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県教委は「直ちに措置を」 CEART中間報告・全文 

 ILO・ユネスコ「教員の地位勧告」の適用を監視・促進する機構である「共同専門家委員会」(CEART)が、今年4月、改善が見られない日本に、同委員会として初めて現地調査を行い、10月に勧告を含む中間報告書を発表した。その和訳を全教が行った。
 今回のCEART勧告は、文科省・県教育委員会の主張・反論を聴取した上で、「義務は達成されてない」「明らかに精神に反する」と指摘し、「直ちに」とか「より強く」その措置を求め、「教員の地位勧告」の遵守をこれまで以上に強く勧告している。
 この勧告は、政府と都道府県教育委員会に対して出されている。県教委は、誠実な対応が必要だ。

 特に興味深かったのは、当局側の「指導力不足教員や業務評価は管理事項であり、教職員団体と対話する義務がない」という主張をバッサリ否定し、「協議」と「交渉」の概念を厳密におこなっている。

・日本の多くの当事者間にもたれている認識、すなわち協議(consultation)と交渉(negotiation)の概念(「交渉」は交渉の結果としての協定上の合意(a bargained agreement)につながり、「協議」はより流動的で必ずしも決定に至るものではない)は必ずしも質的に異なるものではないという認識を注意深く検討した。」
・「協議は『誠実に行われる継続的な話し合い』でなくてはならないと理解している。なぜなら勧告は、協議の過程から総意や協定が生じるかどうかに関わりなく、当事者は『協調の精神でその過程に臨むもの』としているからである。」
 と、協議の意味をはっきりさせ・・・

・「政府(主として文科省)、そして都道府県教委と教員団体との間の協議過程はせいぜい形式的なものにとどまっていることを確認する。」「当局の側には、教員団体の意見を踏まえて、自分たちが教員評価の政策を変更すべきだという考えはほとんどない。」
・「地方教委が教員評価の政策、基準、手続きについて交渉しなかっただけではなく、1966年勧告がこの問題について想定しているように協調の精神をもって教員団体との協議に臨むという義務は、明らかに達成されていない」「このように協議を怠ることは、1966年勧告の文言にも精神にも反するものである」
 強い調子で指摘している。

「勧告」の中からいつくか拾ってみると・・・
◆教員評価、指導力、懲戒的措置 
「判定申請がなされる前に自ら意見を述べ、代理人を立てる権利が保障されるべきこと、また不服申し立て制度の公平性と実効性が保障されなくてはならないということである。」
◆業績評価
「教員を代表するすべての教員団体との誠実な協議と合意の元で行うよう、すぐに措置を講じるべきであると勧告する。」
◆交渉と協議
「教員の判定基準、判定のための制度、個々の教員に対する適正手続きの保障、そして業績評価制度に関する運用は、誠実な協議の対象でなくてはならない。同様に、特に業績評価の結果として、教員の給与と勤務条件に影響を及ぼす事項については、最終的には合意に至る交渉の対象でなくてはならない。」
「改革のためには、教員及び教員の組織的代表からの実質的な意見にもとづいて決定がなされたり、決定が変更されたりすることを受け入れる組織文化の変化が必要であると理解する。」「教職にとって関連ある問題に応じて協議と交渉を行う、より強く制度化された機構を構築する措置が講じられるべきであると勧告する」

 


以下、全文

 CEART 中間報告(インテリムレポート) 08/10/29 
『1966年及び1997年の教員に関する勧告不遵守に係る教員団体からの申し立てについての中間報告』

■ はじめに
1.教員に関する勧告の適用に関するILO・ユネスコ共同専門家委員会(CEART)は、ILO理事会とユネスコ執行委員会双方の決定により1967年に設置された。CEARTはILO及びユネスコ執行委員会によって、教員に関する国際勧告である1966年の ILO・ユネスコ教員の地位に関する勧告 (以後は1966年勧告とよぶ)及び1997年のユネスコ高等教育教員に関する勧告の適用を監視し、促進する権限が与えられている。
 
2.CEARTの活動はさまざまな情報源に基づいている。この情報源の中には各国及び国際的な教員団体からの上記勧告のいずれか、あるいはその両方の適用状況に関する報告が含まれている。この情報がある特定の国における状況に関するものである場合、その情報は該当する勧告の一つあるいはそれ以上の項目が適用されていないという申し立てとして扱われることがある。そのような場合、ILOとユネスコ執行委員会が承認した手続きに従ってCEARTがその情報を受理する基準が満たされると判断すれば、CEARTは当該国政府及び当事者である教員団体(複数の場合もある)の意見を求めることになる。申し立てについて受け取った情報や他の関連する情報源からの情報に基づいて、CEARTはILOとユネスコ執行委員会に対し、提起された問題をどのように解決すれば、勧告が完全に適用されるかについて、CEARTとしての所見や勧告を報告する。
 
3.2000年の第7回会議で、CEARTは申し立ての処理方法を強化する措置を導入した。それは一定の条件の下で申し立ての状況を調査する事実調査ないしは「直接接触」の権限をもつメンバー1名を任命するというものである。このような手続きの発動は、申し立ての対象である国の政府と教員団体の両方が受け入れるかどうかにかかっている。この手続きは、本報告で取り上げる日本について初めて適用された。
 
4.本中間報告はILO理事会とユネスコ執行委員会に、これら2つの執行機関によって与えられた権限により提出される。この権限とは、3年毎に開催される共同専門家委員会の定期会議の合間に、このような報告を作成し提出することによって、勧告適用に関する問題をよりタイムリーに解決することに役立てるというものである。

◎ 全教及びなかまユニオン学校教職員支部からの申し立て 
■ 経緯
1.全教の申し立てとこれまでの経緯の詳細は、共同専門家委員会の 第8回 及び 第9回会議報告 (2003年と2006年)及び 中間報告 (2005年)に述べてある。2006年報告において、共同専門家委員会は、大阪府のなかまユニオン学校教職員支部の主張する多くの問題が、全教が提起した問題と同じであり、より広い文脈において取上げられるべきであると判断した。したがって本中間報告で共同専門家委員会は、なかまユニオン学校教職員支部の提供した情報を、2008年4月に他の全国及び県の教員団体が調査団に対して提出した情報と合わせて検討した。
 
■ その後の展開
2.2006年10月から11月にかけてジュネーブで開催された第9回会議において、共同専門家委員会は全教及び文部科学省を通じて日本政府から提出されたそれぞれの意見を検討した。両者の意見は、共同専門家委員会に全教の行った申し立てに関わる現状を調査するため日本に調査団を派遣することを検討するよう求めていた。2007年にILOとユネスコ執行委員会が検討し、公表を承認した第9回会議報告において、共同専門家委員会は、事務局の支援のもと、そのような調査団を日本に派遣し、問題を明らかにしたうえで、すべての関係者に対して解決のための提案を行いたいという意図を表明した。調査団の負託事項などについての日本政府との合意を経て、調査は2008年4月20日から28日まで実施された。この調査団の構成はCEART専門家2名とそれを補佐するILOとユネスコの本部上級職員、及びILO日本職員である。東京、大阪、高松では関係する省庁、都道府県教育委員会(以下、教委)、教員団体、使用者及び労働者の全国組織、PTA団体の代表及び、調査団が面談を求めた独立した専門家との面接調査が実施された。この調査団報告は、本中間報告とは別にILOの管理する CEARTのウェブ・サイト から入手することができる。

■ 所見
3.共同専門家委員会は申し立てによって提起され、これまでの共同専門家委員会報告で検討されてきた問題の解決のための所見と勧告を決定するにあたり、事実調査団(以下、調査団)の報告を慎重に検討した。調査団報告が述べているように、2002年に全教からの最初の報告があって以降、本件の検討の中でCEARTは1966年勧告の規定に関わって主に3つの領域を問題にしてきた。
― 専門性の向上、報償、懲戒に関する措置を含む教員の能力評価について
― 教員の給与に関わる業績評価について
― これらの政策や運用に関する社会的対話の形式としての協議と交渉について

◆教員評価、指導力、懲戒的措置
4.最初の問題領域に関して、申し立ては教員評価制度の運用、特に教員を「指導力不足」(“incompetent”あるいは “without sufficient ability”)と認定する制度について、その教員に対する手続き的保障及び専門性の向上、支援、再研修のための措置を問題とする。
 
5.調査団報告が示しているように、共同専門家委員会は聴き取り調査を行った関係者全員が、日本の学校における授業と学習の水準を高めることを望んでおり、そうした質の高い教育の鍵となる役割を果たすのは教員であると認めていることに留意する。また、このような目的達成に貢献するものとして、効果的な教員評価制度が必要であることは広く受け入れられている。最近文科省が作成・公表した「指導が不適切な教員の人事管理制度に関するガイドライン」(以下、ガイドライン)は、教員が職務遂行上必要な能力や資質を向上させることを可能にする総合的施策の重要性を認めている。しかし、教員評価の方向性をめぐっては見解の相違がある。政府及び都道府県の雇用当局は、高い専門的基準を満たしていないと判断された一部の教員について、再研修、職種転換、解雇などを行う必要性を強調している。一方、ほとんどの教員団体は、当局が提案しているような懲戒的措置を執行するのではなく、弱点を抱える教員が専門的な力量を高められるよう支援すべきであるとしている。
 
6.共同専門家委員会は、1966年勧告は効果的な教員評価制度を排除しているわけではないものの、勧告が「視学あるいは監督制度」とよぶものの運用にあたっては、教員の「自由、創意及び責任」(freedom, initiative and responsibility)を損なうことのないよう、専門的職務の遂行を奨励及び支援することが中心でなくてはならないと強調していることを想起する。一見したところ、文科省が支持し、現在ではほぼすべての都道府県で実施されている教員評価制度は、これらの基本的原則に抵触するものではないようである。しかし、そうであるのはこの評価が可能な限り客観的なものであり、濫用の可能性から個々の教員を保護するための手続き的保障が確立されている限りにおいてであると共同専門家委員会は考える。問題の核心は、専門職として明らかに不適切な行為で、懲戒が学習者及び教育制度全体の利益に適うものである場合を除き、懲罰的な性格の強い規律措置を講じようとするのではなく、専門的な支援と再研修に重点がおかれているかどうかである。
 
7.また共同専門家委員会は、ガイドライン及び都道府県教委の制度において重視されている父母の批判に応える必要性に対しては、教員と父母との密接な協力関係は児童・生徒の利益に適うものではあるが、教員は「本質的に教員の専門職としての責任である事項」について父母による不公正または不当な干渉から保護されるべきであると、1966年勧告が明確にしている(67項)ことを想起する。教職全体にとっての高度な専門的基準において中心的な役割を果たす教員の「自由、創意及び責任」を尊重しようとするならば、個々の父母の懸念よりもむしろ、教育制度全体をより強固なものとすることの利益という観点から、教職の専門職性を保護すべく、教員評価制度は、これらの競合する要求を調停するべきである。
 
8.申し立ての核心は、教員評価がこれまで公式文書や報告の翻訳において“incompetent teacher”“without sufficient ability”“providing inadequate instruction”など、さまざまな用語で共同専門家委員会に報告されてきた「指導力不足教員」認定につながることである。共同専門家委員会は、2008年2月付けで文科省が作成したガイドラインに反映されているように、この判定制度の改善が行われていることを認める。この点において、政府は称賛されるべきである。このガイドラインは、特に指導力不足教員の評価・認定において適用される資質、技術、知識、授業方法の定義を示し、より詳細な基準を用いることで客観性と基準の一貫性を高めることをめざしている。例えばガイドラインは、以前に教員団体が不適切であると批判した精神性疾患を認定基準として用いることについて、他の法律分野や医療分野の実践に基づいて保障を強化するように勧告している。同様にガイドラインは、同じ学校の他の教員や外部の専門家の意見を聞く機会を拡充させるよう求めている。
 
9.共同専門家委員会は、このような個人評価に基づいた人事管理制度の導入と運営においては、とくにそれが教職からの解雇をも含む懲戒措置につながることがある以上、政府と教員団体との間の協議が行われるべきであるという教員団体の意見に同意する。1966年勧告はこのような協議の必要性を明確に述べている。しかし、調査団に提出された証拠資料(evidence)及び調査団の所見からは、全国レベルで作成されたガイドラインも、都道府県レベルで導入された指導力不足教員制度も、教員及び教員団体との十分な対話とそれらによる関与がなく、さらに教員及び教員団体の支持なしに導入されたという結論が導かれた。この問題については、以下の社会的対話の項においてさらに述べる。
 
10.共同専門家委員会は、ほとんどの教員団体が、自分たちの意見やコメントがガイドラインに一定程度反映されたことを認めつつ、評価制度の性格に関して重要な問題が未解決のままであると主張していることに注目する。重要な問題とは、指導が不適切であるとされる教員の人事管理の基本的方向性及びその適用に関することであり、「指導力不足」教員の認定基準、各々の関係者の役割と責任、意見を述べ、不服を申し立てる教員の権利などである。
 
11.共同専門家委員会は、入手できた情報によれば、少なくとも一部の県で使用されていると思われる基準には、専門的職務の遂行について客観的に適用するには依然としてあいまいすぎる、あるいは適用が困難なものがあるという意見に同意する。例えば、調査団にもたらされた情報によれば、一部の県教委は教員の私生活を判定の際に考慮することを今でも認めているが、もし実際にそうであるならば、不適切あるいは主観的な評価がなされている可能性がある。
 
12.共同専門家委員会は、調査団の報告に基づいて、指導力不足教員の判定手続きは依然として必要な透明性を欠いていると確信する。学校管理職からの最初の報告は常に教員に開示されるとは限らないし、教員にはそれに反論し、意見を述べる機会がないなど、調査団に提出された証拠資料は、指導力不足教員の評価の重要な初期段階において協調的あるいは専門的な環境がまったく欠如していることを示している。共同専門家委員会は、地方の教委が認定の第2段階において、必要なしと考えれば、報告を行った管理職や当該教員からの意見の聴き取りをせずに済ませることがあるという情報についても懸念する。さらに、調査団には教委段階の判定委員会への教員代表参加を認めているのはわずかな県でしかないという情報が教員団体からもたらされた。当局側は判定委員会には経験の長い元教員が含まれていると主張するが、共同専門家委員会は、それが、教室での困難や教員の業務遂行基準を最も良く理解している現職教員(practising teacher) に十分代替しうるものではないと考える。共同専門委員会は、すでに2003年にそのような運用は説明不可能であり、専門的能力という基本的な問題に関わる場合に通常認められている方策に反するとした見解を示している。それにも関わらず、このような状態が事実であるとするならば、ますます驚くべきことである。
 
13.さらに、デュー・プロセス(適正な手続き)及び教員による制度受容の拡大という観点から、不服申し立ての手続きはいっそう強化されるべきである。これは、いかなる判定が行われる前にも、個々の教員が意見を述べ、代理人を立てる権利を保証し、不服申し立て手続きの公平性と実効性を確保することを意味する。調査団が報告しているように、不服申し立てが成功した例がまったくないという現状では、手続きを正当なものと認めるのは困難である。このような手続きは、全体としてみると、最初の報告段階における誤りを追認する可能性があり、そうでなくても教員の専門的な職務遂行や地位を左右する問題に関する適正な手続きへの信頼を損なう怖れがある。
 
14.共同専門家委員会は、不適切な指導の認定に関する問題に対する対処法の最初の選択肢として、改善的研修を重視すべきであると考える。教育公務員特例法の見直しはそのような傾向を強めることになるかもしれない。文科省と教委はカウンセリングや研修に十分な資源が充てられており、その質は高いと主張しているが、調査団報告は教員や教員団体から提供された、反対の趣旨の情報に留意している。例えば研修を受けた教員のうち、その後、教職に復帰する者はきわめて少数でしかないという情報がある。そのため共同専門家委員会は、指導力不足教員と認定された教員の研修は、当該教員のニーズを把握して、それにもっと適応したものとする必要があると考える。文科省と一部の教委は、指導技術や資質が不適切と認定された教員が教室に復帰できるようにする努力の一環として、そのような改善の必要性を認めている。これには調査団に報告されたような研修受講に伴うスティグマ(恥辱感)を減じる措置も含まれるであろう。指導力不足教員を判定する教員評価制度が施行され続ける限り、今後、このような改善が積極的に追求されることが望まれる。
 
15.共同専門家委員会は、比較的少数ではあるが、改善的研修の効果がみられないと判断され、教員が教職以外の職に配置転換または解雇された事例があるという情報に留意する。後者の場合のような措置は地方公務員法とそれに関連する手続きに従って行われている。共同専門家委員会としては、これまでの報告でも、本報告の別の場所でも指摘しているように、当事者である個々の教員及び教育全体の利益となるよう、このような決定においては適切な手続きが踏まれなくてはならないことに注意を促すこと以外に見解はもてない。共同専門家委員会は、関連する法律や手続きが1966年勧告に則り、これらの諸原則を尊重しているものと信じている。
 
16.共同専門家委員会は、評価制度の原理、過程及び手続きとそれらの関連性について、受け止められ方がさまざまであるのは、この過程が比較的新しく、その開発への教員団体の関与が不十分であったこと、ガイドラインの解釈が教委レベルで異なっていたことなどが原因であると考える。したがって共同専門家委員会は、関係者全員が教員の能力を対象とした評価制度を理解できるようにするため、情報が共有される必要性を強調するものである。

◆業績評価と給与決定 
17.全教の最初の申し立てとその後に提供された情報は、政府と都道府県教委が教員評価制度を、教員の高度な職務遂行に報いるための昇給や賞与(勤勉手当)と連動する業績評価制度へと徐々に変化させていること、この業績評価制度が教員の同僚性と個々の専門性を損なうもので、客観的でなく、適切な手続き的保障に支えられているものではないこと、そして何よりも教員団体との有効な協議の対象とされず、教員団体によって同意されたものではないという主張をしていた。政府はこの間、既存の評価制度は給与や労働条件を決定するための業績評価制度ではなく、より良い学習の実現を目的として教員の技術の開発と改善のために設けられた制度であると主張してきた。さらに政府によれば、評価や授業観察を行う管理職の訓練が行われているので、評価は正当で客観的である。評価結果は個人面接で教員にも知らされ、不服申し立ての手続きも保障されている。この制度の開発において教員の意見は取り入れたが、日本の法律はこれを管理運営事項にあたる問題としているため、教員団体との交渉は必要ないと主張した。
 
18.調査団報告を検討するにあたり、共同専門家委員会は1966年勧告が生徒、父母、その他雇用者など関係者の、質の高い教育に対する要求に応える教育当局の責任を否定していないことに留意する。その意味で、1966年勧告は、最適の教育サービスを組織しなくてはならない教育当局が、社会の変化に由来する課題と責任を有することを明らかに認めている。教員の能力に関してすでに述べたように、教員評価はそのような責任の一環である。さらに共同専門家委員会は、本件に関する2003年報告において、1966年勧告は雇用当局が給与決定の基礎となる公正な業績評価制度を開発し、実施することを認めている。しかし同時に1966年勧告の示す専門職の授業と有効な学習の原則は、高度な訓練を受けた専門職としての教員の学問的自由、判断、創意、責任(academic freedom, judgement, initiative and responsivility)を強調している。このため1966年勧告によれば、教員の視学や監督は、教員が職務遂行の質を高めることを支援し、その自由、創意、責任に反して働くことのないように設計されなくてはならない。
 
19.調査団は、日本では評価した業績に基づいて数量的な報償を与えるため、数量的な目標や基準を中心に教員評価制度を構築する傾向が強まっていることを確認した。これらは1966年勧告が求めている十分な養成を受け、意欲のある教員の専門職としての自由と責任、それらを衰退させる可能性がある。共同専門家委員会は、業績評価制度に対する教員の態度について、調査団の所見と同意見である。多くの教員は教員評価と金銭的な報償とを関連させることにほとんど利益はなく、批判すべき点が多いと考えている。報償は僅かであり、職務遂行への影響もよくみても功罪相半ばという程度である。これはより注意深い再検討を必要とする、憂慮すべき傾向である。例えば教員の受け止め方についての詳細な調査を行い、その結果の教職及び教育関係者全員の共有に基づいて、そのような再検討が行われる必要がある。この問題のより広範な調査の結果によっては、1966年勧告で求めている個々の教員の専門職性と当局が公式に設定した基準との間の均衡を図るために、政策の方向転換が適切であるということもありうる。この点に関連して、共同専門家委員会はILO やOECDなどの国際機関の調査が、近年、業績給がチームワークや学校の運営に対して悪影響を及ぼしていることを示しており、個人別の業績給は教員を教職に引き付け、定着させるという点からは正当化できないと結論していると2006年報告で述べていることを想起する。
 
20.調査団の調査結果に基づき、共同専門家委員会は、2002年に初めて申し立てがなされて以降、教員評価の手続きとその運用に改善がみられたことに同意する。この改善には教員に評価結果がより広く開示されるようになったこと、報酬に影響を及ぼす良好以下の評価を受けた教員のための不服申し立て手続きが明確化されたことなどが含まれる。これらの改善は一部の県で運用されている業績評価制度の透明性を高め、主観性を低めることによって、1966年勧告の主要な規定により良く応えるものになっている。当局はこのような過程の改善措置を講じたことについて称賛されるべきである。
 
21.しかし、多くの課題がまだ対処されないまま残っている。それには以下のようなものが含まれる。
― 少なからぬ数の評価の妥当性について、教員と校長が批判を表明している
― 規模の大きな学校やより複雑な学習環境(特に特殊教育)において、校長や教頭が評価を行うのは困難である
― 女性教員が多数であるにも関わらず、その時間的制約に対する配慮が明らかに不足している
― 雇用当局が成績上位者の比率を制限しているために、評価が相対的な性質になっている
 
 共同専門家委員会は、1966年勧告の規定に則って業績評価の手続きと基準を可能な限り客観的、透明、公平なものにするためには、まだ改善の余地が多く残っていることを確認する。
 
22.1966年勧告が業績評価について教員団体との協議や、教員団体の合意が必要であるとしていることに関して、共同専門家委員会はこの制度の決定過程が明らかに1966年勧告に違反しているとした調査団の所見に留意し、それを確認する。したがって、以前の共同専門家委員会の報告で挙げられている理由から、この過程は改められなければならない。この線に沿ったより具体的な勧告は、以下の協議と交渉に関する部分で行っている。雇用当局と教員団体との適切な協議があれば、教員団体によって代表される教員専門職の側の業績評価制度受容につながるが、そのような協議がなければ、1966年勧告の主要な規定が日本で遵守されているとは言えない。このような条件においては、より良い学習のための業績評価という究極的な目標は十分に達成され得ないだろう。

◆協議と交渉
23.最初の申し立てで提起された協議と交渉(社会的対話)の問題は、当該雇用当局と教員を代表する教員団体との間に適切な協議あるいは交渉が不足しているというものであった。共同専門家委員会は2006年報告で、都道府県レベルでいくらかのささやかな前進があったものの、2002年に初めて指摘された問題をめぐって、雇用当局との間で行われた対話はなお限定的であったという全教の主張に留意した。大阪に本部があるなかまユニオン学校教職員支部も大阪府の新しい評価制度導入に関する適切な対話が不足していたと主張した。2006年報告は同様に、全教との間でしかるべき問題についての対話は行われており、さらに共同専門家委員会の2005年中間報告とこれらの問題に対する文科省の立場に関する情報を、都道府県教委へ提供しているという政府(国及び県当局を代表した文科省)の見解も検討した。同時に政府は、教員の指導力不足と業績評価の問題は、本質的に地方当局の管理事項であり、実際に新しく提案された基準についての協議は広く行われているものの、それらの問題について教委が教員団体(労組)と対話をする義務はないという以前の主張をくり返した。上述のように、政府は、日本の法律はこれらの問題を、教員団体との交渉を除外する管理運営事項の定義の範疇に入るものと位置づけていると一貫して主張してきた。
 
24.調査団報告を検討するにあたり、共同専門家委員会は、1966年勧告が教育政策決定において権限をもつ当局と教員団体の間で問題の性質に応じて行われる協議や交渉が重要であり、それは教育制度全体の機能に積極的に貢献するとくり返し述べていることを想起する。教員団体のこのような役割は教育政策によって異なるかもしれないが、1966年勧告は「学校の組織、教育事業における新しい発展」などに関する協議を明らかに求めている。共同専門家委員会は、日本政府代表と教員団体からのオブザーバーが参加してパリで開催された教員の地位に関する特別政府間会議が、1966年10月5日に満場一致で採択した1966年勧告の背景にある原則は、そのような協議こそが改革の成功に不可欠であるというものであったと理解している。
 
25.共同専門家委員会は、調査団のさまざまな所見、特に日本の多くの当事者間にもたれている認識、すなわち協議(consultation)と交渉(negotiation)の概念(「交渉」は交渉の結果としての協定上の合意(a bargained agreement)につながり、「協議」はより流動的で必ずしも決定に至るものではない)は必ずしも質的に異なるものではないという認識を注意深く検討した。共同専門家委員会は、このことは日本の当事者が簡単な話し合いからより具体的な総意(consensus)づくりあるいは協定締結に至るまでの、いずれかの段階において、その性質を断定的に区別することなく、相互交渉を行っていることを意味するのではないかと考える。しかし、調査団がいみじくも指摘しているように、1966年勧告自体はこの区別をしている。さらに、共同専門家委員会は、2005年の中間報告ですでに勧告しているように、協議は「誠実に行われる継続的な話し合い」でなくてはならないと理解している。なぜなら勧告は、協議の過程から総意や協定が生じるかどうかに関わりなく、当事者は「協調の精神でその過程に臨むもの」としているからである。
 
26.このような検討に照らして、共同専門家委員会は政府(主として文科省)、そして都道府県教委と教員団体との間の協議過程はせいぜい形式的なものにとどまっていることを確認する。調査団の所見にもとづけば、協議の過程は、分権化された教育制度について予測できるように、都道府県ごとにある程度異なっている。一部の事例では、手続きは制度的といよりは個人的なつながりに依拠しており、教員団体と交換する情報量も異なっている。しかし一般的には、雇用当局は、しばしば、自分の役割を、すべての教育関係者に開かれた公開の意見聴取という大枠のもとで、可能な場合には意見や質問に応対することにとどまるものと考え、教員団体との関係をより緊密にして、対話から良い結果を生み出そうとするところまで拡大して考えてはいなかった。国及び都道府県レベルの教育当局は、提案されている政策やすでに下された決定が協議の結果変更されるか否かに関わらず、教員団体の意見を聞くだけで十分であると考えている。雇用当局の側には、教員団体の意見を踏まえて、自分たちが教員評価の政策を変更すべきだという考えはほとんどない。しかしながら、1966年勧告は、単なる開かれたあるいは教員の意見を聞くだけに限られる教員団体との会談、それより多くのものを内容とする協議過程を要求している。
 
27.「指導力不足」と判定される教員を対象とする評価制度を、都道府県教育委がより公平に運用することを助けるために文科省が作成したガイドラインは、それが47都道府県における制度運用の一貫性を強化するという意味で、教員評価制度の重要な前進である。しかし一方で、協議と交渉に関する1966年勧告の規定が、このガイドラインの開発と適用においても考慮されたという証拠はほとんどない。
 
28.現在までに共同専門家委員会と調査団に提出された証拠資料は、社会的対話の過程が日本の公務員法制とその解釈によって限定されていることを示している。この法律上の障壁と入手した証拠資料を考慮して、共同専門家委員会は、地方教委が教員評価の政策、基準、手続きについて交渉しなかっただけではなく、1966年勧告がこの問題について想定しているように協調の精神をもって教員団体との協議に臨むという義務は、明らかに達成されていないことに留意する。このことは当該評価制度が十分な指導力のない教員を判定するものであるにせよ、あるいはより一般的な業績評価制度の一環であるにせよ、妥当する。共同専門家委員会は、すでに以前にも確認したように、このように協議を怠ることは、1966年勧告の文言にも精神にも反するものであると考える。
 
29.共同専門家委員会は、「教育当局と教員団体との協議や意見交換のための確立された機構」が存在する証拠資料を調査団が発見しなかったことに留意する。協議が行われていたとしても、制度的形式によるものであることはまれである。確立された協議機構が一般に欠けていることは、当事者間の著しい誤解をもたらし、共同専門家委員会の検討に付されている本件のこれまでの全経過をつうじて、雇用当局と教員団体とがしばしば正反対の意見をもっていたことの説明にもなる。当事者は社会的対話の過程を相互に期待していないので、実際に行われた話し合いの結果について、彼らの見解が分かれるのも驚くべきことではなかった。
 
30.教員の給与その他の勤務条件に影響する業績評価制度の結果は、明らかに交渉の対象とされる問題に含まれるにも関わらず、共同専門家委員会は、一方における教員団体との協議の範疇外の管理事項とみなされる問題や、他方における1966年勧告にしたがえば交渉の対象となりえる勤務条件の問題について、当事者間に継続して著しい意見の隔たりがあることに留意する。雇用当局は調査団に対して公務員法の存在に言及したが、他の分野においても公務労働においてこの法律適用が支持されている事例や証拠は示さなかった。教員団体は、日本の法律では、雇用者には文書による団体協定(collective agreements)をする交渉権限がないことを認めていたものの、このような限定を受け入れていることを示さなかった。共同専門家委員会は教員の給与や労働条件についての交渉に適用される1966年勧告の関連条項は、ILOの団体交渉の諸原則に基づくものであることに留意し、この点に関して権限のあるILO機関の意見に従うものである。※ 
 
※ 次の報告を特に参照:1948年結社の自由及び団結権の保護に関する条約(87号)と、1949年の団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約(98号)とについて、2008年に公表されたILO条約勧告適用専門家委員会の個別報告。ILO理事会結社の自由委員会の事案2177、2183の350回報告、340回報告と事案2114の328回報告。 
 
31.共同専門家委員会は、以上のような所見から、1966年勧告が想定する協議・交渉の手続きは日本においては限定的かつ不完全にしか機能しておらず、特に教員評価制度について、また一般的にも教育政策や1966年勧告でふれられている専門職としての他の側面について、教員団体側に不満と疎外感が広がっていると結論する。これは全国レベルでも、各県レベルでも同じである。教員評価の過程において教員団体が重要な役割を担っていないことが、特に、教員集団のみるところでは、その過程の透明性や正当性に対する悪影響を及ぼしている。さらに、女性が教員の多数であるにも関わらず、社会的対話・意見交換の場面において、とりわけ教員評価制度に関する政策やガイダンスの決定において、あらゆるレベルで両方の側(政府、教員団体)に女性の代表がきわめて少ないという事実が、そうした不満に輪をかけていることを示す証拠がある。共同専門家委員会は、これは自分たちの仕事と職業に関して行われる話し合いや対話の場における女性教員の不在を示すだけでなく、1966年勧告の7項に反する、未対処の差別形態の証左であるという調査団の所見に同意する。
 
32.このことの実質的影響は、協調の基礎となる協議と交渉という基本原則の適用を損ない、日本の教育の有意味性・レリバンス(relevance)と質の向上とを図る教育改革が成功する可能性を損なうことである。

■ 勧告
◆教員評価、指導力、懲戒的措置 
33.共同専門家委員会は、省レベルと県教育委員会を含めて政府(the Government, both at ministry level and prefecture boards) が、「指導力不足」ないし「指導が不適切である」と考えられる教員に関する教員評価制度への非好意的(poor)な見方を受け止め、措置を講じるべきであると勧告する。この措置には国のガイドラインと各県教育委員会による制度運用を、特にそれらが教室における専門職としての基準、責任、創意、自律性にどのような影響をもたらすかを継続的に検証することで、必要に応じて修正を行うことが含まれる。
 
34.共同専門家委員会は、日本において行われる上記の検証と修正は、同僚性と専門職的協働という周知の日本的特質に依拠して行われるべきであると勧告する。指導力不足教員を対象とする研修は、もっと学校を基礎にした制度と指導助言に重きが置くことが可能である。学校外での研修では、他の指導力不足と判定された教員とともに、普段の経験を整理したり、より一般的な事項を扱ったり、同僚間のネットワークやサポートグループを構築する機会を提供することができるだろう。
 
35.さらに共同専門家委員会は、教員が教育責任を果たすに足る資質と能力をもたないかどうか、改善的研修や教職以外への職種転換が必要かどうかを判定する客観的基準と適正手続きを保障する制度が本報告の所見に即して強化されるべきであると勧告する。このことが意味するのは、判定申請がなされる前に自ら意見を述べ、代理人を立てる権利が保障されるべきこと、また不服申し立て制度の公平性と実効性が保障されなくてはならないということである。
 
36.さらにこの点検と修正の過程においては、父母と生徒を含む、すべての教育利害関係者に広く受け入れられることを含めて、教育委員会が経験と良い実践を互いに共有する機会をもつこと、また持続可能な改善を行うことに、教員と教員団体が全面的かつ効果的な対話の過程を通じて積極的に貢献する機会が保障されるべきである。

◆業績評価
38.共同専門家委員会は、省レベルと県教育委員会を含めて、政府が、教員の給与と意欲に関係するようになっている教員評価制度を根本的に再検討すべきであると勧告する。この再検討は教員の受け止め方、動機づけ、教室への影響に関するより包括的な調査に基づいて行われるべきである。また、確固とした教員の専門職としての基準、責任、創意、自律性を基礎に、質の高い学習を実現するためには教員評価をどう運用するのが最善かについての広範な専門家からの助言に基づいて行われるべきである。
 
38.この点に関連して、またさらに教員制度に関する協議と交渉という点において、共同専門家委員会は、教員団体から示されたいくつかの原則を雇用当局に対して勧告する。その勧告とは、以下のとおりである。
― 昇給に関する決定は、効果的なチームワークにマイナスとなる葛藤を生み出しかねないような、さらに大きな給与格差を付けないように行う。
― 主観的、表面的な評価を少なくするため、評価者にその職務遂行のための研修と時間をより多く与える。
― 多元的な評価基準をより尊重する。
― 私的な事項を対象としてはならないことは言うまでもなく、1966年勧告が規定しているように、評価が人種、肌の色、性、宗教・政治的見解、民族的あるいは社会的出身、経済的状況に関して差別的にならないようにする。
― 教員団体の代表が参加する不服(異議)申し立て手続きに関する共通の合意を追求すること。さらに、その手続きはすべての教員に完全に周知されなければならない。
 
上記の教員の指導力に関する勧告に即して、教育当局は個人の業績評価制度のもつ否定的側面を避けるために、たとえば、他のOECD諸国で運用されている同僚評価や学校全体評価が日本の教育の将来のニーズと目標に合致しないものかどうかを検討すべきである。共同専門家委員会は、求められれば、事務局を通じて、そのような実践がどのようなものであるかを明らかにするために支援する準備がある。
 
39.下記のより詳細な条項に則って、共同専門家委員会は、雇用当局が昇給とボーナスに関わる業績評価制度の今後の設計と実施を、教員を代表するすべての教員団体との誠実な協議と合意の元で行うよう、すぐに措置を講じるべきであると勧告する。

◆交渉と協議
40.共同専門家委員会は、省レベルと県教育委員会を含めて、政府が教育団体との間で問題の性質に応じて行われるべき協議や交渉に対する方策を、1966年勧告の規定に即して再考するべきであると勧告する。教員の判定基準、判定のための制度、個々の教員に対する適正手続きの保障、そして業績評価制度に関する運用は、誠実な協議の対象でなくてはならない。同様に、特に業績評価の結果として、教員の給与と勤務条件に影響を及ぼす事項については、最終的には合意に至る交渉の対象でなくてはならない。
 
41.共同専門家委員会は、上記のような目標を達成するための改革のためには、教員及び教員の組織的代表からの実質的な意見にもとづいて決定がなされたり、決定が変更されたりすることを受け入れる組織文化の変化が必要であると理解する。さらに共同専門家委員会は、教職にとって関連ある問題に応じて協議と交渉を行う、より強く制度化された機構を構築する措置が講じられるべきであると勧告する。共同専門家委員会は、この努力と同時に文部科学省が策定したガイドラインに即して教員の専門的能力向上の措置がとられ、地方の雇用当局と教員団体双方の役割と責任が十分に理解され、合意された結果に向けて遂行されるべきであると勧告する。この点に関わって、さまざまな段階で、よい実践例が見出せるだろうという情報を調査団は受け取っている。そうした実践例はさらに具体的に分析され、もっと広範に適用されるよう、典型例として用いることができる。
 
42.共同専門家委員会は以前から、1966年勧告が、ある問題を管理当局の管轄外に置こうとするものではないことに留意してきた。しかし、教員団体との交渉に関する1966年勧告の多くの規定は、公務員に対して押し並べて適用される法的制約に基づき、論争的な問題が真の協議や交渉の対象とされることがない環境のもとでは実現できない。したがって、共同専門家委員会は、当局は、この点についてILOの監督機関が以前に行った勧告を適用すべきであると勧告する。※ 
 
※ ILO条約勧告適用専門家委員会とILO理事会結社の自由委員会のこれまでの報告を参照。 
 
43.さらに共同専門家委員会は、ILO理事会とユネスコ執行委員会が次のようにすることを勧告する。
(1)上記の所見及び勧告に留意すること。
(2)日本政府及び日本政府を通じて各県教育委員会に対して、文部科学省が公表したガイドライン及び教員評価制度の手続き的保障を改善するために県教育委員会がとった措置への共同専門家委員会の讃辞を伝えること。
(3)国とすべての教育委員会に対して、業績ないし成果に関する基準と手続きを含む、教員評価制度のいっそうの改善を1966年勧告の該当条項及び日本と諸外国における、関係する実践例に即して行うよう要請すること。
(4)国とすべての教育委員会に対して、国と地方の教員を代表するすべての教員団体との交渉と協議に関して、1966年勧告の規定がさらに全面的に適用されるよう、該当する法規と運用を見直し、必要に応じて改めるよう要請すること。
(5)教育委員会に対して、勤務成績が不十分であるとされた教員による不服申し立ての手続きが1966年勧告の原則に合致したものとなるよう要請すること。
(6)日本政府及び教員を代表するすべての教員団体に対して、共同専門家委員会に上記の事項に関する進展と困難を通知し、その困難の解決に役立つと考えられる事項について、共同専門家委員会及びその書記局の専門的及び政策的助言をさらに検討するよう要請すること。
  
<2008年11月 全日本教職員組合(全教)訳)>

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