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 サッカーなどでおなじみのコイントス。「表か裏か」という表現だが、金融界では「表がでれば私の勝ち、裏がでればあなたの負け」という言葉があるそうだ。
 今の公的資金投入の話をみていると、勝ったときは「自己責任」で何十億もの報酬をもらい、負けたときは、経済を安定させるため、税金で面倒みよ・・・いずれにしても収奪されるのは庶民である。
 しかし、そうした自由主義一本槍への反省がはじまっている。
 「自由競争主義に欠陥」前FRB議長、金融危機に釈明/朝日

 グリーンスパンは、民主党、共和党の政権下で、連邦準備制度理事会の議長として「活躍」した。
現在のポールソン財務長官は、ゴールドマン・サックスの出身、そして金融緩和をすすめた民主党政権下のルービン財務長官(95~99年)もゴールドマンの出身。そのかれらが、世界中に、金融自由化を迫り、日本でも金融ビッグバンだと規制を緩和させた。(いまだに貯蓄から投資へとか、証券優遇税制の延長とか、言っているが)
 ようするに、政権は代わったが、金融資本が舵を握っていたと言う点では一貫している。そして日本がそれに唯々諾々としたがった点でも・・ これが二大政党の現実である。イラク戦争支持でも違いはなかった。その程度である。

 アメリカでは1929年に株価が暴落し、その後世界恐慌になった。そこで、有名なグラス・スティーガル法をつくり、銀行と証券会社の兼業を禁止する規制を強化した。それを無視して暴走した。まったく歴史に学んでない・・・というか、マルクスが言うように「社会が強制しない」と労働者の暮らしなど省みないのだ。
 
 しかし、こんなに早く21世紀初頭に資本主義の限界が「鮮やかに」露呈するとは、歴史の力強さに驚く。
ちなみに日本共産党の綱領
世界情勢として

「巨大に発達した生産力を制御できないという資本主義の矛盾は、現在、広範な人民諸階層の状態の悪化、貧富の格差の拡大、くりかえす不況と大量失業、国境を越えた金融投機の横行、環境条件の地球的規模での破壊、植民地支配の負の遺産の重大さ、アジア・中東・アフリカ・ラテンアメリカの多くの国ぐにでの貧困の増大(南北問題)など、かつてない大きな規模と鋭さをもって現われている。」と規定し、

 21世紀の展望として
「 二一世紀の世界は、発達した資本主義諸国での経済的・政治的矛盾と人民の運動のなかからも、資本主義から離脱した国ぐにでの社会主義への独自の道を探究する努力のなかからも、政治的独立をかちとりながら資本主義の枠内では経済的発展の前途を開きえないでいるアジア・中東・アフリカ・ラテンアメリカの広範な国ぐにの人民の運動のなかからも、資本主義を乗り越えて新しい社会をめざす流れが成長し発展することを、大きな時代的特徴としている。」

と主張しているが、実感をもって受け止められる情勢となってきている。

 「自由競争主義に欠陥」前FRB議長、金融危機に釈明/朝日 【ワシントン=西崎香】米議会の公聴会で23日、連邦準備制度理事会(FRB)前議長のグリーンスパン氏が集中砲火を受けた。議員らは現在の金融危機の原因をめぐって前議長の在任中の責任を詰問。前議長は、規制緩和や自由競争を推し進めたことに関し、一部に誤りがあったと認めざるをえなかった。  公聴会は下院の政府改革委員会が開いた。議会を主導する野党民主党は、危機の再発防止のため規制を大幅に強化する狙いがあり、06年までFRB議長を約18年半務め、米経済のかじ取り役として評判の高かったグリーンスパン氏を集中的に追及した。  ワックスマン委員長(民主)は、前議長が金融派生商品などの規制に消極的だったことを挙げながら「FRB史上最長の任期中、金融市場の規制緩和の支持でもっとも影響力があった。あなたは間違っていたか」と責め立てた。前議長は「部分的には」と認めたうえで「銀行などが利益を追求すれば、結果的に株主や会社の資産が守られると思っていたが、間違いだった」と話した。  さらに、自身が強調してきた自由競争主義の考えなどについても「欠陥をみつけた。それがどのぐらい深刻なものかは分からないが、非常に悩んでいる」と発言。金融業界が予想以上に危険な取引に走り、当局の対応が遅れたとの認識を示し、「私の経験では融資担当者は金融当局よりも、貸し出しリスクや借り手についてはるかによく知っていた。こうした決定的な支柱が崩れてしまい、衝撃を受けている。なぜそうなったのか、まだ十分理解できない」とショックをあらわにした。  危機の原因である低所得者向け(サブプライム)住宅ローンについては、「05年の遅くまで、市場が急膨張していることを示すデータがなかった」と、目が行き届いていなかったことを認めた。 それでも、議員らからは、複雑な金融商品への規制が後手に回り、政府系住宅金融会社への監督が甘かったといった批判が続出。前議長は「常に規制の失敗例はある。規制の多くは、特定の金融商品が今後悪化するかどうかなどの予想に基づいている。我々は民間よりもはるかに予測結果はいいが、間違ったことも多くある」と弁明に追われた。  市場の力を重視する前議長の考え方は、米国型資本主義の象徴として、世界の金融業界や政策決定に大きな影響を与えてきた。その路線を修正するような今回の発言は、金融危機後の政策論議の中で強まっている規制強化の流れを、さらに加速させそうだ。

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■P.F.ドラッカーの『ネクスト・ソサエティー』―ポスト金融危機を生き抜く知恵
こんにちは。私のブログでは、金融危機後「健全な社会」を作り出すことが、健全な実体経済を取り戻す最短の道であることを訴えてきました。しかし、多くの人の頭の中「経済・金融」というキーワードで埋め尽くされ、「社会」など何も関係のないことと思っているかのようです。そんなことはありません。私のブログではドラッカーの「ネクスト・ソサエティー」について取り上げてみました。この中でドラッカー氏は、すでに先進諸国の「社会」はそれまでの社会とは全く違う「異質な社会」に突入していることを強調しています。一方ではあまり関係ないように見える、ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏のここ数年の辛らつな「ブッシュ批判」は、形こそ違え結局は「健全な社会」を作くるどころか、壊してきたことに対する批判だったと思います。結局は、クルーグマン氏も「健全な社会」を作りだすべきことを主張していたのだと思います。もう「金融・経済」だけでは、何もかもが八方塞になってしまいます。いまこそ、異質な社会に対応するためのインフラ革新と、システム革新が必要不可欠です。詳細は是非私のブログをご覧になってください。

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