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維持可能な社会と公共工事の未来 宮本憲一 備忘録

 先日、建設政策研究所が主体となった集会で、社会資本論・公共事業論の専門にする宮本憲一氏が、「維持可能な社会と公共工事の未来」として講演をおこなった。 
 アメリカ発の金融危機のもと、29年の世界恐慌が結局、軍事化、戦争によって不況克服に向かったことと対比して、経済政策として公共事業のあり方を問う必要を語っている。過去の失敗を吟味し、民主的改革が求められていると、その過去、現在、未来について語られた。
 先日の五十嵐先生の都市計画の講演ともシンクロする内容である。
 参加した知人に録音を頼んでいたが、以下、講演から学んだ内容のメモ。

◆金融危機~ 公共事業のあり方が問われている
◆過去の4つの問題
①土建国家。基本的人権に寄与するよりも企業育成に重点
②公共性の喪失と住民に規制の前進
③国、地方の赤字の主因。財政運営としての失敗
④住民参加の仕組みのない基本的欠陥
◆現在の問題
・過去の総括抜きの急激な削減による地域の雇用、経済の破壊
・国は相変わらず大型プロジェクト、官僚主導
・660兆円越えるストックの老朽化問題
・地域からの民主的改革を 長野モデル
「地方公共事業の構造転換―長野県の公共事業改革を事例に―」森 裕之(立命館大学)
◆未来 ~ 地球環境問題
・温暖化 「経済調和論」 公害対策の原則からの後退
・再生可能資源の危機~食料、水、森林、土壌
  ~求められる社会システムの転換
・アスベスト 地球規模の空前絶後の環境災害の危険
  被害者の勇気ある告発が出発~公害闘争の原則
・維持可能な社会の建設へ 
①平和の保持、核戦争の防止 ②地球環境の保全。多様な生態系の保持 ③絶対的貧困と社会的不公正の克服 ④民主主義 ④表現の自由と多様な文化の共存
 ~ 平和、環境はまったなしの課題。足元からつくっていこう。維持可能な社会は憲法の原則と一致する。憲法を保持し、発展させよう。

 追記/講演の中で宮本先生は、「sustainable development」を「維持可能な発展」と表現された。この訳語の方が、地球や生命の維持ということに重きをおいた価値観が表現されていると思う。「持続可能な発展」は、経済的発展に重き置いている表現であり、私もできるだけ使わないようにしている。

 【維持可能な社会と公共工事の未来・メモ】 
08年11月16日 宮本憲一(大阪市立大学名誉教授・滋賀大学名誉教授)

◆金融危機~経済危機から脱出~公共投資のあり方が問われている
・アメリカ発の金融危機が世界恐慌に向かいつつある。かつての29年の世界恐慌の時と違うのは、ルーズベルトは労働法を変え、公共事業をおこなうなど社会政策全般にわたる大胆な改革を行った。現在、各国は協調しているが金融の問題に集中。これでは問題は解決しない。金融危機の最中にニューヨークにいたが、不動産などが投売りされる状況、産業の象徴であるビックスリーなど自動車産業の不況。実態的な恐慌がはじまりつつある。日本のバブルの時と違うのは、アメリカでは金融機関の責任へのきびしい追及の声がある。まだまだ金融危機がどう展開していくかわからない。
・日本もはっきりしたのは、小泉「構造改革」、「新自由主義」の民営化、規制緩和、福祉切捨て、税など所得再配分の低下、小さな政府と言ってやってきたことが如何に間違っていたかが明らかになっている時に金融危機が重なった。政治が「失敗しました。まちがっていました」との告白がないと困る。
・非正規雇用、貧困の広がり、後期高齢者医療制度による医療からの排除。全体として生活の不安がひろがっている。農村の問題。自給率が40%という異常な状況。欧米諸国は70%以上。低率の自給率に落ち込んだ、先進国と言えない非常に危険なアンバランスな経済になった。さらに市町村合併、地域政策の失敗で、地域間格差が深刻化した。
 金融危機は、「構造改革」の失敗に輪をかけた。日本の政治はこの重大な転換期に立ち向かえるのだろうかの不安がある。麻生首相は官僚が書いた漢字が読めなくて何度も失敗している。ブッシュが英語が出来ないのは有名だが、何を学んできたのかと思う。給付金の問題にしても、一国を託せるとは誰も思えない。ここに不幸がある。こんな危機の時にこそ、すぐれたまじめな政治家がでこなくてはいけない。総選挙が1つの試金石になると思う。

・100年近く前の29年の世界恐慌。どうやって問題を解決したか。ニューディール政策など公共的介入を行ったが、最終的には各国は軍事化で解決した。解決したといっても不況を克服しただけで、大変な犠牲を生んだ。日本もまっすぐに戦争に進んだ。その危険性が今あるのかどうかが1つの問題。イラク戦争の失敗、EUの状況、日本の憲法・不戦の誓い。そう考えると軍事化による景気回復の道は、国民が憲法を守る限りないであろう。景気回復は、公共サービス、公共投資の拡大でするしかない。そこで改めて公共事業について考える必要がある。私は社会資本論など公共事業の研究に携ってきたが、日本の公共事業は問題点が多い。平和の道で経済を改革するなら、過去の失敗を明らかにしないといけない。そこで「公共事業の過去、現在、未来」にテーマに語る。

◆日本の公共事業 ~ 過去
・第一の問題 国民の暮らしでなく産業育成に重点
・日本の公共事業の拡大はかなり早くから、高度成長の初期、S32年から経済発展の軸として社会資本を充実しながら、それにより産業基盤、生活基盤をつくりながら高度成長を進める方針をとってきた。それが経済政策の柱だった。97年3月1日、ニューヨークタイムスに、日本の公共投資はアメリカの軍事費よりも大きく、アメリカの人口の半分、国土面積の4%の国が湯水ごとく公共事業をしている。「日本は土建国家だ」と書いた。確かに日本の公共投資の中心は公共事業にあり、アメリカ、イギリス、ドイツのGNP比の4倍。フランスの2倍。80年代初頭には、アメリカの公共事業額を超えた。驚くべき状況となった。
・にもかかわらず生活のための公共事業は充実してないことが問題。住宅はウサギ小屋。中国、韓国の住宅と比較してもウサギ小屋。福祉国家の最大の福祉は住宅。日本は住宅でなく道路。59-94年行政投資、660兆円。約25%が道路。経済政策の中心を自動車産業とした。道路をつくって応援した。田中角栄氏が道路目的財源をつくった。最近では5兆円を越えている。道路があらゆる予算に優先していく。なにせ財源があるから。田中角栄は「道路がよくなったのは私のおかげ。目的税をつくったから」と自慢していた。一般財源化が言われているが、まだすっきりしない。一般財源化する時期に来ていることは誰もが認めるところだか、道路中心の考えはなかなか消えない。
・巨大な公共投資。最近は生活関係が増えたというが、その中心は下水道。全国に下水道つくる必要ない。沖縄の島にまである。大赤字。農村は家が分散している。下水道は、都市の集積しているから効率的で必要。分散しているところで画一して公共下水道つくった。自治体の、特に小さいところの赤字の最大の原因は下水道。でも電気産業は笑いが止まらない大事業。水処理の費用はもとより大きな市場が出来た。汚水処理場は電気事業の粋を集めている。その時々の産業を育成するために公共事業が行われてきた。
・大学は国際的に比較して極めて貧相。小中学校はよく出来ているが、それ以外の教育研究施設、福祉、医療施設は遅れているのは重点のおきどころが、常に企業の成長と結びついて計画された。これは困る。税金でやる事業、公共部門は、民間を儲けさせるためにあるのではない。

・第二は公共性の喪失。
・公共性とは、人権の問題。基本的人権を守り、発展させるためのものかどうか。ところが公共事業が環境破壊や公害の原因となってきた。最初の公共事業裁判は、大阪空港裁判。万博にあわせ、空港を拡張しジェット機を導入する。裁判で公共性が初めて争われた。国は「空港は公共性が最も高い」と主張したが、私たちは「騒音公害を出す企業が公共性を主張できるのか」と論争した。画期的な判決が下った。航空行政がまちがっていると明確に判定した。あわてた国は最高裁に持っていって、航空行政は政府の問題なので裁判所は判断できないとひっくり返した。三権分立が終わるような判決をした。しかし、政府のやることでも公共性にもとると賠償をしなければならないことが明確になった。これは大きい。その後の裁判ではほとんど賠償が発生する。それは公共性にもとるということ。その原則が確立した。
・もう一歩進んで、環境破壊の工事を止められないか。差し止めができないか、という問題が出てきた。宍道湖、諫早湾、長良川。その中で、宍道湖では工事がかなり進んでいた段階で止めた。漁民、研究者、商工会議所も景観の問題、シジミがとれなくなったなど多くの反対の声があがった。それ以外は進んだが、これ以降、公共事業であっても環境を破壊するものは差し止める、また事業を抜本的に練り直さなければならないとなった。
・環境アセスメントは、欧米よりずっと遅れて法律が出来て、やっと最近、政策アセスメントに踏み込み出した。今までの環境アセスメントは政府にあわせた調査になっていたが、ようやく政府の事業を批判・評価する政策アセスメントにすすみだしたが、残念ながら発電所ははずされた。
・それでもダム、道路、埋め立てをめぐっては紛争は続いている。ダム問題でいえば、用水が目的、治水と目的なくなっても、踏み出すと途中でやめるといわない。諫早湾もそう。公共性にもとる事業はしてはならない、というのが大きな問題点。

・第三は経済効果が少なく、赤字の原因となっていること。
・3つの本四架橋。通行料が高く、需要見込みが下回り、決算で6000億円の赤字。借入金の総額は3兆4千億円。もう返せません。最初に如何に甘いことをやったか。実は、この橋をつくるとき、つくると二酸化窒素の濃度が基準を超えるという大問題が出てきて、国は基準を緩めてまで推進した。大きな負担、地元の負担。公共事業で深刻な地方の赤字がひろがっているが、国の景気対策の肩代わりをさせ、1988年以降、国の財政構造を変えるくらい異常なほど地方団体が単独事業を行った。国はあとで交付税で面倒見るというので安心してすすめた。事業の半分を地方債ですすめた。これが地方団体の赤字の原因の大半を占めている。国の場合も建設国債、赤字国債を発行してこんにちの財政危機となった。公共事業の財政運営上の失敗が第三の問題。

・第四、住民参加の仕組みがない。
・公共事業は住民参加が必要なのに、大規模なほど実施されない。基本的な欠陥。財政民主主議から言って、住民が参加して規模、内容を決定するのが望ましい。

◆現在の問題
・公共事業の何が問題だったか、十分な検討もされず「構造改革」で一気に削減された。最高時の半分に減っている。急激に減った。大きな社会問題が生まれている。建設業の倒産など急激に状況が悪くなった。大手も赤字。金融危機があわさり建設業は厳しい環境におかれている。当然、地域経済に影響をもたらした。建設業だけで地域経済を支えるのも問題だが、倒産、自殺など大き影響。
・そこで経済改革をする場合、公共事業が重要な柱。公共事業を拡大する場合、過去の失敗を吟味して、国民の生活に役に立つ公共事業、建設事業のあり方を考える必要がある。

・政府は民主的改革は考えない。財政経済諮問委員会も公共事業にふれているが、効率化をいうだけで展望はない。国交省はおかしい。4つ自治体の知事が、ダムをつくらないと言っているのに反対している。専門的な検討委員会の提言も受けてダムは要らないと言っても、無視して「やる」と言っている。さらに地域整備事業をやらない、と恫喝している。驚きました。それは国会や地方議会が決めること。それを一部長が言う。私物化かと言いたい。
・政府の説明は、グローバル世界の中で、空港、港湾や高速道路が大きく不足していると。重点化して進めると言う。ある程度は必要だが、そこに重点を置くのは、4つの問題点から見て基本的に問題。もう一つこまるのは、選挙目当ての公共事業。地域に利益にならない。民主的改革が必要。
住民の安全や安心…防災、福祉、医療、保健、福祉、環境、教育な応えたものを進めるべき。旧態依然たる大型プロジェクトが許されるか。社会資本は100年を展望した計画が必要。
・660兆円以上の社会資本。それが古くなり始めている。日本の公共事業は整備、修理に補助金がつかない。早くからすすめたところ、50年前つくったところが痛んできている。アメリカでは、80年代に大きな危機が起こった。橋が崩落したり、トンネルの側壁がはがれ死者が出たり。今後は、保全、補修を基本的に考える時にきている。

・長野県の公共事業改革。私たちに大きな示唆を与えている。オリンピックの莫大な負債を抱え、改革に乗り出した。公共事業の予算を半分にした。入札を変えた。市場調査やアンケートをとる対象を変えた。つくり公園など小規模のものを重視した。維持、補修を重視する。変えると当然、雇用や地域経済の問題がどうなるか、総括的に検討している。民主的改革と言うとき、国が変らないもとでもそれぞれの自治体が考えることが大事。危機になったら考えざるをえない。
・この中で雇用対策はあまり上手くいってない。倒産していく建設業の従業員に、福祉、教育関係の学習、資格をとらせる事業もした。ここまで考えるのが本当。労働者が乗ってこなかった。今まで土木建設の現場で働いていた人が「なんで」という気持ちがあったのだろう。しかし、ここまでやらないと民主的改革にならない。ぜひ参考にしてほしい。

◆公共事業の未来  
・未来という場合、グローバル化している世界で何を考えなくてはならないか。地球環境の危機。金融危機で、地球環境政策が難しくなっている。資本主義経済というのは経済が優先するので、地球環境について世論が盛り上がっているのだが、政府、企業がやるかどうか、大きな問題。
・地球温暖化問題。昨年、気候変動に関する政府間パネルの報告が出て、温暖化の原因は人類の活動が原因の確率が90%以上である。平均気温が1.8~4度、海面水位も26〜59cm上昇。重大な危機が起こる。解決のためには、システムを大きく変える必要があると重大な提言をした。科学の問題から政治に問題となった。金融危機までは焦点の問題だった。
・日本は97年、京都議定書を締結する主体となった。悪いことではないが、環境基本法が出来て、公害対策からの取り組みが変ってきた。公害は企業が原因者として対策した。公害は過去のものになったと企業も国民も原因者にした。国民も電気を消すとか、関わっているが選択の余地は少ない。石炭や原発などのエネルギー産業、それ大規模に使っている企業が動かないと国民の余地は少ない。しかし、日本は企業規制の基本を捨てた。公害を争った時には、政府、企業の経済発展の範囲という調和論と闘って、それを克服してきた。それが環境基本法で、調和論にもどった。自主規制にきかせる。環境税もとらない。排出権取引も自主規制。利潤がなくなってまでやるわけがない。公害闘争の経験は、企業が利潤がなくなるところまで規制して、はじめて、それを克服する技術開発が進む。放っておいて技術は開発されない。環境税もとらなでうまくいかない。
 原発に依存した温暖化対策。柏崎の原発がとまった時に、火力発電で大量に排出した。それで京都議定書から大幅に超過してしまった。

・ここで言いたいのは、環境問題は温暖化だけではないということ。実際の危機は再生可能資源で起こっている。食料、森林、水、土壌。到底、地球がもたない。日本の場合もこのままでいいか。歴史上かつてない贅沢な食事をし、世界一の残飯を出している。イギリス、ドイツの3倍、食料を輸入。食料輸入自体が環境破壊。そういう問題が日本の中のある。再生可能資源を含めて危機が迫っていることを自覚しなければならない。温暖化の影響よりも、早く打撃がくるのではと思っている。

・アスベストも地球環境危機の1つ。地球全体で使っている珍しいもの。労働過程で入る、廃棄物の処理で入る、これからは建材、建物を壊すときに発生する。阪神大震災で大問題として明らかになった。
 アスベストは、全経済過程、全地球規模に及ぶ。水俣病と違う。15~50年で被害が出る。そのときには原因者はつぶれてない。被害者もどこで飛瀑したかわからない。この間も、神戸大のゼミの学習で連れて行った工場で被害にあっている。
 1920年代以降、1億8千万トン使用。先進工業国はほぼ使用を止めているが、今、中国がどんどん使っている。ロシア、東欧でも。ブラジル、インドね、インドネシアも使うと思う。アスベストは高度成長の初期、大きな設備投資がはじまった時に使っている。放っておいたら、これからモーレツに使う。早くから規制したアメリカでも発症のピークは2015年。今世紀の全般にわたる。数百万人の死者が出るといわれている。空前絶後の環境災害になる可能性。これが以外と関心がない。
・特にいけないのはことことが分かっていた。1930年代、調査をして、すでに危険性を示す重要なデータを出している。60年前から医学部ではアスベストとガンの関係を必ず学んでいた。逆に、建築の方では、全然、危険性を習ってない。むしろ使えと習っている。59年には建築議准施行令で使うことを認めている。ようやく73年に吹き付けの禁止を決めたが、実行されたのは87年。
 科学者にも責任はあるか、企業や政治に責任がある。危険性がわからなかって使っていたのではない。
・06年6月、クボタという機械メーカーの尼崎工場周辺の3人の住民が被害の申入れに言った。メーカーは、住民にまで被害が広がってると思っておらず、大ショックを受けた。公害闘争の経験もあったので、住民が補償交渉し、見舞金、原因が特定できないから見舞金と言ったのだが、4600万円、労災と同じ補償金をはらった。今、139人を認定。まだまだ増えている。株主総会でも「どこまで増えるのか」と心配の声が出たほど。勇気ある患者の発言で全容が明らかになった。これは公害闘争の教訓、被害者が人権を意識して、声をあげないとはじまらないという原則が確認された。
政府はアスベストを使用した工場を発表した。最初数十工場だといっていたが、発表するたびにものすごい数になっている。3人の被害者の勇気の賜物。
・政府は救援法を早くつくった。悪いことではない。公害の経験から早く対応した。しかし、ちゃんと調べもせずにつくったので欠陥だらけ。
 認定の問題。中皮腫は認められるが肺がんは認めない。専門家は、肺がんの方が2倍あると言っている。フランスは違う。アスベストに飛瀑する条件があれば、みな被害を認めている。日本の行政は切り捨てる。水俣病の認定と同じ。患者の主体性、人権を認めない。一見、科学的なことを言って対象を小さく小さくする。改定をしなくてはならないが、これを大きな運動が必要だ。
・アスベスト被害の訴訟が次々と起こっている。救済法が不完全なので裁判がどんどん行われ、資料が公開され、責任が明確になることを願っている。
・これも地球環境問題。化学物質、アスベストが世界的に使用されている。実は、日本で操業できなくなった工場が、外国に出て行き、公害輸出されている問題でもある。

◆最後に 世界的に転換期
・金融危機、新自由主義など経済政策をどうするかという問題だけでなく、環境問題など転換期に来ている。技術ではこれは解決できない。
・未来社会をどう考えたらいいか 94年、維持可能な発展が提起され、人類共通の課題となった。私は5つの課題を軸に、維持可能な社会を考えている。
①平和の維持、特に核戦争の防止
②環境の維持、多様性の生態系を維持
③絶対的貧困の克服、不公正の解消
④民主主義
⑤基本的人権としての表現の自由、多様な文化の共生

・幻想と言われるかもしれないが、幻想と捨ててしまうと大変になる。平和、環境、待ったなしの課題。難しいかもしれない。WTOのように自由化をすすめる機構があるが、それを制御する機構はない。しかし、足元から地域の中から作っていかなくてはならない。20年、30年後にやりましょうではすまない問題。
・この5つの課題は憲法の精神に近い。憲法は、維持可能な社会をつくる基本原則、重要な命題を含んでいる。日本国憲法を保持する、それを発展させながら、平和や地球環境の課題を達成することが、未来への私たちの課題ではないか。 

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今日、近所で共産党の議員の演説がありました。雨にもかかわらず、大勢の人々が車の周囲に群がり、世の中の潮目の変化を感じました。ただ急に雨がふりだしたせいで濡れたまま聞いていた人もチラホラ。こんなときビニール傘のかしだしなどがあればとも思いました(予算が厳しいのでしょうけど)。

そうですね。全部はようしませんが、障害者とか高齢者に対し・・少しでも・・・
 努力したいですね。
 ご意見ありがとうこざいます。
 

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