非正規雇用、正社員労組が声を
非正規労働者の解雇、雇い止めが一気に押し寄せている。自動車メーカーの発表だけで1万3千人・・
それに対し、正社員労組が声をあげる時である。
志位共産党委員長:「非正規雇用、正社員労組が声を」毎日12/2
NPO自立生活サポートセンターもやい事務局長の湯浅誠氏が同様の指摘をしている。
「派遣切り」は止められるのか ~雇用不安の深層を湯浅誠氏に聞く ダイヤモンドオンライン
「ここで重要なのは、正規社員がこの事態をどう考えるかだ。」「正社員が疑いもなく経営者に同調し、自分たちは勝ち組であり非正規社員を負け組として突き放すことは、結果的に自らの足元を切り崩すことになる。それが、この10年間の教訓だ。そこを正社員に理解してほしい。」と。さらに「経営者は、非正規社員が失業することが社会不安につながることを認識すべきだ。いうまでもなく、企業も社会の一員であり、社会不安の高まりは自らに跳ね返る。」とも・・・
湯浅氏の話の中で「連合」の春闘方針が「派遣切り問題には触れていない」と言うので、HPをのぞいて見た。
10月の雇用失業情勢に関する談話 連合事務局長 11/28 確かに、非正規の解雇のきびしい状況にはふれ、政府に雇用対策を求めたことは書いてあるが、莫大な内部留保をため込みながら「派遣きり」を推進する大企業の責任への言及は一言もない。
大事なのは、非正規労働者のたたかいとどう連隊するかである。
自動車減産で解雇通知、「不当だ」熟練期間工が仮処分申請へ 読売12/4 この問題を国会で小池さんが追求し、厚労相に、法令違反の可能性を認めさせ「調査し改善策とる」と答弁させている。
いすゞは労働契約法違反 期間・派遣切り撤回を 参院委 小池議員追及12/3
「連合」は民主党の最大の支持団体なのだが・・・ 大企業の社会的責任とともに、政治の責任、そして正社員労組の立場が問われている。
【志位共産党委員長:「非正規雇用、正社員労組が声を」毎日12/2】
共産党の志位和夫委員長は27日の会見で、非正規労働者の解雇などが相次いでいることについて「正社員の労働組合が立ち上がらないとだめだ。見過ごして声を上げなかったら(解雇という)運命が(正社員に)来る」と指摘した。そのうえで「違法な解雇や雇い止めを横行させれば失業者が町にあふれ、日本社会は大変なことになる。これを止めるのが政治の責任だ」と強調した。
【「派遣切り」は止められるのか ~雇用不安の深層を湯浅誠氏(NPO自立生活サポートセンター・もやい事務局長)に聞く ダイヤモンドオンライン 辻広雅文 プリズム+one】 「派遣切り」という言葉が、頻繁にメデイアに登場する。新入社員の内定取り消しが、後を絶たない。雇用不安の深層を、湯浅誠氏に聞いた。NPO自立生活サポートセンター・もやい事務局長として生活困窮者を支援しつつ、雇用問題に積極的発言を続ける湯浅氏は、「非正社員と正社員の労働条件の切り下げ競争が進んでいる」と指摘する。 ―1990年代半ば以降、経済の低迷が長期化し、コスト削減圧力が高まる中で、企業は雇用形態の多様化を進め、パート、派遣、業務請負と非正規社員の雇用を拡大してきた。今、景気後退に直面し、非正規社員の雇用不安が非常に高まっている。 ・経営者の本音は、こうした不況期のために非正規社員を増やしてきたということだろう。今も10年前も、非正規社員が雇用の調整弁に使われることに違いはない。 だが、今と10年前とでは、仕事を失った人々が受けるダメージがまったく違う。今は、生活ができなくなってしまう人が増えている。 ―この10年間に、何が変化したのか。 ・非正規社員は、例えば、地元に帰れば親がいる、季節限定の出稼ぎで生活基盤は別にある、主婦のパートには十分な収入のある夫がいる、つまり、仕事を失っても、苦しくはなるだろうが生活はできる人々だ、と説明されてきた。その一方で、正社員は職場で重要な役割を果たし、家族を養う重責を担う、だから雇用は守らなければならない――これが経営者の論理だった。 だが、この10年間でわかったことは、いわゆるワーキングプアが非正規社員のなかに混じっていることだ。帰る親元などなく、住居を持たず、さまざまな理由から仕事を奪われたら即座に生活できなくなってしまう人々だ。彼等が増えてから、今回が初めての不況だ。 ―だが、景気後退に対応するために、経営者は非正規社員の雇用に手をつけることに躊躇しないだろう。 ・派遣切りの実態は、凄まじい。今日相談に来た派遣労働者は神奈川県の自動車部品工場で働いていたが、80人の派遣社員の9割が契約を打ち切られたそうだ。 ここで重要なのは、正規社員がこの事態をどう考えるかだ。先ほど述べた非正規社員と正規社員に対する経営者の論理を、正規社員もこれまでは受け入れてきた。 ―その経営者の論理は正規社員の雇用を守るためなのだから、受け入れるのは当然なのではないか。 ・実際、1990年代半ばからの10年間は、産業界は、正規社員の雇用を守るために新規採用を控え、ロストゼネレーション(ロスジェネ)と呼ばれる大量の若年層非正規社員が生まれた。 その結果、正規社員と公務員は既得権益にしがみつく悪のごとき存在とされ、社会的批判を浴びるようになった。とりわけ、ロスジェネたちの怨念は根深いものがある。世代間の対立は、社会に暗い影を投げかける。 そして、雇用は守られたとしても、労働環境は劣化している。正規社員が減ったことで職場での責任が増し、労働量は増え、非正規社員のマネジメントの難しさに苦しんでいる。精神的不安定さが増す一方で、労働分配率は抑えられ、収入はいっこうに増えない。 正社員が、政府と会社の雇用政策に守られていると信じてきたら、知らない間に労働条件が悪化していたのだ。 ―正社員と非正規社員が対立し、墓穴を掘っているということか。 ・そうだ。より重要な問題は、その正社員の労働条件の悪化が、非正規社員の労働条件のさらなる引き下げに利用されていることだ。 「正社員もこれだけ厳しいのだから、非正規社員の雇用条件が下がるのは仕方がない」――こうした説明が繰り返され、あたかも切り下げ競争のようだ。正社員が疑いもなく経営者に同調し、自分たちは勝ち組であり非正規社員を負け組として突き放すことは、結果的に自らの足元を切り崩すことになる。それが、この10年間の教訓だ。そこを正社員に理解してほしい。 ―連合はこの問題に気がつき、非正規社員の雇用問題にも取り組んでいる。 ・そのはずだったが、連合の春闘方針(ミニマム運動課題)には正規社員のベースアップから始まって、パートの賃上げまでは入っているが、「派遣切り」問題には触れていない。「派遣切り」が最も激しい自動車業界でも、自動車総連が記者会見を行ったというような話は聞かない。ここにきて、巨大労組が自分たちの利益だけを考え、正社員クラブから一歩も出ないとしたら、問題だと思う。 ―彼らは、どんな声を上げるべきか。 ・労組は春闘で、現在は景気が後退して業績が悪化していても、この5年間増収増益を続けた結果厚くなった内部留保からベースアップ原資を確保せよ、という主張をするだろう。いったい何のために好況時に内部留保を厚くするのか、と迫るのだろう。その時、「派遣切り反対」と言うべきだ。 一方、経営者は、非正規社員が失業することが社会不安につながることを認識すべきだ。いうまでもなく、企業も社会の一員であり、社会不安の高まりは自らに跳ね返る。 ―だが、経営者はコストを抑え、国際競争力を維持しなければならない。経営者側に立って考えれば、正社員の雇用、賃金体系を守らねばならないから、非正規社員にしわ寄せせざるを得ないのではないか。 ・この問題を解決するために、労働法制度を改革して、正社員の労働条件を変更できる権限を与える。例えば、正社員の賃金体系を下げ、非正規社員のそれを上げ、同一労働同一賃金という公平さを保つ。現実に、経済産業省や連合が、経済学者、法学者を交え議論を進めている。 その議論を進めるには、ある条件が欠かせない。賃金体系を変えるなら、支出体系を先に変える必要があるということだ。 ある一つの賃金体系にさやよせしていくのだとすれば、非正規社員にとっては賃上げになるが、正規社員にとっては賃下げになる。基本給的賃金カーブはいまだに年功型が多いから、賃下げはとりわけ40代にきつくなる。 年功型賃金が維持されてきたのには、それなりの理由がある。30代、40代になるにしたがって生活支出が拡大するからだ。そもそも年収が400~800万円の大多数を占める正社員は、さまざまな家計支出に追われ余裕がない。社会保障費の負担は重く、今後も増え続ける。いくら非正社員の雇用を維持し、賃金水準を近づけるためでも、この支出を切り下げないまま賃金体系を切り下げれば、生活はたちまち苦しくなる。政府はまず、財政・税制を総合的に見直して、社会保障費などの負担を下げることが労働法制度改革の必須条件だ。 ―厚労省は、来年3月まで3万人の非正規社員の失業者が出ると発表した。政府は、非正規社員への雇用(失業)保険の適用基準を緩和することを検討している。 ・これまで政府は、雇用保険をどんどん受けにくくしてきた。適用審査が厳しく、今や、10人に2人しか給付されない。だから、失業するとすぐさま生活に詰まってしまうのだ。 給付を絞り込む一方で、雇用保険財政は5兆円もの余剰になっていて、緊急経済対策の一環として、労使折半で総賃金の1.2%の雇用保険料率を最大0.4%引き下げようとしている。にもかかわらず、社会保険費2200億円抑制の財源として、国庫負担金を全廃しようとしている。なんとも矛盾する、付け焼刃の政策だ。 非正規社員の雇用保険対象化や住宅困難者対策について、政府は確かに言及している。だが、言及するだけでなかなか具体策が出ないし、現状の検証もおざなりだ。そもそも、第二次補正予算も組めない政府が、頼りになるだろうか。 雇用不安を深刻化させないために、世論の後押しがほしい。
【10月の雇用失業情勢に関する談話 2008年11月28日】 日本労働組合総連合会 事務局長 古賀 伸明 1.11月28日、政府は2008年10月の雇用失業情勢に関する統計結果を発表した。統計によると10月の完全失業率は3.7%と前月よりも0.3ポイント低下しているが、有効求人倍率は0.80倍となっており、前月よりも0.04ポイント低下している。これは今年の2月から9か月連続での減少であり、0.80倍まで下がるのは2004年5月以来である。 2.雇用失業情勢は全体として下降局面にあるが、特に、これまで日本経済を牽引してきた製造業の雇用者数の落ち込みは大きい。都道府県別の有効求人倍率は栃木県、愛知県、三重県等で0.4ポイントを超えて大きく低下している。 また、同日公表された「非正規労働者の雇止め等の状況について」によれば、非正規労働者の雇止め等は内容が確定しているものだけでも全国で477件、30,067人に及んでいる。さらに、新規学卒者の採用内定取り消しや外国人労働者の就労に関するトラブルなど、非正規労働者等の雇用問題は深刻な様相を呈している。 3.連合は、これらの状況を踏まえて、去る11月13日、政府に対して「非正規労働者等の緊急雇用対策に関する要請」を行った。その内容は、 [1]緊急の住宅支援など、派遣労働者や期間従業員の雇止め等に伴う就労・住宅・生活支援の実施、[2]外国人労働者の雇用・労働に関わる相談体制の強化、[3]雇用保険の加入要件や受給資格要件の緩和などすべての労働者にとってのセイフティネット機能を果たす雇用保険制度への改革、[4]雇用調整助成金の要件緩和など企業の雇用維持に対する支援、[5]採用内定取り消し問題への迅速な対応等である。政府はこうした課題に直ちに取り組むべきである。 4. 世界金融危機の影響により景気が悪化すれば、今後さらなる消費低迷や雇用不安を招き、ひいては社会不安を引き起こしかねない。事態を深刻化させないよう、いまこそ、非正規労働者を含むすべての労働者の雇用の安定に向けて、早急に政策転換をはかるべきである。その上で、個人消費の拡大等を通じて内需主導型経済への転換をはかり、明日への元気につながる施策を展開しなければならない。連合は、政府をはじめ経済団体、全国知事会等への要請、相談ダイヤルの実施など、非正規労働者等の雇用問題に全力で取り組んでいく。
【自動車減産で解雇通知、「不当だ」熟練期間工が仮処分申請へ 読売12/4】 米国の金融危機の影響で大幅な減産と人員削減を余儀なくされている自動車業界。トラック大手のいすゞ自動車では、820人の派遣労働者だけでなく、熟練工として直接雇用されている期間従業員580人も、雇用期間中の今月26日に全員解雇されるという異例の通知を受けていた。 同社栃木工場(栃木県大平町)の期間従業員160人のうち、6年前から働いている男性(48)は先月、工程責任者のライン長と労務担当の課長から会議室に呼び出され、雇用期間を3か月以上残して解雇すると告げられた。2人とはゴルフ仲間だったはずなのに、ライン長は目を合わせようとしなかった。 男性は鹿児島生まれで独身。高校卒業後、自動車部品の販売など車にかかわる仕事を重ね、6年前から同社川崎工場で働き始めた。初めは派遣労働者だったが、栃木に移った後、2年前、2か月~半年単位で契約を更新する期間従業員として採用された。 この6年、大量の部品が入った箱からエンジンの種類に合わせ必要なものを選び出す作業を担当してきた。今ではエンジンの型式を書いた予定表が渡されると、一目で何が必要か頭に浮かび、自然に手が動くまでになった。欠勤や遅刻はゼロ。今年3月からは期間従業員の正社員への登用も始まり、「そろそろ自分の番」という手応えもあった。正社員としてさらに技術を磨き、後輩にも伝えたいという思いもあった。 そんな夢や希望をあきらめていいのか。同僚に相談しているうち闘うことを決意し、賛同した仲間3人と3日、労働組合を結成。4日には、このうち1人と、「契約期間中の不当な解雇」だとして解雇予告の効力停止を求める仮処分を宇都宮地裁栃木支部に申請する。「声を上げることで、勇気づけられる人がいるはず」。男性はそう信じている。 期間従業員との契約について、3月に施行された労働契約法は「やむを得ない事由がある場合でなければ契約期間満了までの間、労働者を解雇できない」と規定する。ただ、厚生労働省は「何を『やむを得ない』とするかまで行政は踏み込めない。司法が個別の事例について判断するもの」としており、異議があるなら裁判を起こすしかない。同社広報部は「会社業務の都合で雇用の必要がなくなった時は、直ちに契約を解除できると契約書に明記しており、法律上の問題はないと考えている」としている。 同社藤沢工場(神奈川県)では解雇予定の期間従業員が420人に上る。 北海道に家族を残して働いている男性(49)もその一人。6年前、もっと稼ぎたいと地元を離れ、同工場に派遣労働者として勤め始めた。車体の溶接の正確さと早さは誰にも負けないと胸を張れるまで技術を磨き、2年前には期間従業員になった。半年ごとにもらえる慰労金42万円がありがたかった。 高校3年の次女(18)は来春、専門学校に進学する。千葉県内で就職している長女(25)の結婚資金も用意したいが、それどころではなくなった。 「懸命に仕事を覚えても正社員でないとこんなに簡単に切り捨てられるのか」。次の仕事を見つけたいが、男性にはハローワークに行くぐらいしかすべがない。
【いすゞは労働契約法違反 厚労相「調査し改善策とる」 参院委 小池議員追及 赤旗12/3】 日本共産党の小池晃議員は二日の参院厚生労働委員会で、いすゞ自動車が千四百人の期間・派遣労働者を契約途中で解雇することは、有期雇用の中途解約を厳しく規制する労働契約法に違反すると追及し、違法解雇撤回を指導せよと求めました。舛添要一厚労相は、個別企業への対応は明らかにできないとしながらも、「調査も含め、必要な指示をきちんと与えたい」と答えました。小池氏は、有期雇用の中途解約については、労働契約法一七条一項で、倒産の危機など「やむを得ない事由」以外は禁止されていると指摘しました。金子順一労働基準局長は、正社員を解雇する場合より「限定的に解釈されるべきもの」と答弁。小池氏が「満たさないと法違反になるのか」とただすと、「ご指摘のこともありうる」とのべました。
小池氏は、「千人を超える雇用契約を破り捨て年の暮れに放り出す。こんなひどいことが許されるのか」と強調。舛添厚労相は「法の精神にもとづいて対応する」「派遣先が関連企業に再就職先を見つける。そういうことをきちんとやるべきだ」とのべ、指導していくと表明しました。
いすゞ会長は十一月の社内報で、「増収増益で毎年、過去最高実績を更新する好調な状態を続けてきた」とのべており、減益とはいえ六百億円もの経常利益を見込み、株主配当を十七億円も増やす計画です。小池氏がこの事実をあげて、「これで『やむを得ない事由』があると言えるわけがない。『違法解雇をやめよ』というべきだ」と迫ると、舛添厚労相は「調査し、必要な改善策をとりたい」とのべました。
小池氏は、大企業に再就職あっせんや住居と生活保障など社会的責任を果たさせるよう要求。舛添厚労相は「再就職あっせんをきちんとやるよう申し上げたい。住居をどうするかも検討している」と答えました。
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赤旗読者です!ここ数日の、共産党(中央でも地方でも)の派遣を含めた労働者の雇用確保への努力には、心から敬意を表します。しかし、労働組合の状況もあるのか、私も当事者である派遣労働者の声が聞かれないのは、今後の運動をすすめる
上で心もとないと思っていましたが、12月4日の赤旗で、いすゞの派遣労働者の方が4名自ら労組を結成して、違法解雇の撤回を求めたという記事を見て、人数は4名ですが本格的に派遣労働者の権利を要求する運動が始まったと感動しています。大きな意味で日本の今の民主主義を全身させる歴史的な出来事です。私もできる限り応援します。栃木工場の4人のみなさん頑張ってください。
Posted by: 小野 浩樹 | December 05, 2008 11:00 PM