やはり空振りジョブカード 強制力ある制度を
ジョブカード、超低空飛行 フリーター支援策空振り 11/1 共同
社会的な強制力をもたない、同制度には、当初から効果は疑問視されていた。
NIRA研究報告書2008/4
「就職氷河期世代のきわどさ―高まる雇用リスクにどう対応すべきか」 の中で、
「現行の制度の下では、ジョブカードのような仕組みを導入しても企業の自主的な判断で非正規雇用から正
規雇用への転換を受け入れる可能性は限られている。非正規雇用から正規雇用への転換を実現するためには、ジョブカードなどで一定の資格要件を満たすものについては一定比率での採用を義務づけるなどの措置を伴わない限り実効性は期待できない」と。
きちんとした雇用のルールの確立が必要ということだ。
「“大洪水よ、わが亡きあとに来れ!”これがすべての資本家およびすべての資本家国民のスローガンである。それゆえ、資本は、社会によって強制されるのでなければ、労働者の健康と寿命にたいし、なんらの顧慮も払わない。」(資本論)のである。派遣労働者の雇い止めによくあらわれている。
一方、労働総研が、正社員化、週休2日制徹底、サービス残業の根絶なら「消費15兆円増、雇用創出635万人」という試算を発表している。
【ジョブカード、超低空飛行 フリーター支援策空振り 11/1 共同】
フリーターの雇用対策の目玉として、政府が本年度始めた就職支援の「ジョブカード制度」で、カード発行件数が発足後半年たっても目標の2割にとどまっていることが1日、分かった。景気後退で雇用不安が広がる中、鳴り物入りで導入した対策だけに、このまま超低空飛行が続けば、批判が強まることになりそうだ。
ジョブカードは、政府の「成長力底上げ戦略」の柱となり、福田政権がまとめた2010年までにフリーターを11万人減らすとした「新雇用戦略」でも、中心施策と位置付けられた。
制度は職業訓練を組み合わせたもので、求職者は訓練歴やアルバイトを含む就職経験を記したカードを作成。企業はカードを基に選考することで、ニーズに合った人材を探しやすくする仕組みだ。「就職氷河期」にぶつかった中高年フリーターや主婦らを対象に、主に3つのコースがあり、3カ月から2年間、訓練や実習を受ける。
しかし、9月末のカード発行件数は約2万件どまりで、08年度目標の10万件とは大きな開きがある。中でも、正社員への橋渡し機能を期待された「有期実習型訓練」は、年度目標1万人に対し実施できたのが約15社で約50人。賃金をもらって実習と座学を受ける仕組みだが、終了後に正社員に採用された人は6人程度にすぎないとみられる。
【正社員化 サービス残業根絶なら消費15兆円増 雇用創出635万人 労働総研が試算 赤旗11/.1】
派遣やパートの正社員化やサービス残業の根絶などで家計支出が十五兆円増え、景気回復と生活向上ができる―。労働運動総合研究所(労働総研)は十月三十一日、正規雇用の拡大と働くルールの確立で外需依存から脱し、内需拡大による景気回復ができるとの試算を発表しました。家計を冷え込ませる雇用破壊を野放しにしている麻生内閣の経済対策を告発する内容となっています。同研究所の牧野富夫代表理事らが東京都内で記者会見しました。それによると、(1)派遣とパートらの正規化(2)サービス残業の根絶(3)週休二日制と有給休暇の完全取得―で六百三十五万人分の正規雇用を生み出します。正規化は、正規雇用がないため派遣となった人や正社員と同じ労働時間のパートら三百六十三万人が対象です。
これによって、年収はパートなどで約二百四十万円増の四百八十六万円、派遣で約百十万円増の三百五十一万円(二十五歳から二十九歳)など計二十一兆三千億円増え、消費需要(家計支出)も十四兆九千億円増大。誘発される国内生産は二十四兆三千億円にのぼり、国内総生産(GDP)を2・5%押し上げます。
中小企業の多い分野の生産増につながるため、中小企業へのテコ入れにもなり、税収も二・二七兆円増えると算定。社会保障費の拡充などに役立てることができます。これらは大企業のため込み利益(内部留保)の5・28%にすぎず、実現可能だとしています。
牧野氏は、「政府の経済対策はバラマキでしかなく、雇用の現状はますます悪化する。今、不安定な雇用を正社員にする雇用創出が一番大事であり、この試算が日本経済を健全化させる方向だ」と話しました。
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