ノーベル物理学賞とマルクス主義、平和主義
京大名誉教授の益川敏英先生らがノーベル物理学賞受賞しました。
未発見の「クォーク」の存在を理論的に予測した『小林・益川理論』が認められたものですが、その益川先生は、素粒子研究には、弁証法的唯物論の物の見方(いわゆるマルクス主義)が貫かれていたことを語っています。
「素粒子が、さまざまな性質、特徴、法則性をもっているのは、その背後にそれらの担い手の物質が必ず存在するに違いないと考え(ています)」、そこには「『電子といえどもくみつくせない』という物質の無限の階層性と認識の相対性を指摘したエンゲルスやレーニンと同様の唯物弁証法(弁証法的唯物論のこと)の物の見方がつらぬかれています」、「唯物弁証法と自然科学の研究方法との関係は非常に奥深いもので、今後もさらに追求する必要があると思います」(、1984年7月14日付けの「赤旗」)
これは湯川博士とともに研究した坂田昌一先生が「物事は固定しているのではなく、常に変化発展しているという弁証法的認識、哲学なくして、湯川理論も創造されなかったであろう」と語っているのと共通する。
経済とともに、マルクス主義の奥深さを示すモノだ。
また毎日新聞8日付(夕刊)には・・・
アインシュタイン博士、湯川秀樹博士、作家の大江健三郎さんと続く、「反戦」を「継承」との見出し。
「穏やかでちゃめっ気のある益川さんだが、『反戦』を語る気骨の平和主義者でもある」「『9条の会』のアピールを広げる科学者・研究者の会」の呼びかけ人の1人と紹介している。
ノーベル賞:物理学賞に日本人3氏 個性と気骨、その素顔 毎日
また 「専門外の社会的問題も考えなければいい科学者にはなれない。僕たちはそう学んできた」と語っているが、昨今の「学力調査」めぐる喧騒へのメッセージと受け取れる。
大学の一年後輩の井上さとし参院議員のHPで知ったのですが、「学生時代、学生自治会がとりくむセミナーの講師なども気軽に応じてくださっていたことを思い出します。世界的注目を集めていた益川先生が、素粒子研究には、弁証法的唯物論の物の見方が貫かれていることをいっかんして語ってこられたことは、科学的社会主義を学ぶ上で、とても励みになりました。」と語っています。が・・・ 一緒に自治会とかも進めていたのに、うーん、あまり記憶に残ってない・・・・
【ノーベル賞:物理学賞に日本人3氏 個性と気骨、その素顔 毎日】
■益川さん◇湯川先生の原動力は核で人類が滅ぶ恐怖--貫く平和主義
穏やかでちゃめっ気のある益川さんだが、「反戦」を語る気骨の平和主義者でもある。
「九条の会」に連動し、05年3月、「『九条の会』のアピールを広げる科学者・研究者の会」が発足した。益川さんは呼びかけ人の一人。同時期に誕生したNPO法人「京都自由大学」では初代学長に就任、市民の中に飛び込んで平和を語った。
原点は幼少期の体験にある。益川さんは名古屋市に生まれた。小学校入学前、第二次世界大戦を体験し、焼夷(しょうい)弾が自宅の屋根を突き抜けた。「不発だったが、周囲はみな燃えた。あの思いを子孫にさせたくない」と言う。
05年、自民党が憲法改正に向けた要綱をまとめた。中国で反日デモが相次ぎ、JR福知山線事故が発生した。平和と命の重みが揺らいだ。当時、益川さんは「小中学生は憲法9条を読んで自衛隊を海外に派遣できるなんて考えない。だが、政府は自衛隊をイラクに派遣し、更に自衛隊の活動範囲を広げるために改憲を目指す。僕はそんな流れを許容できない」と猛然と語った。
1955年、アインシュタインら科学者11人が核兵器廃絶を求め「ラッセル・アインシュタイン宣言」に署名した。その一人が益川さんが尊敬する日本人初のノーベル賞受賞者、湯川秀樹博士だ。「湯川先生の原動力は核で人類が滅ぶ恐怖だったと思う。僕は一人一人の今の生活を守りたい。その実現に、戦争はプラスですかと問いたい。殺されたって戦争は嫌だ」と強調する。【奥野敦史】
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