公務員制度改革と「回転ドア」
「官民交流」の美名ももとになされようとしている「公務員制度改革」・・・アメリカの事態をみれば、本質がよくわかる。
政府の高官から民間会社の役員へ、そして民間会社の役員が政府の高官へ・・・ アメリカでは「回転ドア」と呼ばれるそうだ。
チェイニー副大統領 戦争で大もうけのハリバートン社の元最高責任者
ライス国務長官 石油会社シェブロン社の役員
金融自由化をすすめた民主党クリントン政権のルービン財務長官はゴールドマン・サックスの出身。そしてその後シティグループの会長。現在のポールソン財務長官もコールドマン・サックス元会長
民間から政府の高官になると「タックルホリデー」という免税措置がされる。利害関係を防ぐという名目で持ち株を強制的に売却させられる。その利益には課税されない。これが政府高官になる最大の理由だとも言われている。
そうして、こうした経済人の多額の寄付で大統領選はたたかわれる。こうして強固な支配構造ができあがっている。
日本で言えばどうなるか・・・金融庁長官には東京三菱UFJ銀行頭取、三菱重工幹部が、防衛省の高官になる。厚生労働省に事務次官には、武田製薬とか、一昔前ならグッドウィルの折口某がなる、というものだ。いまの貧困のひろがりも経済財政諮問会議の経団連会長らの民間委員、規制改革会議の責任者も民間委員であり、その方針のもとに築かれたもの。それをさらに拡大しようというのが「官民交流」だ。
「公務員バッシング」はそのための露払いでしかない。
社保庁や農水省、国土交通省の不祥事の原因も、もとをたどれば国民を無視した政財官の癒着、利権構造にこそある。
アメリカモデルの「市場原理主義」が破たんが明白になったもと、その流れで言われてきた「官から民」「規制緩和」の本質は何か、もう一度見直す必要がある。
誤解がないように・・・民間が悪だといっているのではない。市場で売れるための商品や技術の開発など、その力は大きなものがある。しかし、利潤を稼ぐことが個別企業に強いられるもとでは、暴走しないためのルール、規制が必要だということだ。
« 議員団会議 | Main | 干潟埋立に断 「開発」の抜本見直しを »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 2502地方議員学習交流会資料 新年度予算案の特徴(2025.02.24)
- 高額療養費制度改悪 がん患者・障碍者団体が声明。知事からも「国家的殺人未遂」と批判の声(2025.02.18)
- システム照準化 運用コスト爆上がり! 「3割削減」の想定を上回る分は国が責任を 中核市市長会 (2025.02.18)
- 「高額療養費」の改悪 国民負担増で、国・企業の負担減(2025.01.08)
- 基礎控除引上げ、消費税減税…絶対額でなく負担比率の変化で見る (2024.12.09)
「公務の民営化」カテゴリの記事
- 「指定地域共同活動団体」~地方自治法改定による新たな課題(2024.08.17)
- PFI事業 検証した27件全部で割高 会計検査院(2021.05.19)
- 「スマート自治体構想」と公務労働 (メモ)(2020.03.29)
- 日本郵政の迷走は「民営化」という構造改悪の結果(2019.10.22)
- シルバー人材センターによる公務職場の置換え・・・会計年度任用の本格導入を前に(2019.10.08)
TrackBack
Listed below are links to weblogs that reference 公務員制度改革と「回転ドア」:
» 2008年12月1日 なぜ私が収監されるのか 〜高知白バイ事故の真相〜 D報道発 ドキュメンタリ宣言 テレビ朝日 [高知県警の冤罪か - 白バイとスクールバス事故 - 坂本竜馬の土佐の高知で]
D報道発 ドキュメンタリ宣言 なぜ私が収監されるのか 〜高知白バイ事故の真相〜
次回予告 12月1日(月)午後7時〜8時
白バイとスクールバスとの衝突死亡事故。
バスの運転手は無実を訴え続けたが、刑務所に送られた。
続々と出てくる無実の裏づけとなる証言。
しかし裁判では全く無視された。
冤罪の可能性が極めて高いと指摘されている事件。
有罪が確定し収監されるまでのバスの元運転手の1年に密着。
引き離される家族の憤り、悲しみ、そしてひとつの事件を通して日本の司... [Read More]
Comments