志位さんが若手経営者に語る「資本主義との共存共栄」
日本の若手経営者たちが発行する雑誌「月刊 BOSS(ボス) 2008年 12月号」に、日本共産党の志位和夫委員長が登場している。表紙にはトヨタ会長と並んでいる。
この9月に経営塾で志位氏が講演したものを要約だが、興味深く、また反応が強かったのは「資本主義との共存共栄」の部分だったとのこと。共産党というと「大企業=敵」と思っている人が多い。
わたしたちの表現のつたなさの責任もあるが、真意はこうだ。
志位さんの論を私なりに説明すると・・・確かに大企業がその社会的役割に相応しい責任を果たせ、という角度から厳しく迫っている。それは、敵視しつぶれればよい、というものではない。
経済の法則として大企業が生まれるのは必然だし、大きな役割を果たしてもらわないといけない。しかし、資本主義には利潤第一主義という経済法則があり、社会が強制しないがきり、個々の企業では環境、人権とかに配慮することはできない。それで現在の環境問題やアメリカ発の金融危機のようなことが起きる。そうではなく、ものづくりを大事にして、企業が健全に発展するルールをきちんとつくること、資本主義の利潤第一主義の「強制力」をガードして健全な発展の環境をつくるというのが、私たちの主張だ。そのゆきつく先に社会主義・共産主義の社会があると考えている。資本主義がダメになって、次の社会がくるというのではない。企業の健全の発展の道筋を作る中で、社会主義の展望が出る。
だから志位さんは「資本主義との共存共栄」と表現した。これについて経済界の重鎮の方が「いまやアメリカモデルもダメになり、どうしていいのか経済界もわからなくなっている」との声を寄せている。
社会主義は資本主義批判から始まっている。資本論のサブタイトルも「経済学批判」である。ところで、批判の「批」も「判」も、物事を分けるという意味がある。つまりダメだと切り捨てるのでなく、いいところと問題なところを分けて、問題点を克服しさらに前進するというのが、批判の持つ意味だと、尊敬する先輩から教わった。
資本主義の名付けの親はマルクスだが、資本主義の歴史的必然性とその役割、生産力の発展、世界文化の創造、文明化作用と個性の発展、教育と男女平等、労働時間短縮の物質的基盤を用意することなどなど・・・その積極面を明らかにしたのも彼である。
伝え方に、より工夫をしなくてはならないな。
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