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史上最高の収穫、しかし食料危機拡大の恐れ FAO

 金融危機、米大統領選ですっかり「食料危機」の報道が影をひそめているが、 11月6日、国連食糧農業機関が「食料見通し」を発表した。
 不要な「輸入米」の入札が不調に終わったニュースが流れていたが、WTO農業協定を見直し、日本での本格的に食料増産を考えなくてはならない。
【史上最高の収穫、しかし問題は前途に待ち受ける】

 今年の世界穀物生産は、価格上昇による作付増加と好天により新記録を達成。しかし、金融危機が農業に悪影響を及ぼしよりひどい食料危機と飢餓人口の増加を生む危険性がある。世界の農業は2050年までに、生産量を2倍に引き上げることが必要だが、土地と水、気候変動の問題、農村や農業研究への投資不足、高価な農業資材などにより「深刻で長期的な問題と課題に直面」としている。
 
作付けの減少、金融危機の影響については10月15日のプレスリリースで、
【金融破綻が食料危機を悪化させる可能性-FAO10/15】
 作付けの減少について、豊作による農産物価格の下落、世界経済の失速により、主要輸出国における作付け削減、収穫減少を危惧し、「来年もう一回史上最高の食料価格へとつながりかねない」と指摘している。
 また、金融危機の影響について、「借り入れ、銀行融資、ODA,海外からの直接投資そして労働者の送金―すべてが深刻化する金融危機で悪化する可能性がある」としている。

 これについて農業情報研究所が、10/27付けのBloomberg.com「Farm-Credit Squeeze May Cut Crops, Spur Food Crisis」の 金融危機が農民の利益を圧迫、世界の収穫を減らし、途上国の食料危機をさらに悪化させる恐れがあるとの記事を中味を紹介している。

「金融危機が農家を直撃 食料危機を悪化させる恐れ」・農家アドバイス会社会長/来年の世界小麦生産は4.4%減ると予想される。トウモロコシ、大豆の収穫量も減りそうだ。
・世界第三のトウモロコシ輸出国のブラジル 農家が肥料を買うためのローンが得られないために、生産が20%減る(全国トウモロコシ生産者協会副会長)。
・カーギルとADMがブラジルの生産者への融資を停止。加工業者は、通常、農家が必要とする融資額の半分を支払って将来の作物買い入れ代金の一部に替えるが、今は誰もそんなことをしなくなった(全国肥料商協会会長)。
・ロシア。農家への貸付利率が、過去数ヵ月に20%も上がった(ロシア穀物連盟会長、10月初めのインタビュー)
などなど・・・
l http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601170&sid=aox4ZwDlWkvQ

 不必要な「輸入米」は、WTO農業協定の産物だが、その前提は、世界的な過剰生産、それにともなう先進国の農産物過剰処理と価格低迷による補償のため財政支出急増ということが議論の前提にあった。この前提がくずれたのだから、WTO協定の抜本的見直しは不可欠である。

 いったん放棄した土地、失った技術、経験をとりもどすのは至難の業である。一刻も早く後継者が育つ農業をつくらないと… 価格保障、所得補償と国境措置は不可欠だ。 

【史上最高の収穫、しかし問題は前途に待ち受ける FAO 】 ◆金融危機が農業市場に打撃をあたえる  2008年11月6日、ローマ-世界の穀物生産は高値により作付け面積が大幅に広がり、またおおむね気候条件が良かったこともあり、今年新たに記録更新が予想される、とFAOは6日、年二回発行の農産物出版物である最新の「食料見通し」で述べた。世界の穀物生産の予測は、短期的な消費を満たすことができるとともに、かなり枯渇している世界の在庫をある程度補充することができると見通される。 しかしFAOは現在の金融危機が開発途上国を含む多くの国の農業部門にマイナスの影響を与えると警告を発した。 今年の史上最高の穀物の収穫と最近の食料価格の下落は、誤った安心感を与えてはならない、と報告書の主な著者の一人であるコンセプシオーネ・カルペは述べた。「たとえば、もし現在の価格の不安定さと流動性をめぐる状況が2008/09年にも続くとすれば作付けと収穫は影響を受ける可能性があり、新たな価格上昇が2009/10年に起こるかもしれない。最近起こったものより更にひどい食料危機を引き起こすことになるかもしれない」とカルペは述べた。 「ここ数ヶ月の金融危機は価格の下落を増幅し、金融市場の引き締めに貢献し、来年の見通しを更に不確実なものにした。そのため多くの生産者は非常に保守的な作付けの決定を採用している」とカルペは述べた。 報告書は穀物生産の回復の大部分は農民が価格高騰に対応するのに有利な立場にあった先進国で起こったことを強調している。開発途上国では逆に農業部門の供給側の制約で価格高騰に対応する能力に大きな制限があった。 ◆貧しい人への影響 2007/08年の急激な食料価格上昇は世界の栄養不足人口数を推定9億2300万人に増加させた。 国際農産物価格の下落はほとんどの低所得国ではまだ国内食料価格の下落という形で反映されていない。 「現在の世界経済問題の結果として食料摂取量を減らしたり飢餓人口が更に増える現実の危険がある」とカルペは述べた。 ◆長期的な課題 報告書では、世界の農業は緊急に対応されなければならない深刻で長期的な問題と課題に直面しているという。これらには土地や水の制限、農村インフラや農業研究に対する低い投資、農場渡し価格と比較して高額な農業資材、そして気候変動への対応がほとんどみられないことが含まれる。_2050年までには90億人以上になるとされる世界の人口(現在はおよそ60億人)を養うためには、世界の食料生産は2050年までにおよそ2倍にならなければならない。 人口の増加は主に開発途上国で予想されており主に都市部で起こるとされている。農村部での労働力は減り、もっと生産性をあげなければならない。農業、機械、トラクター、かんがい用のポンプ、収穫コンバインなどへの投資の増加が必要で、より技能を持ち、より良く教育された農民およびもっと効率の良い供給システムが必要となる。
【金融破綻が食料危機を悪化させる可能性-FAO10/15】 ◆保護主義、援助削減は解決策にはならない 2008年10月15日、ローマ-各国政府は世界的に広がっている金融危機に対応するために、開発途上国農業への援助を削減したり保護主義的な貿易政策を採用するべきではない、と15日FAO事務局長ジャック・ディウフは警告を発した。 10月14-17日開催の第34回FAO世界食料安全保障委員会での声明で、ディウフ事務局長はそのような政策は来年更なる食料危機が発生するリスクを高めると指摘した。 食料危機は現在予測されている記録的な2008年穀物収穫高の下でも起こりうる。14日発行された最新のFAO穀物見通しと食料事情によれば、今年の生産見通しは4.9%上昇し史上最高の22億3200万トンになるという。しかし、世界の36カ国では、不作、紛争や政情不安、または継続する地域的な高価格により依然として国際的な援助を必要としていると報告書は述べている。 「現在国際市場を取り巻く非常に不確実な状態と世界恐慌の恐れが、各国を保護主義政策に向けたり国際開発援助の約束を見直そうとさせるかもしれない」とディウフは述べた。「もしこういったことが現実となり、最近なされた開発途上国農業への国際的な支援強化に対する政治的な意思が霧散してしまうのであれば残念なことだ」とディウフは付け加えた。 ◆小難から大難へ 2007年だけで更に7500万人を飢餓と貧困におしやった食料価格高騰危機の直後に起こった金融危機は開発途上国の貧しい人たちの窮状をますます深刻化させる可能性がある、とディウフは述べた。「昨年は小難だった」とディウフは続ける。「来年は大難になるかもしれない」 農産物価格は現在下落しつつあるが、これは主に穀物見通しが良好であるとの期待からだが、世界経済が失速していることも要因のひとつである。これは主要輸出国における作付けの削減、そして収穫の減少を意味するかもしれない。引き続き穀物在庫が逼迫する中、このシナリオでは来年もう一回史上最高の食料価格へとつながりかねない。これはすでにほとんどお金がなく、融資も受けられない何百万という人たちにとって大惨事である。 金融危機の影響は、マクロレベルにおいても、途上国に農業と食料安全保障に対する更なる悪影響を与えかねない、とディウフは言う。「借り入れ、銀行融資、ODA,海外からの直接投資そして労働者の送金―すべてが深刻化する金融危機で悪化する可能性がある」と彼は述べた。緊急に行動をディウフは各国政府と世界の指導者たちがこの6月に開催されたFAO世界食料安全保障ハイレベル会合で合意した「国際社会は世界の最も脆弱な国とその国民に対する食料価格高騰の悪影響と闘うために緊急に調整のとれた行動をとる必要がある」を想起した。 1ヵ月後に日本で開催されたG8サミットでも世界の指導者たちが世界の食料安全保障に最優先に対応するという決意と世界の飢餓状況を改善しようという政治的意思の表明が確認された、と彼は述べた。 「この気運を維持することが肝要である」とディウフは述べた。「政治的意思およびドナーの誓約が現実に即座に実行されなければ、何百万という人たちが更に深刻に貧困および恒常的な飢餓に苦しむことになる」とディウフは加えた。 「世界的な金融危機のために我々が食料危機を忘れるようなことがあってはならない。農業に対しても緊急かつ継続的に注意を払い、飢餓と農村の貧困を過去のものとしなければならない」と彼は述べた。

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