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予算を通じた教育統制 文科省モデル事業

 また、文部科学省が馬鹿げたことを考えている。 公立小中学校で生徒を多く集めているところや、特色ある取り組みをしている学校に運営予算をより手厚く配分するモデル事業を実施しようとしているのである。
 きっと狙いは、財政を通じて、地方教育行政を操れるシステムを築き上げたいのだろう。
小中学校の予算配分に差 文科省がモデル事業 共同

 昨今のまちづくり交付金、地域再生プログラムにしても、手上げ方式をとりながら、自治体の財政難につけこみ政策誘導している。本来、色のつかない地方交付税などを政府の意向そったものには増額するという補助金化を強めている。それと同じだ。だれが配分を決定するのか、住民でなく文部官僚となる。それは教育の条理にそぐわない。
 そもそも、子どもの幸せ平等とか、そのことが将来の社会の活力をつくることになるという視点があれば、こんな発想は出てこない。憲法違反、子どもの権利条約違反は明白だ。 
 学力テストの結果の公表とリンクして、生徒を多く集めているところに予算を多く配分する―― イギリスで大失敗した方法である。金持ちは「優秀」な学校のまわりに引っ越しし、そこには予算がくるが、かたや廃校においこまれたり、教師が不足するなど貧困層は排除されていく。また、成績で予算に差をつけるとした東京の足立区での不正事件もある。
 そんなことの前に、少人数学級とか、過労死ラインの教師の労働条件とか、就学援助制度の充実とか、やるべきことはある。

【小中学校の予算配分に差 文科省がモデル事業 共同】  文部科学省が2009年度から2年間をかけ、公立小中学校で児童生徒を多く集めているところや、特色ある取り組みをしている学校に運営予算をより手厚く配分することを想定した制度のモデル事業に取り組むことが10日、分かった。  本格実施されれば平等を原則とする公立学校の教育予算に差がつくことになり、学校間格差を生じかねないとの批判が予想される。同省はこうした点に留意、導入が可能か検証する。  モデル事業は、「適正な競争原理により学校の質を高める」とした昨年の政府の教育再生会議第3次報告などを受けた措置。文科省は09年度予算の概算要求で約1300万円を計上しており、学校選択制や、地域と連携した学校運営制度などを導入する市町村教育委員会から公募、5つの教委を選定する。  具体的には、学校の独自提案に基づいたり、使途を特定せずに学校の裁量にまかせたりする予算を5教委に文科省が配分する。教委は特定の学校に重点配分する。モデル事業で、文科省は、新たな予算配分の在り方も同時に研究していく。

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