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若者を使い捨てる社会を「愛せ」? 高校・道徳教育

 若者をモノ扱いする派遣切り、期間工切りが猛威を振るっている中、高校新指導要領が発表された。
【高校新指導要領】総則 日本人育成の基盤「道徳心」養う 産経12/12 総則で道徳教育が強調され、「人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かし、豊かな心をもち、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛し…」となっている。
 ブラックジョークではないか。

 社会では、派遣切りだけではない、投機マネー、サブプライムローン問題など、金のためなら何でもありの経済を政治と財界が推進してきたのだ。どう「愛せ」というのか。

 指導要領は、〈教育課程編成・実施にあたって配慮すべき事項〉の3項目の2項目に「全教師が協力して道徳教育を展開するため、指導の方針や重点を明確にして学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育について、その全体計画を作成する。」となっている。
 “内定取り消し、派遣切りなど財界の横暴とたたかう姿を、教職員が見せることによって、社会への信頼、人間尊重の精神を教える”という指導案はどうだろうか。
 これが一番効果があると思うが……

新指導要綱には、「英語の事業は、英語で」とか、まったく実態を無視した、先の中学での武道の必修と同じような思いつきの提案が眼につく。
 この夏、山原健二郎さんの秘書を長つとめ、顕在も国会議員団で活躍されている方が、文科省の方針は、現場も知らない30歳代の官僚が作文している、と裏話をしていたが、さもありなん!
 

【高校新指導要領】総則 日本人育成の基盤「道徳心」養う 産経12/12
 ■総則
 〈教育課程編成の方針〉
 1 生きる力をはぐくむことを目指し、基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得。これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくむ。言語活動を充実するとともに家庭との連携を図りながら学習習慣が確立するよう配慮しなければならない。
 2 道徳教育は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、人間尊重の精神と生命に対する畏(い)敬(けい)の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かし、豊かな心をもち、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛し、個性豊かな文化の創造を図るとともに、公共の精神を尊び、民主的な社会及び国家の発展に努め、他国を尊重し、国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献し未来を拓く主体性のある日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うことを目標とする。
 3 体育・健康に関する指導は、生徒の発達の段階を考慮して、学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。食育の推進並びに体力の向上に関する指導、安全に関する指導、心身の健康の保持増進に関する指導については保健体育科はもとより家庭科、特別活動などにおいても適切に行うよう努める。

 4 地域や学校の実態等に応じて就業やボランティアにかかわる体験的な学習の指導を適切に行うようにし、勤労の尊さや創造することの喜びを体得させ、望ましい勤労観、職業観の育成や社会奉仕の精神の涵養(かんよう)に資するものとする。
 〈各教科・科目及び単位数〉
 卒業までに履修させる単位数は74単位以上。1単位時間を50分とし、35単位時間の授業を1単位とする。
 〈各教科・科目の履修等〉
 ◯すべての生徒に履修させる「必修教科・科目」は次のとおり。
 ▽国語は「国語総合」▽地理歴史は「世界史A」「世界史B」のうちから1科目並びに「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」のうちから1科目▽公民は「現代社会」又は「倫理」「政治・経済」▽数学は「数学I」▽理科は「科学と人間生活」「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」のうちから2科目(うち1科目は「科学と人間生活」とする)又は「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」のうちから3科目。
 ▽保健体育は「体育」「保健」▽芸術は「音楽I」「美術I」「工芸I」「書道I」のうちから1科目▽外国語は「コミュニケーション英語I」(英語以外の外国語を履修する場合は学校設定科目として設ける1科目とし、その標準単位数は3単位とする)▽家庭は「家庭基礎」「家庭総合」「生活デザイン」のうちから1科目▽情報は「社会と情報」「情報の科学」のうちから1科目。
 4 地域や学校の実態等に応じて就業やボランティアにかかわる体験的な学習の指導を適切に行うようにし、勤労の尊さや創造することの喜びを体得させ、望ましい勤労観、職業観の育成や社会奉仕の精神の涵養(かんよう)に資するものとする。
 〈各教科・科目及び単位数〉
 卒業までに履修させる単位数は74単位以上。1単位時間を50分とし、35単位時間の授業を1単位とする。
 〈各教科・科目の履修等〉
 ◯すべての生徒に履修させる「必修教科・科目」は次のとおり。
 ▽国語は「国語総合」▽地理歴史は「世界史A」「世界史B」のうちから1科目並びに「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」のうちから1科目▽公民は「現代社会」又は「倫理」「政治・経済」▽数学は「数学I」▽理科は「科学と人間生活」「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」のうちから2科目(うち1科目は「科学と人間生活」とする)又は「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」のうちから3科目。
 ▽保健体育は「体育」「保健」▽芸術は「音楽I」「美術I」「工芸I」「書道I」のうちから1科目▽外国語は「コミュニケーション英語I」(英語以外の外国語を履修する場合は学校設定科目として設ける1科目とし、その標準単位数は3単位とする)▽家庭は「家庭基礎」「家庭総合」「生活デザイン」のうちから1科目▽情報は「社会と情報」「情報の科学」のうちから1科目。
〈授業時数等〉
 ◯全日制課程における週当たりの授業時間数は30単位時間を標準とする。ただし必要がある場合には増加することができる。
 ◯10分間程度の短い時間を単位として特定の各教科・科目の指導を行う場合、担当する教師がその指導内容の決定や指導の成果の把握と活用等を責任をもって行う体制が整備されているときは、その時間を当該各教科・科目の授業時数に含めることができる。
 〈教育課程編成・実施にあたって配慮すべき事項〉
 ◯学校や生徒の実態等に応じ必要がある場合には、例えば次のような工夫を行い、義務教育段階での学習内容の確実な定着を図るようにする(▽単位数を標準単位数の標準の限度を超えて増加して配当する▽学校設定科目等を履修させた後に必修教科・科目を履修させるようにする)。
 ◯全教師が協力して道徳教育を展開するため、指導の方針や重点を明確にして学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育について、その全体計画を作成する。
 ◯生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として教育課程との関連が図られるよう留意すること。地域や学校の実態に応じ、地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。

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