、使用料、手数料の16%アップとゴミ収集の有料化の方向を打ち出している。
何も説明してないのに等しい。
市長は、「財政破たんすれば、市民に多大な負担をかけることになる。絶対避けなければならない」というのだが、一番肝心の投資的経費の総括と今後の検討抜きにしては、単なる「脅し文句」の域を出ない。
同和行政のムダ、過大な投資的経費・・・その総括抜きに、負担をおしつけようとして、下水道料金や使用料・手数料のアップ、ゴミ収集の有料化を、それぞれの枠の中で「合理化」しようとするので、まったくおかしなことになっている。
下水道では、公費としての基準内繰り出しがあるのに、その話には一切触れず、一般財源財源からの繰り出しをなくしていくことが大事、というような行政論としてもごまかしの説明をしている。
ゴミでは、市民の協力による高知方式で他都市の処理費と比較して、人口1人あたり5千円安い処理費、つまり高知市全体では16億円も経費を削減していることに、市の説明会の資料でも、市長の提案理由でも明示されていない。有料化によるゴミ減量化とか全国的有料化の動向とか曖昧な話しかできない。
「財政破たんさせてはならない」と提案された使用料、手数料の増収額は年5600万円。これをやらないと5年間の収支不足295-387億円に対応できない、そうだ。
市民の文化、スポーツ活動が停滞することは、それ自体、健康づくりとなって、都市の活力となるのではないか。
こうした財政運営を応援してきた他会派も、まず自らがどうだったのか、その責任を明らかにし、総括してから、質問に立つべきである。
« 「子どもの貧困~日本の不公平を考える」 阿部彩 備忘録 | Main | 近江八幡 病院PFIの契約解除 違約金20億円 »
「高知市政」カテゴリの記事
- 「よいところは継続」 桑名新市長の当初予算に賛成 日本共産党高知市議団‣声明(2024.03.23)
- キャンセルカルチャー 「大衆的検閲」の行く先(2024.03.13)
- 高知市長選 なせ岡崎市長の支援を決めたか(2023.10.04)
- 2023年3月 高知市議会メモ(2023.05.15)
- 生活保護 冬季加算「特別基準」(通常額の1.3倍) 高知市「抜かっていた」「速やかに実施」 (2022.12.28)
「行政改革」カテゴリの記事
- 下水道事業の企業会計導入をめぐって(2023.12.23)
- ポストコロナ政策 政府・財界が狙う「地方制度改革」の倒錯(メモ)(2020.09.29)
- 自治体の公共事業予算 年度内に使えなかった1兆9000億円~深刻な職員不足(2019.12.25)
- 人生の墓場・やりがい搾取…厚労省若手チームの調査・提言…が、安倍政権は「定数減」推進を見直さず(2019.09.03)
- 地方公務員5人に1人が非正規・ワーキングプア~元凶は自公政府(2018.11.08)
« 「子どもの貧困~日本の不公平を考える」 阿部彩 備忘録 | Main | 近江八幡 病院PFIの契約解除 違約金20億円 »
Comments