公契約条例 議会多数派が提案 尼崎市
公共調達で、ワーキングプアを作っていいのか・・・この一年、非常勤職員の問題も含めて「官製ワーキングプア」がマスコミにもしばしば登場した。その中で、公共調達での契約先の労働者の権利を確保する条例が尼崎市議会で提案される。まさに「地方分権」「福祉の増進」「経済対策」として画期をなす。
最低賃金上乗せ条例提案へ 尼崎市議会、市側は反発 中国新聞11/27
条例化については国分寺市が真剣に検討しながらも、後に続く自治体の状況を見てと「要綱」にとどまった経過もあり、今回の提案は、大きな契機となる。情報によれば、山形県も品質確保の点から「公共調達」の条例を策定するとのこと。
記事では、市側は「税負担が増える」とか、言っているらしいが、福祉の増進という自治体の目的はもとより、それが消費にまわることを考えれば、きわめて大きな経済効果がある。また、将来、施設の更新できないような大型事業はやめるなど事業計画をみなおせば、どうってことない。また、国と地方は対等という「地方分権」(この言葉は、国と地方の役割分担論、ナショナルミニマムの放棄を含意しており、本当は使いたくないが)精神に沿ったものだ。
厚生労働省も「問題ない」「業者が不当と裁判おこさない限り」と言っている。文句をいう業者は社会的に包囲したらよい。当然、最低制限価格を上げて、きちんとすることが大事だし、職人の技術を評価しない建設業法の改定、重層下請け構造の是正もし、適正な利益が確保されることが必要だ。
景観法が、全国の500を超える自治体が強制力がなかなか担保できなくても、条例化したことが、国によって法整備される力となった。
これまでも議会論戦してきたが、高知でもあとに続くとりくみをしたい。
【最低賃金上乗せ条例提案へ 尼崎市議会、市側は反発 中国新聞11/27】
兵庫県尼崎市議会の三会派が、生活保障を目的に、公共工事以外の市の業務を請け負う会社に、国が決めた最低賃金を大幅に上回る給与の支払いを義務付ける条例案を策定したことが二十七日、分かった。十二月議会に議員提案する。
提案するのは議会の過半数を占める民主、共産、社民各党系会派で、厚生労働省によると、成立すれば全国初。ただ市側は財政負担の増加を懸念し、強く反発している。
最低賃金法に基づく兵庫県の最低賃金は七百十二円。条例では清掃や住民票の入力業務など市が民間に委託した業務に就く人に、業者が高卒初任給(九百四十五円)以上の給与を支払うことを義務付ける。市が違反を調査し、是正要求や契約解除も可能としている。
一方、市は「自治体が勝手に条例で決めるのは最低賃金法を骨抜きにする」と指摘。条例の適用を受ける業務や対象人数は調査中だが、数億円の財政負担が想定されるとして「財源をどこに求めるのか」と実施は極めて困難と強調する。
全日本自治団体労働組合によると、条例で最低賃金に上乗せする動きは、東京都国分寺市や北海道七飯町であったがいずれも成立しなかった。
厚労省勤労者生活課は「条例で最低賃金を上乗せするのは問題ない。業者が不当だと裁判を起こさない限り違法とは言えない」としている。
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