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国保 自治体の姿勢

子ども「無保険」:子供世帯への対応 都道府県で”格差”毎日
 資格証明書発行ゼロは、自治体の姿勢次第――  
「発行率」がゼロ、またはゼロに近い自治体の声として、“資格証を発行しなくても、滞納者と納付相談ができている。大人も含めて発行をゼロに抑えている”(さいたま市)、“県内の収納対策では、資格証ではなく短期証が活用されている”(沖縄県)との声を紹介し、識者の“「発行割合が高い自治体は、個別の事情をあまり考慮せずに機械的に発行している可能性が高い」。さらに国の姿勢を批判し、「責任を自治体に押し付けるだけで、根本的な解決を図っていない」”と結んでいる。
 今日、1時から、高知市で、子どもの資格証明書発行問題で申し入れをする。

 また、国保の構造的問題を、読売が特集している。
国民健康保険…「高齢」3割厳しい財政 読売11/5
 加入者の半数が無職、被用者保険に比べ倍近い保険料、後期高齢者医療制度をつくっても国保会計は改善せず・・など問題をとりあげ、提案で「国費投入による皆保険の維持」を言っている。それしか解決の道はないだろう。
一方、運営主体を都道府県にする桝添試案については、反対の声や課題も取り上げているが、提案では「都道府県の責任・役割を強化」としている。が、記事の脈略からはストレートには結びつかない。知事会、市長会も求めていることからそうしたのだろうが、そこには、国からの権限移譲に「夢」を託す道州制ということが視野に入っている。しかし、財界が求める道州制は、権限移譲をちらつかせた、自治体リストラでしかない。
 県単位での地域受益者負担主義、また、医療分野がちいさな自治体からなくなることとなる。これに介護と障害者「自立」支援法の統合、県での運営へと移行すれば、「福祉の増進」を目的とする自治体の存在を否定することとなり、道州制を担う「総合的な基礎自治体」への改変のハードルが下がることとなる。
 自治体の姿勢としても、安易な広域化にのるべきではない。そこは注意しながらの対応が必要だ。 
 

【子ども「無保険」:子供世帯への対応 都道府県で”格差”毎日11/5】
 国民健康保険(国保)の子どもの「無保険」問題で、厚生労働省が先月30日に公表した全国調査。その結果からは、都道府県レベルでの“地域格差”も浮き彫りになった。
 国保料を滞納した世帯数と、保険給付差し止めで発行される「資格証明書」を受け医療費の10割自己負担が必要な子どものいる世帯数を比較すると、「発行率」が最も高いのは栃木県だった。
 同県国保医療課は「県として統一的な政策を打ち出しているわけではなく、各市町村の判断の結果。滞納率が高いことも背景にあると思うが、なぜ高いかは不明」といぶかる。県内では、宇都宮、足利、鹿沼、大田原の4市が各200世帯以上に発行し、全体の数字を押し上げている。
 一方、埼玉県は滞納率が栃木県と同水準ながら、「発行率」は0.06%で限りなくゼロに近い。県国保医療課によると、滞納者への資格証明書発行が義務化(00年)される前から、発行数が少ないという。
 「発行率」下位の3県は、いずれも県庁所在地が子どもに資格証をほとんど発行していないのが特徴だ。さいたま市は「資格証を発行しなくても、滞納者と納付相談ができている」と、大人も含めて発行をゼロに抑えている。また沖縄県医務・国保課は「県内の収納対策では、資格証ではなく短期証が活用されている」と話す。
 調査結果について、芝田英昭・立命館大教授(社会保障論)は「各自治体の裁量で子どもに格差が出ている。発行割合が高い自治体は、個別の事情をあまり考慮せずに機械的に発行している可能性が高い」と指摘。さらに国の姿勢を批判し、「責任を自治体に押し付けるだけで、根本的な解決を図っていない」と述べた。

【国民健康保険…「高齢」3割厳しい財政 読売11/5】  後期高齢者医療制度(長寿医療制度)と市町村が運営する国民健康保険(国保)を一体化する私案を、舛添厚生労働相が公表するなど、医療保険制度改革を巡る議論が活発化している。どの案を採るにせよ、これからの医療保険制度を考える際に欠かせないのが、「国民皆保険の砦(とりで)」といわれる国保をどうするかだ。高齢者や低所得者が多く、運営が厳しい国保の現状と、改革の方向性を探った。(社会保障部 内田健司)

 「今年4月に後期高齢者医療制度が始まって、75歳以上の方が抜けたからといって、国保の運営が楽になったという実感はない」
 東京23区内の自治体の担当者は、こう話す。
 国民すべてが公的医療保険に加入する「国民皆保険」体制ができて約50年。サラリーマンらが加入する被用者保険と違って、国保は、自営業者らが加入する地域保険として、国民の健康を支えてきた。
 しかし、かつては約7割を占めた農業と自営業の割合は2割以下(2006年度)に激減する一方、1割に満たなかった無職の割合は半数を超えた。非正規雇用などの被用者の割合も、約4分の1を占めている。

 無職者や低所得者が多いため、保険料収入が伸び悩むのとは対照的に、老人加入率上昇に伴い、医療費は急増。このため、国保特別会計が赤字となる自治体が続出し、保険料上昇を抑えるために、一般会計から法定外の繰り入れを行っている自治体も多い。06年度では、一般会計から3617億円の法定外繰り入れがあったが、それでもなお、52%にあたる948自治体が赤字決算の見込みとなった。
 75歳以上の高齢者を国保から切り離す後期医療制度が出来たのも、国保財政の破綻回避が大きな狙いだ。

 新しい高齢者医療制度開始後の国保はどうか。
 国民健康保険中央会によると、4月末現在で加入者は3660万人。75歳以上の約1100万人が国保を離れたとはいえ、3割にあたる1090万人が65~74歳で、高齢世代が目立つ。
 財政状況については、「今年度の国保特別会計予算でみると、一般会計からの繰入額が前年度より減った」(北海道内の自治体)など、全体にプラスの財政効果が見られる。しかし、「かえって厳しくなり、保険料率を上げた」(関西の自治体)というところも。新制度導入で、国保の財政問題が解決したとは、いえそうもない。

 課題はほかにもある。
 その一つが、保険料収納の問題だ。保険料の収納率は06年度、90・39%とわずかに好転したが、納付実績が高い75歳以上が抜けたことで、今後の収納率低下を憂える自治体は多い。
 一方、滞納世帯も多く、厚労省の9月時点の調査では、全世帯の2割近くの約385万世帯に上る。
 滞納の原因として、収入が低くて保険料を払えない層の増加も指摘されている。非正規雇用が増え、賃金に比べて負担が重すぎたり、負担増を嫌う企業の都合で被用者保険に入れなかったりする現役世代も少なくない。
 さらに、同じ収入の世帯でも、被用者保険に比べ、国保の保険料は高いという問題もある。夫婦と子供2人で年収385万円の世帯の場合、中小企業で働く夫の保険料は月平均1万3000円。国保では、約2万4900円となる。保険料の計算方法が違うためだ。

◆「都道府県を運営者に」厚労相私案
 高齢者や低所得者が多く、赤字財政に苦しむ国保の処方せんはあるのだろうか。
 その一つが、舛添厚労相が先月7日に公表した、後期医療と一体化した上での国保の「都道府県単位化」だ。保険の運営者を都道府県とすることで、財政基盤を強化し、地域医療分野で都道府県に主体的な役割を担わせる狙いがある。
 しかし、この案に対しては、その翌日、兵庫県の井戸敏三知事が、真っ先に怒りの談話を発表した。
 「(運営主体を)単に市町村から都道府県に移すだけでは、構造的課題の解決にならない。保険料徴収などは市町村が行わざるを得ず、かえって事業運営の責任主体があいまいになる」と井戸知事は反論する。
 一方、山口県柳井市の河内山哲朗市長は、実現の難しさは認めながらも、「県を運営者にすることに向け、具体的な議論を始めるべきだ」と評価する。知事会も市長会も、最終的には、被用者保険も含め、医療保険制度を一つにすることを主張している。
 現実には、広域化の動きは既に始まっている。
 国と地方の税財源を巡る三位一体改革で、都道府県は05年度から、財政調整交付金を通して、市町村の国保運営への支援を強めた。また、1件30万円を超える医療費(自己負担分を除く)については、都道府県ごとに市町村が保険料を拠出して助け合う共同事業が06年10月から始まった。さらに、政府の地方分権改革推進本部も今年6月、都道府県の権限・責任の強化や、広域化の推進について、09年度中に結論を得ることを盛り込んだ要綱を決定している。
 ただし、「都道府県単位化」の実現には課題が多い。
 広域化について昨年、勉強会を開いた高知県の国保担当者らによると、最大の課題は保険料の統一だ。市町村ごとに計算方法が異なるうえ、1人当たりの保険料は、県内でも最大5万円もの開きがあるからだ。
 また、国保と後期医療を一体化しても、(経済的)弱者同士のため抜本解決にはならないとの見方が強い。
 こうした状況を打破し、皆保険制度を維持するには、被用者保険も含めた医療保険制度全体の将来像を描くことが欠かせない。公費も含めた財政調整を行って、所得にかかわらず安心して医療が受けられるよう、わかりやすい制度に再設計することが必要だ。国保に加入している被用者が被用者保険に入れるようにすることも求められる。
[プラスα] 保険料の算定と納付
 国保の保険料は〈1〉所得割〈2〉均等割〈3〉平等割〈4〉資産割から成り、市町村によって、「〈1〉+〈2〉」「〈1〉+〈2〉+〈3〉」「〈1〉+〈2〉+〈3〉+〈4〉」のいずれかの方式で計算されている。
 保険料納付義務があるのは世帯主。世帯主本人が国保の対象者でない場合も、世帯内に対象者がいれば、納付義務がある。
 納付方法には、口座振替と、納付書による金融機関やコンビニなどでの支払い方法があるが、今年4月からは、年金天引きによる納付も始まった。
 保険料を滞納すると、督促状が届き、電話や訪問による催告などが行われる。1年以上滞納した場合は、保険証の代わりに「資格証明書」が交付され、医療機関にかかった場合は、医療費全額をまず自己負担し、後で自己負担分を除いた額が払い戻される。悪質な滞納に対しては、財産の差し押さえ処分が行われる場合がある。
「3つの提案」
・都道府県の責任・役割を強化
・国費投入で皆保険を堅持
・将来見据え医療保険制度の再設計を
(2008年11月4日 読売新聞)

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