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学力調査の「順位」とは何?

 数字は数字だということだろう。学力調査の順位でわーわー言っている知事とかがいるが、産経の記事は、別の問題意識からだろうが、そうした態度への皮肉となっている。
学力テスト1位「秋田に学べ」は大丈夫? 大学進学率は低迷 産経10/27 
 大学進学率もまた1つの指標でしかないのだが・・・とにかく1つの指標でくくり、評価できるものではない、ということが浮かびあがる。

 記事によれば、秋田がトップなのは、少人数学級で、落ちこぼれが少なく、学力中位層があついから平均点がよい。一方で、大学進学が低迷しており、高レベルの層が少なく、それは「横並び意識の強い県民性」「平等主義の弊害」との関係者の声を紹介している。
 では「競争」を煽っているかと言えば・・・「様々な要因があり単純に参考にならない」や「義務教育では成功している」とかの識者の声も紹介している。

 それでも、いろいろ要因があるので「学力調査の結果公表」の声が締めとなっているのが産経らしいが・・(結果の公表とさまざまな指標との関連がなぜ結果公表したら明確になるのか、そこは論理が飛躍していると思う)。また平均値よりもエリート育成という政財界の思惑を反映した記事という感じもしている。

 とにかく1つの指標でくくり、評価できるものではないということだろう

 なぜ「順位」が叫ばれるか・・・改悪教育基本法のもと、教育委員会も評価される対象となった。教育の国家統制を排し、教育の国民への直接責任性という脈絡の中で位置づけられてきたレイマンコントロールという教委の本来の役割を、文科省の基準で「成績」が評価され、その実行部隊となるよう制度上も変質させらている。そのツールが「学力調査」なのである。こういう政策的な大きな流がある。
 秋田ではテスト対策に汲々としているとの話も聞く。

 一方で、社会の実態としても、学力とは何かの国民的合意がないこと。学歴が収入に大きく関係すること(大企業と下請けという極端な経済の二重構造)。一度おちこぼれるとセカンドチャンスが乏しいことが「順位」に「敏感」となる土壌をつくっていのだろう。
 
 学びつつける力、問い続ける力という学びの動機づけをどう獲得するか、自らの意見を述べることができ、異質な意見を受け入れ交流できる力などなど・・・ 極めて大事な要素はどう育まれているのか。また、貧困や教育条件との関係はどうか・・・ 本来もっと議論すべき内容があるはずである。
 

【学力テスト1位「秋田に学べ」は大丈夫? 大学進学率は低迷 産経10/27】 
 文部科学省が実施した「全国学力テスト」で、2年連続トップの成績を収めた秋田県に対し、その秘訣(ひけつ)を学ぼうと、全国の教育委員会や地方議員らによる“秋田詣で”が続いている。しかし、「秋田を見習って大丈夫なのか」と疑問を呈するのは、ほかならぬ秋田県内の教育関係者。「競争より横並びが大事」という県民性が成績の底上げを実現する一方、大学進学ではふるわないという、秋田の特殊事情があるためだ。(宮原啓彰)
 秋田県は平成19、20年度の全国学力テストで、小学生は全4科目がすべてトップ、中学生も1~3位に入った。
 好成績の理由は少人数教育との見方が有力で、急激な少子化のため全国に先駆けて県全域で少人数学級に移行した事情が背景にある。また、県教委が19年度の全国学力テストの結果について、平均正答率が同程度の他の4県と比較分析したところ、正答数が少ない、いわゆる“落ちこぼれ”の割合が他県に比べ小中学とも大幅に少なかった。
 いまや全国の目標となった秋田だが、県教委は「秋田の子供は中学で伸び悩み、大学受験で低迷する」という。昨年度の大学入試センター試験の7科目平均点は全国34位。大学進学率は約43%で、全国平均の約53%を10ポイント下回る37位にとどまっている。19年度の東大合格者数も東北で唯一、1けたの8人で、43位と低迷している。
 なぜ大学受験まで高い学力を維持できないのか。その答えは、19年度の全国学力テストの中学生の正答数分布に表れている。小学生では「全問正解または1問不正解」という高正答率者の割合が全科目で比較対象の4県を上回るが、中学生では逆にすべての科目で下回った。
 つまり、秋田の中学生は「平均値で他県を上回るが、上位層が薄い」(県教委)。その理由を県教委関係者は「中位偏重」にあると指摘する。
 「学習内容が平易な小学生の間は理解の速い子、遅い子とも伸ばせるが、内容が高度な中学生での両立は困難。教師としてはできる子供は後回しになる」。この中位偏重は高校で一層顕著になり、「平均値は良いものの、高レベルの競争になる大学受験で結果が残せない」という。
 その半面、一般的に大学進学者が少ない専門高校からの大学進学率は全国トップレベルで、学力中位層の厚さを証明している。
 「(上位層が薄いのは)これまでの教育方針での行き過ぎた平等主義の弊害もある」と県教委関係者。秋田の県民性には「おれもやらないからお前もやるな」というマイナスの横並び意識が強いとされ、「教師や子供、保護者に進学や立身出世の意欲が薄い」と教育関係者は口をそろえる。
 秋田大の佐藤修司教授は「秋田は歴史的に裕福な地域で、競争意識が希薄。他人より目立つのを避ける横並び意識が、中位偏重と全体の好成績の背景の一因」と分析。その上で、「他の自治体が秋田を参考にしたくても、生活環境が似た家庭が多いほか、少人数学級や風土など秋田独特の事情を考えると、単純に参考にはならない」と話している。
 教育評論家で国際医療福祉大の和田秀樹教授は「秋田は東大進学者が少なく、学習塾主催のテストでも必ずしも成績がよくない」と上位層の薄さを指摘した上で、「できない子供が少ないということは、義務教育がうまく機能しているから。できる子を伸ばすのは義務教育の責任ではない」として、秋田の教育を評価する。
 また、和田教授は「失業率が高い県は平均点が低いなど、成績の差にはさまざまな要因がある。そうした関係を明らかにするためにも全国学力テストの成績公表が必要であり、点数がいいから“秋田に学べ”ではない」と最近の風潮にくぎを刺している。

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